総合系・理系学部の小論文頻出テーマ「生物多様性」についての考察

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小論文ネタ「生物多様性」についての考察です。総合学部、理系学部で頻出する「生物多様性」。生物多様性の在り方、保全についてなど、さまざま論があります。志望者は、そのさまざまある一般論のほか、自分の意見も持っておくことが、そのようなテーマが出題されたときに、スムーズに論を展開できると思います。それでは、総合系・理系学部の小論文頻出テーマ「生物多様性」についての考察です。

生物多様性

「生物多様性」を題材に論じたものである。著者の議論を四○○字程度でまとめ、人間社会における「関係価値」について具体例をあげながら論じなさい。

<ある人の解答例>
近年、「生物多様性」という言葉が、生物保全の必要性と重要性を社会に想起させた。生物多様性条約の中では、一見相反する「保全」と「利用」という二つの目標が掲げられた。しかし、経済価値と市場原理に重点が置かれたこれらの目標は、生物多様性を「人類の共通の遺産」というより「グローバルな商品」と位置づけた。私たちは、生物相互のつながりに価値を見出す必要がある。 人間社会においても、私たちは別の価値を探らなければならない。つまり、「利益の公正かつ衡平な配分」を目指して、地域社会と深い関係を持つ必要があるのだ。例えば、水の出しっぱなしはもったいないという概念が、私たちにはある。それは、地球上で使用可能な水は極めて少ないことを教わったからである。決して経済的な価値は先立っていない。

距離を縮めることでしか見えない発見がある。地域社会の中での「保全」に気づいて、見合った価値を与えなければならない。

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添削・講評

(1)要約部分に関してはGOOD! ただ「別の価値」を「関係価値」としてもよかったでしょう。あと、最後に「距離を縮めることで見えない発見」とありますが、何の距離だろう。○○の距離と明示するべき。また、前文からの流れを引き継ぐなら、その距離とか、そのような距離とか。

(2)人間社会における関係価値の具体例に関しては、ちょっと印象が弱いかな。要約で具体例を示す場合は、自分の意見をアピールできるチャンスだからですね。

関係価値とは、
「今日のグローバル経済における交換価値の枠組みでは、生産者ー消費者が分断されてしまっているが、別の価値(関係価値)によって、その距離を縮めようという考え方である。それは、つながることによって豊かになる価値であり、 つながりが切れたときに初めて、大切なものだったと気づく価値である。」

と述べているので、具体例もそれをもっと想起するものでないといけませんね。

人間社会における関係価値

「たとえば、同じ作物や商品も生産者の顔を知るだけで、その消費の仕方が変わる。そこには関係が生まれ、当事者意識が芽生えるからであろう。そのように、当事者の意識をもつことでしか見えない発見がある。そのような関係価値が、生物多様性の「保全と利用」の価値とは別の価値基準となる。」こんな感じの締めくくりもありかな。

参考

各段落(今回は、小見出しがあるので、それ1つのパラグラフとみなす)のキーセンテンスを拾っていくと、

  • 第一段落 生物多様性は現代の環境問題の中心的なアジェンダだが、その生物多様性の定義は複雑化している。
  • 第二段落 生物多様性条約においては、利用と保全の2つの目的では所有権などの対立を生むので、新たな目的が必要。
  • 第三段落 今日では、生物多様性の利用の経済価値にも言及。保全にあたっても経済価値が最重要課題となり、生物多様性そのものが商品化している。
  • 第四段落 生物多様性が語られる以前の地域の人は、経済価値でなく、使用価値にその価値を見出していた。保全に関しては、地域の人の役割が大きい。
  • 第五段落 生物多様性だけでなく生物のつながりも大事。これは保全にあたっての人々のつながりにもあてはまる。そして、いま必要なのは、人々と生物多様性とのつながり。それは、つまり関係価値が大事。
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