高校生物「化学合成細菌のポイント」

高校生物。今日は化学合成について学習を進めていきます。まずは光合成と化学合成の相違点を見てみましょう。

光合成と化学合成の相違点

光合成も化学合成も、無機物から有機物の炭水化物をつくりだす点は同じです。どちらも炭酸同化という反応になります。

相違点は、炭水化物をつくるときに利用するエネルギーの違いです。

化学合成では光エネルギーを使わず、自分でつくり出した化学エネルギーを利用するのがポイントです。ですので、光合成色素は持っていません。

化学合成をする生物を「化学合成細菌」といいます。無機物の酸化で得た化学エネルギーを使って炭酸同化を行います。化学合成細菌には次のようなものがいます。

硫黄細菌は化学合成をしていますが、間違えやすい細菌として「紅色硫黄細菌」や「緑色硫黄細菌」など、光合成を行う細菌もいるので注意してください。

亜硝酸菌は土の中などにいる細菌で、アンモニウムイオンNH⁴⁺を酸化し亜硝酸イオンをつくりだす細菌です。このとき生じる化学エネルギーを利用して炭酸同化を行います。

硝酸菌も土の中などのいる生物で、亜硝酸菌がつくりだした亜硝酸イオンを酸化し、硝酸イオンをつくりだす細菌です。このとき生じる化学エネルギーを利用して炭酸同化を行います。

硫黄細菌は水中や土壌中にいる細菌で、硫化水素H₂Sを酸化し、硫黄Sができるときに発生する化学エネルギーを利用し、炭酸同化を行っています。

水田の取水口付近などに見られる油膜を張ったようなどろどろとした土壌中に多く生息する細菌です。2価の鉄イオンなどを酸化することで化学エネルギーを得ています。

水素細菌

水素細菌も土壌中や水中に存在する細菌で、水素を酸化し水をつくるときに生じる化学エネルギーで炭酸同化を行っています。