無機化学「アルカリ金属の性質」炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムの違い

大学入試無機化学。今日のテーマは水素を除く1族元素の「アルカリ金属」です。価電子が1個で陽性が強く1価の陽イオンになりやすい性質があります。

アルカリ金属の単体

アルカリ金属Li、Na、K、Rb、Csの単体には次のような性質があります。

  • 銀白色の金属で、融点が低く、密度が小さい。
    Li、Na、Kは水よりも密度が小さい。
  • 価電子が1で1価の陽イオンになりやすい。
  • 酸素や水と反応しやすいので石油中に保存する。
    水と反応すると水酸化物を生じる。
  • 炎色反応を示す。
    Li赤、Na黄、K紫
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アルカリ金属の酸化物

アルカリ金属は空気中の酸素と反応し酸化物をつくります。

  • 4Na+O2→2Na2O
  • 4Li+O2→2Li2O
  • 4K+O2→2K2O

アルカリ金属と水の反応

アルカリ金属のLi、Na、Kは水と反応し水酸化物を生じ水素が発生します。

  • 2Na+2H2O→2NaOH+H2
  • 2Li+2H2O→2LiOH+H2
  • 2K+2H2O→2KOH+H2

アルカリ金属の化合物

アルカリ金属の化合物には、酸化ナトリウムNa2O水酸化ナトリウムNaOH炭酸ナトリウムNa2CO3炭酸水素ナトリウムNaHCO3などがあります。

酸化ナトリウム

酸化ナトリウムNa2Oなどのようなアルカリ金属の酸化物塩基性酸化物で、水と反応し塩基のNaOHになります。

  • Na2O+2HCl→H2O+2NaCl

水酸化ナトリウム

水酸化ナトリウムNaOHは強塩基の物質なので、空気中の二酸化炭素と反応し、炭酸ナトリウムNa2CO3が生じます。水酸化ナトリウムの性質で覚える点は次の4つです。

  • 発熱しながら水に溶け、水溶液は強塩基性を示す。
    水酸化ナトリウムは溶解熱が大きい物質です。
  • 空気中の水分を吸収し潮解する。
  • 固体や液体の状態で皮膚や粘膜を溶かす。
  • 二酸化炭素CO2と反応し炭酸ナトリウムNa2CO3を生じる。

水酸化ナトリウムは塩化ナトリウム水溶液を電気分解した後に得られます。

炭酸ナトリウム

炭酸ナトリウムNa2CO3は、炭酸ソーダソーダ灰とも呼ばれる白色固体の物質でガラスの材料として使われています。覚える性質は次の4つです。

  • 炭酸ソーダ、ソーダ石灰とも呼ばれ、ガラスの原料として使われている。
  • 水によく溶け、加水分解し弱塩基性を示す。
    CO32-+H2O⇄HCO3-+OH
  • 再結晶で得られるNa2CO3・10H2O風解し、Na2CO3・H2Oになる。
    Na2CO3・10H2Oは無色透明、Na2CO3・H2Oは白色粉末です。
  • 強酸のHClなどで弱酸の遊離反応が起こりCO2が発生する。
    Na2CO3+2HCl→H2O+CO2+2NaCl

炭酸水素ナトリウム

炭酸水素ナトリウムNaHCO3は、我々にとって身近な物質で、重曹とも呼ばれます。ベーキングパウダーふくらし粉胃腸薬などに含まれます。覚える性質は次の3つです。

  • 炭酸水素ナトリウムの別名は重曹で、ベーキングパウダーや胃腸薬に含まれている。
  • 水に少し溶け、加水分解により弱塩基性を示す。
    HCO3+H2O→H2CO3+OH
  • 強酸のHClなどで弱酸の遊離反応が起こりCO2が発生する。
    NaHCO3+HCl→H2O+CO2+NaCl
  • 熱分解し炭酸ナトリウムになり二酸化炭素を発生する。
    2NaHCO3→Na2CO3+CO2+H2O

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