高等学校基礎学力テストの例題に挑戦!生活との関わりより密着に

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2019年からスタートする「高等学校基礎学力テスト」(以下、基礎学力テストと呼ぶ)の問題について、今日は徹底研究を行います。文部科学省がモデル問題として、いわばたたき台として提示した問題を参考に研究したいと思います。今後変更の可能性がありますので、その際は随時お知らせします。

高等学校基礎学力テストはレベル別の問題セットを採用

  • レベル別に問題セットを選択できる
  • 選択は学校の裁量にゆだねられる

高等学校基礎学力テストのねらいは、高校生の基礎学力の向上を目指すことで、集団の中で競争させることが目的ではなく、生徒の学習度合いに応じて、テスト結果を提供し、生徒の現状に合った指導に寄与することが目的になります。

したがって、基礎学力テストの問題は全国でただ一つしかないのではなく、複数の問題セットの中から、学校の裁量で、生徒のレベルに応じた問題セットを選択できる形になります。

レベル別の問題セット 出典:文部科学省

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高等学校基礎学力テストのねらい

基礎学力テストは、国語、数学、英語の3教科で実施されます。テストのねらいは高校生の基礎学力の向上と、「社会で自立し、社会に参画・貢献していくために必要な力」を育成することです。

したがって、日常生活により近いシチュエーションでの出題が考えられます。CBTの活用が実現できれば、映像や画像をふんだんに盛り込んだ出題内容になることは間違いないようです。

高等学校基礎学力テストの出題内容

  • 義務教育段階の「学び直し」問題も出題
  • 日常よく見るニュースや文書等から出題

文科省が提示した「社会で自立し、社会に参画・貢献していくために必要な力」を養うために、問題に次のねらいが組み込まれています。

  • ニュースや演説、社会で用いられる文書等から、話題等の要点を的確に捉えて書き出したり、概要をまとめたりすることができるか。
  • 会議や打合せに向けて、必要となる情報を収集して提案する内容を考え、会議等の目的や状況を踏まえて表現を工夫したり、根拠をもって説明したりすることができるか。
  • 商品の売り上げ等に関するグラフや箱ひげ図から、情報を読み取ることができるか。
  • 利率やコスト等の条件を比較し、将来的な見通しを立てることができるか。
  • Eメールや手紙などにおいて、求められている情報を適切に書いて伝えることができるか。
  • 英語の掲示や取扱い説明書等から、必要とする情報を取り出し、目的を達成することができる
    か。

抜粋 文部科学省「高等学校基礎学力テスト(仮称)の問題作成イメージの例等」

国語の問題例

生活との関わりをより意識させる出題のイメージを示すための問題例として提示された問題がこれです。

出典:文部科学省

  • 問1 空欄Aに入れるのに適当な言葉を漢字2字で書きなさい。
  • 問2 文例2の内容や表現について述べたものとして適切なものを,次のア~オから1つ選んで記号で答えなさい。
    ア 薬の特徴として,その効果だけでなく色や形についても説明している。
    イ 専門用語を使わず,幼い子供にも理解できるようにしている。
    ウ 記号を用いて、特に注意を喚起すべき情報に着目しやすいようにしている。
    エ 薬の価格の安さや飲みやすさなどの利点を効果的に説明している。
    オ 利用者の声を敬体を用いて紹介し,薬の効果を親しみやすく訴えている。
  • 問3 文例1と文例2の共通点について述べたものとして最も適当なものを,次のア~オから1つ選んで記号で答えなさい。
    ア 自らの主張の根拠となる情報を引用によって示し,説得力を高めようとしている。
    イ 読み手から提出された疑問点に対して説明し,不明な点をなくそうとしている。
    ウ 今後予定されている出来事の内容と留意点を伝えようとしている。
    エ 必要な情報を読み手に正確に伝え,適切な行動を促そうとしている。
    オ 内容のメリットとデメリットを対照的に示し,正確な理解を求めようとしている。
  • 問4 文例1について,読み手に内容がより正確に伝わるように図や写真を入れて工夫したい。①~③の三つの観点に基づいてあなたの考えを○○字以内で書きなさい。
    〔観点〕
    ① 図や写真を入れた方がより分かりやすくなると考えられる記述はどれか。
    ② なぜその記述は図や写真を入れた方がより分かりやすくなるのか。
    ③ どのような図や写真を入れるとよいか。

上記の問題は、文科省のたたき台問題を抜粋していますが、印象は中高一貫校の適性試験と傾向が似ています。日常よく見る文書等を活用し、日頃からどんなことを学び取れているかが問われる出題になっています。

問1は、高校の国語総合で学習する内容ですが、こうやって実生活に関連した形式で出題されることにより、身近に感じることができます。
答えは【敬具(謹言,謹白,頓首,敬白など)】です。

問2は、薬の説明書からの出題で、実用的な文章内容のな読み取りと表現の工夫の理解を問う問題です。個人の感想ですが、こうやって出題される方が、国語の問題も楽しく解けるような気がします。
答えは【ウ】です。

問3は、複数のテキストに共通する表現の特色と書き手の意図とを問う問題で、その文章の目的を考えさせる問題です。両文章に共通する目的を的確にとらえることができているかを問いています。
答えは【エ】です。

問4は、自分の考えを記述させる問題で、まさに適性試験といった出題内容になっています。模範解答は【募集場所の位置が分からない保護者のために,会議室の位置を示した案内図を入
れたらよい。 】になりますが、完全な記述ではなく、部分記述形式にすることも考えられます。

まとめ

今回は国語の問題例を提示しましたが、数学でも電気店の広告から一次不等式を問う問題などが出題されています。高校生バージョンの適性試験といえるでしょう。

文章読解力や思考力がしっかりと備わっている生徒にとっては、この手の問題は問題なく解けるのですが、機械的に学習を進めてきた生徒にとっては解答を導くのに大変苦労すると考えられます。

また、指導する側としても、従来通りの、出題形式で出される問題はいいのですが、力がない生徒に対して、日常に即した出題形式、適性試験バージョンの問題を解けるようにするには大変な努力を要します。

レベル別のセット問題の例も示されていますので、学習指導要領が改定されていない段階では、基本レベルの問題セットには適性タイプの問題を多用しない方がいいのではないでしょうか。

塾や専門の教育機関で学習できる生徒だけ、評価が高くなるような出題にはならないように配慮が必要です。意欲がある生徒はどんどん学力が上がり、そうでない生徒は切り捨てられても構わないと考えますが、経済的な格差で学力に差がつくことのない未来になってほしいと願います。

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