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私立大学共通テスト利用入試のメリット・デメリット

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私立大学の入試方法は近年多様化を見せています。共通テストを利用する私立大も年々増加し利用しています。これは4年生私立大学の約9割近くに上る数字で、今ではほとんどの私立大学が共通テスト利用入試を行っていると言っても過言ではありません。今日は私立大学の共通テスト利用入試「共通テスト」のメリット・デメリットについてお伝えします。

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私立大学の共通テスト利用入試とは

共通テストの得点で私立大学の入学試験の合否を決定する入試方式です。国公立大学入学希望者にとっては、共通テストの勉強と別に私立大学入試の対策をする必要がなく、受験生にとって非常に便利な入試方式になります。しかも、共通テストを受け、単独型の場合は願書を提出するだけで複数の私立大学や学部学科に出願できるので合格を多くとっておきたい生徒にはありがたいシステムです。

一口に共通テスト利用入試といっても、各私立大学で様々なシステムがありますが、大きく大別すると2つのタイプに分かれます。

共通テスト利用入試「単独型」と「併用型」

  • 共通テストのみの「独立型」
  • 共通テストと個別試験の「併用型」

共通テストの点数だけをもって入試の合否が決定されるのが「単独型」の共通テスト利用です。私立大学が個別に課す試験がありませんので、共通テストを受験し、願書を提出するだけでいいという手軽さが魅力です。この「単独型」が私立大学の共通テスト利用入試ではメジャーではないでしょうか。

共通テストの点数と各私立大学が実施する個別試験の点数の合計で入試の合否を決定するのが「併用型」の共通テストです。大学によっては「共通テストプラス」と呼ぶこともあります。共通テストと個別入試の合計点で判断する大学も、点数の高い方を合否判定に採用する大学もあり各大学によって様々なパターンがあります。

参考までに私立大学の共通テスト利用入試の必要教科・科目の参考例を紹介します。

  • 共通テスト7科目型
    外国語(200)、国語(200)、数学・理科・地歴・公民から5科目(500)
  • 共通テスト5教科型
    外国語(200)、国語(200)、数学・理科・地歴・公民から3科目(300)
  • 共通テスト3教科型
    外国語(200)、数学・国語・理科・地歴・公民から2科目(400)
  • 共通テスト併用3教科型
    共通テスト:数学・地歴・公民から1科目(100)+独自試験:英語(150)、国語(100)
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共通テスト利用入試のメリット

便利な共通テスト利用入試ですが、メリット・デメリットもはっきりとしています。受験生にとってメリットとなる点をご紹介します。

  • 国公立大志望者は共通テストだけで私大を受験できる
  • 直接試験会場に行って受験しなくてもいい
  • 共通テストの受験だけで何回も出願できる
  • 一般入試より受験料が安い

国公立大志望者は共通テストだけで私大を受験できる

国公立大学志望者にとって、私立大学の赤本や出題傾向に沿った勉強をするのはどうしても時間が足りません。本命である国公立大学の勉強に専念したいもの。共通テストの得点を私立大学の入試に活用できるのであれば願ったりかなったりです。

共通テストの点数をもって国公立大学の滑り止めを確保したうえで思いっきり本命の国公立大学の勉強に専念できることが最大のメリットではないでしょうか。

直接試験会場に行って受験しなくてもいい

特に、地方に住んでいる学生にとっては非常にありがたいシステムで、わざわざ首都圏や大学がある都市部に行かなくても、願書を提出するだけで受験ができるのは素晴らしいシステムだと考えられます。

共通テスト前後は、非常にピリピリとした時期で、1分1秒でも時間を無駄にせず志望大学に向けて勉強に専念したいところです。受験のための移動や宿泊などは、いつもと違う生活パターンになってしまうので、どうしても勉強のリズムが崩れてしまいがちです。この移動に伴う無駄が無くなる点も受験生にとって非常に大きなメリットといえます。

共通テストの受験だけで何回も出願できる

国公立大学の入試のチャンスは、前期と後期日程の2回だけで、中期日程を実施している大学以外は全部で2回の受験チャンスしかありません。私立大学の場合は何回も受験できますが、受験日が同じ場合は同時に受験することはできません。

共通テスト利用入試の場合は、独立型の場合出願だけで受験が終了しますので、同時に何校でも出願することができます。この点もメリットになりますが、受験料はその分高くなることは覚悟しなければなりません。

一般入試より受験料が安い

大学入試の受験料は、保護者にとってバカにならない話です。私立大学の受験料の相場は、一般入試の場合25,000~35,000円とかなりの高額。2~3校受験するだけで、交通費などを含めると10万円をすぐに超えてしまします。

共通テスト利用入試の場合は、ほとんどの大学で15,000円くらいで受験できます。合格後の入学に必要なお金を考えると、何ともありがたいのではないでしょうか。

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共通テスト利用入試のデメリット

メリットを紹介しましたが、デメリットももちろんあります。メリットとデメリットをしっかりと考えて受験戦略を立てるようにしましょう。

  • 募集定員が少ないため高倍率になる
  • 共通テストで失敗すると全滅に
  • 私立専願の学生にとっては学習科目が増えることも

募集定員が少ないため高倍率になる

これが共通テスト利用入試の最大のデメリットではないでしょうか。非常に便利な入試システムなのは間違いないのですが、募集人員が非常に少ないので倍率が高くなる傾向があります。共通テストでよほどいい点数を取らなければ合格は難しいでしょう。

したがって、共通テスト入試制度を使って本命の勝負する大学への合格は厳しいものとなります。滑り止めの大学を共通テスト利用入試で決めることが一番いいのではないでしょうか。

共通テストで失敗すると全滅に

共通テスト依存型の入試制度ですので、共通テストで失敗した時点で、共通テスト利用入試は全滅したことになります。共通テスト前に出願した場合は、その時点で全部不合格、共通テスト後に出願しようとした大学も白紙に戻ってしまいます。

もちろん、共通テスト利用入試だけで勝負を考えている学生はいないと思いますので、この場合、一般入試や併用型の共通テスト利用に切り替えることになりますが、以上のことを踏まえると、過剰な期待は禁物のように思えます。

私立専願の学生にとっては学習科目が増えることも

行きたい私立大学が決定している場合は、私立に向けて必要な教科だけ勉強すればいいのですが、共通テスト試験利用入試がある場合は、学校の先生がそちらを受験するように勧めてきます。学校側どうしても国公立大学の合格実績をつくりたいので、何としてでも共通テストを受験させようと試みてきます。

一般入試では必要でない教科や科目を学習する羽目になって、自滅する人も少なくありません。

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共通テスト利用入試で一番注意することは

出願のタイミングには、細心の注意を払ってください。私立大学の共通テスト利用入試の出願時期は、共通テスト前に締め切る大学と、共通テスト後に出願ができる大学の2つのタイプに分かれます。

共通テストが良かったからと言って、共通テスト後に出願しようとしても大学によっては願書の提出が締め切られている場合があります。事前に願書を取り寄せ日程の確認をしっかり行うようにしましょう。

まとめ

各私立大学は、入学者数を増やそうといろいろなタイプの入試制度をつくっています。受験する側としては非常に便利なシステムだったりするのですが、本当にその大学に行きたいのかもしっかりと考えてください。

本命の大学には、あなたがやりたいことがあるはずですので、それを曲げてでも行きたい大学なのでしょうか。とはいっても浪人はしたくないのも事実。しっかりと自分の将来のビジョンを持って進路を決定しましょう。

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