【生物基礎】ハーシーとチェイスのT2ファージの実験に関する練習問題

シェアする

スポンサーリンク

遺伝子の本体がDNAであることが証明された実験である、ハーシーとチェイスの実験を演習します。実験でわかることをしっかりと意識して問題にのぞみましょう。

T₂ファージの実験に関する練習問題

T₂ファージは、大腸菌に感染するウイルスで、DNA(デオキシリボ核酸)とタンパク質でできている。T₂ファージと大腸菌を用いて次の実験1、実験2を行った。

実験1

T₂ファージのDNAをリンPの放射性同位体である³²P、タンパク質を硫黄Sの放射性同位体である³⁵Sで、それぞれ後で区別できるように標識した。このT₂ファージを培養液中の大腸菌に感染させた。5分後に激しく撹拌して大腸菌に付着したT₂ファージを外した後、遠心分離して大腸菌を沈殿させ、沈殿と上澄み液の放射活性を調べた。すると、沈殿では³²Pが検出されたが³⁵Sはほとんど検出されなかった。また、上澄み液を調べたところ³²Pと³⁵Sの両方が検出された

実験2

実験1で沈殿した大腸菌を、新しい培養液で撹拌し培養したところ、3時間後にすべての大腸菌の菌体が壊れた。その後、培養液を遠心分離して、壊れた大腸菌を沈殿させ上澄み液を調べたところ、T₂ファージは実験1で最初に感染に用いた数の数千倍になっていた。

T₂ファージ(1)実験1中の下線部アについて、右の図はT₂ファージのつくりを簡単に表したものである。図中のAとBを構成する物質はそれぞれ何か。

(2)実験1中の下線部イから、大腸菌の内部に入ったのは、DNAとタンパク質のどちらだと考えられるか。

(3)この実験から、遺伝子の本体は何であったと推測されるか。

(4)実験1・実験2の結果に関連する考察として適当なものを、次の中から2つ選び、番号で答えよ。
①T₂ファージのDNAとタンパク質はしっかりと固定されていて離れることはない。
②T₂ファージのDNAは、大腸菌の表面で増える。
③T₂ファージのDNAは、感染後5分以内に大腸菌内に入る。
④T₂ファージのタンパク質は、大腸菌の中で作られる。
⑤T₂ファージのタンパク質は、感染後5分以内に大腸菌内に入る。
⑥実験2で得られた上澄み液をそのまま培養すると、さらにT₂ファージが増え続ける。

(5)この実験を行って、T₂ファージの増殖過程を解明した学者を2人答えよ。

スポンサーリンク

T₂ファージの実験に関する練習問題 解答・解説

(1)A:タンパク質 B:DNA

T₂ファージの外側の殻である外殻は、主にタンパク質でできており、外殻に包まれたものがDNAになる。タンパク質には硫黄S、DNAにはリンPが含まれている。

(2)DNA

実験1で撹拌・遠心分離して大腸菌を沈殿させ、沈殿の中の放射活性を調べると、DNAにふくまれる³²Pが検出され、タンパク質に含まれる³⁵Sが検出されなかったことから、大腸菌内にT₂ファージのDNAが入っていることがわかる。

(3)DNA

大腸菌内にT₂ファージのDNAが入り、増殖していることから、DNAが遺伝情報を含んでいることがわかる。

(4)

T₂ファージを培養液中の大腸菌に感染させ、5分後に撹拌・遠心分離して大腸菌を沈殿させているにもかかわらず、沈殿内の大腸菌に³²Pが検出されていることから、T₂ファージのDNAは、感染後5分以内に大腸菌内に入ることがわかる。よって③は正解。
T₂ファージを培養液中の大腸菌に感染させ、撹拌・遠心分離して大腸菌を沈殿させ、大腸菌の放射活性を知らべると³²Pは検出されているが³⁵Sは検出されていない。つまり、もともとのT₂ファージのタンパク質は大腸菌内に入っていないことがわかる。ということは、子ファージは、大腸菌のタンパク質を使って自らのタンパク質をつくっていることがわかる。

(5)ハーシーチェイス

1952年にアルフレッド・ハーシーとマーサ・チェイスは、T₂ファージの実験を行い、遺伝子の本体がDNAであるということ証明しました。のちにノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

ハーシーとチェイスのT₂ファージの実験を復習

T₂ファージを使ったDNAの実験は、遺伝子の本体がDNAであることを証明した実験です。生物学の中でも非常に重要な実験ですので、センター試験や定期テストでも頻出の内容です。いまいち理解できなかった人は、もう一度基本をしっかりと復習しましょう。
大腸菌へのT2ファージの感染 ハーシーとチェイスの実験

スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
トップへ戻る