2021年1月実施!「大学入学希望者学力評価テスト」を徹底解剖

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大学入試改革の目玉、「大学入学希望者学力評価テスト」。現在、その内容については議論がなされている段階ですが、現時点で判明している内容について、今日は徹底的に分析してみたいと思います。今後変更の可能性がありますが、その場合は随時変更点もお伝えしていきます。

大学入学希望者学力評価テストとは?

  • 大学入学者選抜での利用が目的
  • センター試験に変わるテスト

大学入学希望者学力評価テストとは、その名の通り、大学へ入学する人が受けるテストになります。国公立大学に進学する高校生が、推薦入試、AO入試等を除けばほぼ全員が受けるテスト「センター試験」と同じ役割を果たす試験になります。

現行のセンターテストと大きく異なる点はその内容です。センター試験はマーク式のテストで、どちらかというと知識や技能を評価する傾向が強いテストになっていますが、新大学入試制度の「大学入学希望者学力評価テスト」では、知識や技能だけではなく、「思考力・判断力・表現力が問われるテスト」になります。

問われる内容がセンター試験とは異なりますので、マーク式の解答だけでなく、短答式の解答や記述式の解答も出題されることになります。したがって、問われる問題のレベルは、今のセンター試験よりも難しくなることは必至です。

現在その内容については、検討が続けられていますが、先ほども述べたように、記述式なども出題に含まれることになるのは確実です。また、英語に関しても4技能が必要になるテストになります。

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学力評価テストの実施時期は?

  • 2021年1月からスタート
  • 2020年1月が最後のセンター試験

気になるのが、学力評価テストの実施時期です。2017年時点において中学3年生になる学年が、この「大学入学希望者学力評価テスト」の実施初年度の学年になります。

当初、その実施時期につては、年複数回受験制度や12月に実施されるのではないかとの憶測がありましたが、高校から「高校内容を履修するのに時間が足りない」との回答があったため、今のセンターと同じ時期の、高校3年生の1月に実施されるように決定されました。

学力評価テストの教科・内容は?

  • 2023年度(2024年1月)までは現行の教科でのテスト
  • 2024年度(2025年1月)からは新学習指導要領でのテスト
  • 思考力・判断力・表現力を問う難易度が高いテスト

大学入学希望者学力評価テストで実施される教科ですが、現行指導要領のもとでは、現在のセンター試験と同じような教科を選択できるようになるのではないかと考えます。この点は、詳細が発表され次第お伝えします。

現行指導要領で学んだ生徒が受検する2020年度(2021年1月)~2023年度(2024年1月)と、新しい次の学習指導要領で学んだ生徒が受検する2024年度(2025年1月)以降では、もちろん教科書が変わっているのですから、出題・解答方法などの制度設計が異なってきます。

現時点で判明している点は、どの教科もマーク式だけではなく、短答式や記述式の解答が要求されるようになることだということは判明しています。生徒に求めるものが「思考力・判断力・表現力」になるので、当たり前といえばそうなのですが。特に、全高校生にとって共通の必修科目である「国語」と「数学」は、早々に記述式の導入が行われるようです。実施初年度は国語の記述式は必須になりそうです。

今のセンターと比べると、思考力・表現力・判断力が問われるテストになるので、確実に難易度は上昇します。

学力評価テストの記述式とは?

  • 80字以内の短文記述とより字数が多い記述の2パターンを実施
  • 実施初年度は国語の教科で導入
  • 同じ解答でも大学によって点数が違ってくる

2016年12月に国立大学協会入試委員会が発表した内容によると、大学入学希望者学力評価テストでは、文系・理系を問わず全受験生に対し、国語を基本に80字以内の短文形式の記述式問題と、より字数が多い形式の記述式問題を課す方針を示しました。

これで、学力評価テストの国語の問題では確実に80字以内の短文形式の記述問題が出題されることになります。より字数が多い形式の記述式問題は、学力評価テストで実施するのか、国公立2次試験で実施するのかは決まっていませんが、国公立受験者は、この2つの記述問題を突破しなくてはならなくなりそうです。

