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【化学基礎】化学反応式のつくり方・未定係数法

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化学の計算で絶対に必要になるのが「化学反応式」です。化学反応式が作れないと、化学変化と量的な関係がまったく見えてきません。今日は化学で最も重要な化学反応式のつくり方について学習していきましょう。

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化学反応式のつくり方

化学反応式をつくるときに重要なルールがあります。それは、化学変化の前後で原子の数を一致させることです。化学反応式でいうと、矢印→の左右で原子の数が等しくなるように化学式の前に係数をつけないといけません。

化学反応式のつくり方は、自己流でも構いませんが、次の3つのパターンを覚えておくと便利です。

  1. 複雑な化学式の物質の係数を1とする方法
  2. 炭化水素の化学反応式のつくり方
  3. 未定係数法

基本的に1~2の方法で化学反応式をつくることができます。3は時間がかかるので、どうしても化学反応式が作れないときで時間に余裕があるときだけ使うようにしましょう。

複雑な化学式の物質の係数を1とする方法

水の電気分解で、複雑な化学式の物質の係数を1とする方法のやり方を説明します。水を電気分解すると、陰極から水素H₂、陽極から酸素O₂が発生します。

  • H₂O→水素H₂+酸素O₂

このとき、矢印→の左側にある水の化学式が一番複雑な化学式になります。なので、H₂Oの化学式の前の係数を1とします。そうすると、左辺は水素原子2個、酸素原子1個になります。原子の数を合わせるために、右辺の水素分子は1個、酸素分子は1/2個にする必要があります。

  • 1H₂O→1H₂+1/2O₂

という式ができます。分数を消すために両辺を2倍して、

  • 2H₂O2H₂1O₂

という化学反応式が完成します。ほとんどの化学反応式はこのやり方で係数をつけることができるようになっています。

炭化水素の化学反応式のつくり方

CH₄やC₂H₆などの、炭素Cと水素Hのみから成る化学式を持つ物質を炭化水素といいます。炭化水素の化学反応式のつくり方を知っていれば、早く化学反応式を完成させることができるのでマスターしてください。プロパンC₃H₈の例で紹介します。

炭化水素であるCHを空気中で燃焼すると、空気中の酸素Oと反応し、二酸化炭素COと水HOが発生します。

  • プロパンC₃H₈+酸素O₂→二酸化炭素CO₂+水H₂O

このときの係数のつけ方は、炭化水素のCの数だけCO、Hの数の半分だけHOができると覚えておきましょう。右辺のCO₂とH₂Oの係数が決まれば、その中にCO₂なら2個の酸素原子が、H₂Oなら1個の酸素原子が含まれます。したがって、

  • C₃H₈+O₂→3CO₂+4H₂O
    をまずつくって
  • C₃H₈+5O₂→3CO₂+4H₂O
    と係数をつけます。

エタンC₂H₆の場合は、

  • C₂H₆+O₂→2CO₂+3H₂O
    とまずつくって
  • C₂H₆+7/2O₂→2CO₂+3H₂O
    両辺を2倍にして
  • 2C₂H₆+7O₂→4CO₂+6H₂O
    とします。

未定係数法

未定係数法は、複雑な化学反応式の係数をつけるときに使います。アンモニアNH₃と酸素O₂が反応し、一酸化炭素COと水H₂Oができる化学反応式で紹介します。

  • aNH₃+bO₂→cNO+dH₂O
    それぞれの係数を文字にし、それぞれの原子について方程式をつくります。
  • N原子について a=c
  • H原子について 3a=2d
  • O原子について 2b=c+d
  • 任意の文字を1にします。 a=1とすると、
  • a=1、c=1、d=3/2、、b=5/4 となり全て4倍にすると
  • 4NH₃+5O₂→4NO+6H₂O となります。

時間がかかるので、最終手段として活用しましょう。

化学反応式の練習問題

次の化学反応式の係数を書け。ただし、係数が1の場合も書くこと。
(1)( )NO+( )O₂ → ( )NO₂
(2)( )N₂+( )H₂ → ( )NH₃
(3)( )C₄H₁₀+( )O₂ → ( )CO₂+( )H₂O
(4)( )Al+( )O₂ → ( )Al₂O₃
(5)( )Zn+( )HCl → ( )ZnCl₂+( )H₂

解答(1)2、1、2  (2)1、3、2
(3)2、13、8、10  (4)4、3、2  (5)1、2、1、1

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