無機化学「リンの性質」黄リンと赤リンの違いと十酸化四リン

大学入試無機化学。今日のテーマは15族元素の「リンP」です。まずは単体の特徴を押さえ、化合物である十酸化四リンとリン酸の性質を覚えていきましょう。

リンの単体

15族元素のリンですが、同素体の単元で登場しましたね。リンの同素体には「黄リン」と「赤リン」の2つがありました。それぞれの特徴をしっかりと覚えてしまいましょう。

スポンサーリンク

黄リン

  • 分子式P4
  • 分子の構造は正四面体
  • 淡黄色の固体
  • 猛毒
  • 空気中で自然発火するため水中に保存

黄リンは、工業的にリン鉱石にケイ砂とコークスを混ぜ、電気炉中で強熱して得られます。黄リンを空気中で自然発火させると十酸化四リンP4O10が得られます。

  • P4+5O2→P4O10

赤リン

  • 組成式P
  • 網目状の構造
  • 赤褐色の粉末
  • 毒性は少ない
  • マッチの摩擦面に利用されている

黄リンを窒素中で250℃くらいで数時間加熱すると得られます。

  • 黄リンP4→赤リンPx

リンの化合物

入試や定期テストに登場するリンの化合物は「十酸化四リン」と「リン酸」です。それぞれの性質もしっかりと覚えていきましょう。

十酸化四リンP4O10

  • 吸湿性が強く酸性の乾燥剤として利用
    酸性の気体や中性の気体の乾燥に使用
  • 水に加えて加熱するとリン酸H3PO4が得られる
    P4O10+6H2O→4H3PO4

非金属の酸化物に水を加えると、それに対応するオキソ酸が得られます。

リン酸H3PO4

  • 融点が25℃以上の無色の結晶
  • 水によく溶ける
  • 中程度の酸

リン酸イオンとカルシウムイオンの化合物が何に使われているかも覚えておきましょう。

  • リン酸イオンPO43-
    Ca3(PO4)2リン酸カルシウム:歯や骨、リン鉱石の主成分
  • リン酸一水素イオンHPO42-
    CaHPO4リン酸一水素カルシウム
  • リン酸二水素イオンH2PO4
    Ca(H2PO4)2リン酸二水素カルシウム:リン酸肥料、水によく溶ける

リンの性質 練習問題

  1. リンの同素体を2つ答えよ。
  2. リン単体で空気中で自然発火するのは何か。
  3. 2のあと何ができるか。
  4. 吸湿性が高く、酸性の気体や中性の気体の乾燥剤として使われるリンの化合物は何か。
  5. 4を水に溶かし加熱すると何ができるか。
  6. 歯や骨の主成分である、リン酸イオンとカルシウムの化合物の組成式を表せ。

解答

  1. 赤リン、黄リン
  2. 黄リン
  3. 十酸化四リン
  4. 十酸化四リン
  5. リン酸
  6. Ca3(PO4)2

あわせて確認したい単元