【生物基礎】アレルギーと免疫不全

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ヒトは免疫反応により病原体などの異物から体を守っていますが、免疫反応が過剰に現れたりあるいは不足することで、身体にさまざまな影響をもたらします。免疫病や免疫疾患といわれるものです。

アレルギーと免疫不全

免疫病には、免疫反応が過剰に起こるアレルギーと、免疫反応が不足してしまう免疫不全があります。

アレルギーを引き起こす抗原はアレルゲンと呼ばれ、身近なものだと花粉エビ・カニそば金属などさまざまなものがアレルゲンとなります。このアレルゲンに過剰に反応し、生体に不都合な症状が現れてしまうのですね。

免疫不全の代表例は、エイズAIDS)後天性免疫不全症候群です。ヒト免疫不全ウイルスHIVにより、獲得免疫の中心的役割を担うヘルパーT細胞が破壊されることで発症します。

アレルギー

アレルギーには、体液性免疫が関与するアレルギーと、細胞性免疫が関与するアレルギーがあります。

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体液性免疫によるアレルギー

体液性免疫によるアレルギーには、花粉症や食品アレルギー、喘息などのⅠ型アレルギーと、関節リュウマチ、重症筋無力症、バセドー病などの自己免疫病を発症するⅡ型アレルギー、血清病や全身性エリテマトーデス(SLE)などのⅢ型アレルギーがあります。

このうちⅠ型アレルギー即時型アレルギーと呼ばれ、最大の症状が現れるまでに時間が短いのが特徴です。Ⅰ型アレルギーでは、抗原に対してIgEと呼ばれる抗体が産生され、肥満細胞(マスト細胞)に結合します。再度、抗原が体内に侵入すると肥満細胞に結合しているIgEに抗原が結合し、肥満細胞からヒスタミンが分泌されます。ヒスタミンには外分泌腺からの分泌促進や、平滑筋の収縮を促進させ、身体に不都合な症状を発症させます。

Ⅱ型アレルギーは、IgGIgMといった主要な抗体が細胞を攻撃することで自己免疫病を発症します。自己の抗原に対して抗体が作られてしまうというわけです。代表的な自己免疫病として、関節リュウマチ、重症筋無力症、バセドー病、不適合輸血による溶血性貧血などがあります。

花粉症

体液性免疫によるⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)で、花粉がアレルゲン(抗原)として認識されおこるアレルギーです。

花粉からタンパク質が粘膜に流出し、それに対してB細胞が特定の抗体であるIgEを産生し、IgEと肥満細胞が結合します。同じ抗原(花粉からのタンパク質)が再び体内に侵入し、肥満細胞に結合しているIgEと抗原が反応すると、肥満細胞からヒスタミンが分泌されさまざまな症状が現れます。

アナフィラキシー

体液性免疫によるⅠ型アレルギー(即時型アレルギー)で、アレルゲンが2回目に入ったときに特に激しい症状が現れるものをいいます。血圧の低下や意識の低下、呼吸困難などを引き起こす場合はアナフィラキシーショックと呼ばれます。

アナフィラキシーショックを引き起こすアレルゲンとしては、ペニシリンなどの薬物、ハチの毒などが有名です。

自己免疫病

体液性免疫によるⅡ型アレルギーで、自己の成分に対して抗体が作られて、自己を攻撃してしまうアレルギーです。キラーT細胞も自己の攻撃に関与します。IgGIgMといった主要な抗体によって引き起こされます。

抗体やキラーT細胞が関節細胞を攻撃する関節リュウマチ、筋組織を攻撃する重症筋無力症、甲状腺を刺激するはたらきがある抗体が作られて、甲状腺のはたらきが過剰になってしまうバセドー病不適合輸血による溶血性貧血などがあります。

細胞性免疫によるアレルギー

細胞性免疫によるアレルギーはⅣ型アレルギーと呼ばれ、症状が最大化するまでに時間を要するので遅延型アレルギーとも呼ばれます。ツベルクリン反応や、アトピー性皮膚炎、移植による拒絶反応が代表例です。

抗体が関与しないアレルギーで、T細胞マクロファージらが関与する細胞性免疫が深く関係するアレルギーになります。

ツベルクリン反応

ツベルクリン反応とは、結核にかかったことがあるか、また結核にかかっているかを調べる際使う反応になります。陽性の場合、皮膚が赤くはれ上がり結核にかかったことがある目印となります。陽性の場合、免疫記憶があるので、結核発症のリスクは低くなります。

陰性の場合には、結核菌の侵入に備えてBCG(牛型結核菌)を予防接種として注射することで免疫記憶を作ります。

拒絶反応

別の個体から移植された臓器などが非自己と認識され、脱落する現象を拒絶反応といいます。細胞性免疫で活躍するキラーT細胞のはたらきによるものです。

キラーT細胞が免疫記憶細胞として体内に残るために、同じ別の個体から2回目の移植を行うと、1回目の移植時よりも短時間で脱落します。

免疫不全

免疫不全には先天的(生まれながらに持っているもの)と後天的(生まれた後に備わったもの)なものがあります。免疫能力が不足するため、日和見感染しやすくなります。日和見感染とは、通常の免疫力があれば病原性が現れないような細菌やウイルスによって発症する病気をいいます。

先天的なものには無ガンマグロブリン血症などがあり、後天的なものにはHIVの感染によるエイズなどがあります。

エイズ

エイズAIDS)は後天性免疫不全症候群と呼ばれるもので、ヒト免疫不全ウイルスHIV)により、ヘルパーT細胞が破壊されることで発症します。日和見感染による肺炎やがんなどを発症します。

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