記述式問題になることは、それだけ受験者の表現力などが解答に反映され、マーク式では判断できない力も評価することができるようになります。しかし、ここで問題になるのが受験生約50万人分の答案の採点です。

80字以内の短文形式の記述式問題の採点は、入試センターが採点指針を提示して、各大学が独自に採点するようになります。より字数が多い形式の記述式問題については、作問自体、入試センターがするのか、各大学が独自に作問するのか、大学間で連携して共通問題をつくるのかなど、現在検討段階に入っているようです。

どちらにせよ、採点するのは各大学になりますので、独自の採点基準により、同じ解答でも大学によって点数が異なってくることになります。より強く大学の色が学生に反映されることになるのはいいことではないでしょうか。

学力評価テストの解答方法は?

  • 2023年度(2024年1月)まではペーパー
  • 2024年度(2025年1月)からはCBT

2020年度(2021年1月)から実施される「大学入学者学力評価テスト」ですが、「基礎学力テスト」と同様にCBT、IRTの導入が予定されています。ですが、実施当初は従来通りペーパーでのテストになりそうで、CBTの導入については2024年度(2025年1月)から予定されています。

CBTとは「Computer-Based Testing」の略で、従来のペーパーテストではなく、コンピュータ上で実施する試験のことです。記述式が出題されることが決定しましたので、パソコンやタブレットで文章を入力するタイピングも必要になりそうです。

もしかすると、学力評価テストの実施回数が2回に分かれ、マーク式や短答式の問題はCBTで、記述式の解答はペーパーでと分けられる可能性もあります。

学力評価テストの費用は?

  • 現センター試験の18,800円よりも高額になる見通し

現行のセンター試験の受験料は、3教科以上を受験して、成績通知を希望する場合は18,800円の受験料が必要ですが、新制度の「学力評価テスト」ではどうなるのでしょうか?

おそらく、民間の英語4技能検定の活用や、記述式の採点の手間を考えると今の受験料よりも高くなることが予想できます。もちろん低所得者への補助も検討されるでしょうが、この時期の出費は保護者にとって手痛いものです。

学力評価テストの問題イメージ

「知識・技能」を問う問題ではなく「思考力・判断力・表現力」を問う問題が出題のメインになるので、記述式の解答が増えることは想像がつくと思います。ただ、自由度の高い記述式の場合は、採点の問題も出てくるので、設問で一定の条件を設定した上で、それを踏まえて、結論や結論に至るプロセスを解答させる「条件付記述式」の形式で実施されるのではないでしょうか。

結論を導き出す思考のプロセスについては、現在検討が進められているようですが、問題をしっかりと理解し、与えられた情報を統合し解決方法を探索後、計画立案、考察過程や考察結果の吟味を行うといった思考プロセスが的確に行われているかが見られるようです。それぞれの要素を個別に問うことや、全体の流れを説明できるかを問うことが予想されます。

文科省のモデル問題

文科省がPDFで問題のモデルを公表しています。あくまでたたき台としてのモデルですので、今後いろんな改良が施されていくと思いますが、傾向をつかむものとしては十分ではないでしょうか。下のリンクから閲覧できます。

「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で評価すべき能力と記述式問題イメージ例

まとめ

確かに、現センター試験では激変する経済環境やグローバルな時代の中で生き抜く力が伸びないことは十分に理解できます。国も大慌てで教育改革に乗り出した形となっていますが、ここはしっかりと、大学側や高校側と意見交換し、有意義な試験制度をつくってもらいたいですね。

しかし、慎重すぎて、今のセンターと少ししか変わらないのが一番期待外れであることはみなさんも同じではないでしょうか。思い切って「そこまで変わったか!」と驚くくらいの変化を期待します。

利権争いも発生すると思いますが、教育は国の礎ですので将来のことをしっかりと見据えた姿勢で文科省は作問に当たってほしいと切に願います。

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