【生物基礎】生物の多様性と共通性のポイント

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高校生物基礎で最初に学習するのが、生物の多様性と共通性です。難しいところではありませんので、簡単にポイントを確認しておきましょう。

生物の多様性

まずは、「生物の起源はみんな一緒だよ!」っていうお話です。地球が誕生したのは今からおよそ46億年前だといわれています。現在、地球上には、約200万種ともいわれる多種多様な生物がさまざまな環境で生活していますが、これらは地球が誕生してから長い年月をかけて、共通の祖先から進化してきたものになります。

約40億年前に最初に地球上に誕生した生命体は、現在の細菌類のようなもので、原始海洋中で誕生しました。約27億年前ぐらいになると、光合成を行う原始的なシアノバクテリア(光合成細菌)が誕生し、光合成によって地球上に酸素が放出されていきました。その後、葉緑体をもつ生物が誕生し、大気中の酸素が急激に増加し、オゾン層ができ、生物の陸上進出が可能となりました。

このように、地球上の生物は1種類の細菌のような祖先生物が、長い年月をかけて進化し、現在の多様な生物が現れたと考えられています。このような進化に基づく生物間の類縁関係を系統といいます。系統は枝わかれした樹木のような系統樹で表されることがあります。

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生物の分類の基本単位「種」

生物を分類する上で、最も基本的な単位は「」になります。自然状態で交配(生殖すること)が起こり、生殖能力のある子をつくることができるものを同種であるといいます。同種の個体どうしは、形態的・生理的な共通の特徴をもっています。

(大きなくくり)(小さなくくり)

このように段階的に分類されているのです。例えば、ヒトの場合、次のように分類されています。

動物界>脊椎動物門>哺乳綱>霊長目>ヒト科>ヒト属>ヒト(種)

生物の共通性

生物は共通の祖先から進化してきたため、すべての生物には次のような共通の特徴があります。

  • からだの基本単位は細胞である。
  • 代謝による生命活動でエネルギーATP)を利用する。
  • 自己増殖し、DNAによって遺伝情報を伝える。
  • 体内環境を一定に維持している(恒常性)。
  • 外界からの刺激を受容し、それに対する応答を行う。

生物はこれらの共通性を持っているのです。逆にいうと、これらの共通性をもっていないものは生物とはいえないのです。例えば、インフルエンザなどのウイルスは、遺伝物質は持っていますが、細胞膜を持っていませんし、単独では増殖することができません。なので、ウイルスは生物と無生物の中間的な存在として位置づけられています。

からだの基本単位「細胞」

単細胞生物も多細胞生物も、すべての生物は細胞からできています。構造やはたらきの異なる細胞でも、細胞質の最外層は細胞膜となっていて、そのつくりは共通しています。

細胞は1665年に、ロバート・フックが自作の顕微鏡を用いてコルクの薄片を観察し発見しました。その後、ブラウンによって植物細胞中のが発見されました。また、1838年にはシュライデン植物について、1839年にはシュワン動物について「生物は細胞を基本としてできている」という細胞説を提唱しました。1858年には、フィルヒョーがこれまでの細胞についての知見をまとめ「すべての細胞は細胞から生じる」という考えを提唱しました。

代謝とエネルギー(ATP)

生物には、必要な物質を体内に取り込み、体内で別の物質につくりかえ、不要な物質を体外に排出するはたらきがあります。このような生体内での物質の化学反応を代謝といいます。代謝には光合成のように、単純な物質から複雑な物質を合成し、エネルギーを蓄える反応である同化と、呼吸のように複雑な物質を単純な物質に分解し、エネルギーを取り出す反応である異化があります。

代謝にはエネルギーの移動が伴い、代謝が行われる際のエネルギーの受け渡し役としてATPアデノシン三リン酸という物質がかかわっています。

DNAによって遺伝情報を伝達

すべての生物は細胞の中に、遺伝情報としてDNAデオキシリボ核酸)をもっています。DNAは遺伝子の本体であり、この情報をもとにタンパク質がつくられ、生物の形質が現れます。つまり、DNAは生物をつくる設計図のような役割があるのですね。細胞が分裂する際にはDNAは複製(コピー)され、新しい細胞に受け渡されます。

生物は自己増殖できます。自分と同じ種類の新しい個体をつくることを生殖といい、自らが持つ遺伝情報(遺伝子)を子に伝えます。生殖には親のからだの一部から新しい個体ができる無性生殖と、2個の配偶子(生殖細胞)の合体によって新しい個体ができる有性生殖があります。

体内環境の維持(恒常性)

生物は周囲の環境の変化を感知し、体内の環境を一定に保とうとする性質があります。これを恒常性、またはホメオスタシスといいます。

生物は体液の温度や塩分濃度、グルコース(ブドウ糖)の濃度など体液の状態を常に一定に保ち、生命を維持するしくみやはたらきをもっています

外界の刺激を受容し反応

生物は、外界からの刺激を感覚器官などで受容し、それに対して運動器官を通じて反応を起こします。また、ある刺激の方向に対して移動する性質なども備わっています。

生物の多様性と共通性 まとめ

生物の多様性と共通性について、簡単に説明しましたが、高校生物基礎、生物では、これらを今後詳しく学習していきます。つまりここは、それぞれの分野の簡単なイントロダクションとなっているのです。

生物や地球環境を想像しながら復習を行ってみてください。興味が出てくる分野がきっとあるはずです。

生物の多様性と共通性 確認問題

(1)現在、地球上で発見されている生物種は約何種類か。

(2)生物が長い年月をかけて代を重ねる間に変化することを何というか。

(3)地球上に最初に生命体が登場したのは、約何年前か。

(4)光合成を行う細菌類を何というか。

(5)生物の陸上進出がが始まったのは、大気中の酸素が増加し、何ができたためか。

(6)生物の進化に基づく生物間の類縁関係を何というか。

(7)(6)を示した樹木のような図を何というか。

(8)生物を分類する上で、最も基本的な単位を何というか。

(9)生物のからだをつくる基本単位は何か。

(10)コルク片から細胞を発見したのは誰か。

(11)植物細胞の核を発見したのは誰か。

(12)植物について細胞説を唱えたのは誰か。

(13)動物について細胞説を唱えたのは誰か。

(14)「すべての細胞は細胞から生じる」と提唱したのは誰か。

(15)からだの中で起こる化学反応を何というか。

(16)(15)のうち、光合成のように単純な物質から複雑な物質をつくりだすことを何というか。

(17)(15)のうち、呼吸のように複雑な物質を単純な物質に分解することを何というか。

(18)すべての生物が、細胞内でのエネルギーのやりとりに利用している物質は何か。

(19)すべての生物は細胞の中に遺伝情報として何をもつか。

(20)生物が体内環境を一定に保つ性質を何というか。

生物の多様性と共通性 確認問題の答え

(1)約200万種

(2)進化

(3)約40億年前

(4)シアノバクテリア(光合成細菌)

(5)オゾン層

(6)系統

(7)系統樹

(8)

(9)細胞

(10)ロバート・フック

(11)ブラウン

(12)シュライデン

(13)シュワン

(14)フィルヒョー

(15)代謝

(16)同化

(17)異化

(18)ATP(アデノシン三リン酸)

(19)DNA(デオキシリボ核酸)

(20)恒常性(ホメオスタシス)

次の学習内容

顕微鏡の操作方法や、観察の注意点、プレパラートの作成方法、染色液などについて学習します。

【生物基礎】顕微鏡のポイント!染色液やプレパラートの作成方法

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