▶ YouTubeで授業動画配信中

大学入試小論文「東京都立大学都市環境学部(2018年度)解答例」

スポンサーリンク

大学入試小論文「東京都立大学都市環境学部の2018年度解答例」で「環境応用化学」となります。

【問題】東京都立大学都市環境学部(2018年度)小論文
「地球温暖化と二酸化炭素排出量の関係」および「地球温暖化対策」について以下の 注意事項に従って 800 字で述べよ。
1、「地球温暖化と二酸化炭素排出量の関係」と「地球温暖化対策」の文章量はそれぞれ同じ程度となるようにしなさい。
2、「地球温暖化と二酸化炭素排出量の関係」については図1と図2のデータに基づいて議論しなさい。
3、「地球温暖化対策」については、科学技術に基づく対策を提案し、原理を含めて多角的な視点から述べなさい。
スポンサーリンク

東京都立大学都市環境学部(2018年度)小論文の解答例

2つの図から、大気の平均気温は、二酸化炭素の排出量の増加の後を追うように上昇していることがわかる。つまり、CO2の排出量が増加した後に、気温が上昇する時期が来るのだ。

1860年におけるCO2の排出量は0トンに近く、1950年ごろには約500億トン/年、そこから急激に増えて1990年には2200億トン/年に達した。また、気温は1860年約14.7℃から1990年15.3℃へ約0.6℃上昇している。気温の急上昇は、1910年頃から1945年頃までと1980年以降の2回あるが、同時期においてCO2の排出量は比較的緩やかだが、その後に急激に増大した。つまり、植物や海が吸収しきれないほどのCO2が大量に排出された後は、必ず地球の気温が上昇するといえる。

この原理はCO2のような温室効果ガスが増えると地表の熱の吸収率が増えて地球温暖化に繋がることだ。適度な温室効果ガスは地表の温度を保つが、現在は温室効果ガスが増えて必要以上に熱を吸収している。

私は、地球温暖化対策として、CO2を排出削減する「緩和策」と気温の上昇に対応する「適応策」の両方を進めることが大事だと考える。まず、「緩和策」では化石燃料の使用を減らすことが重要だ。化石燃料はCO2を排出するため、その代替となるバイオマス燃料などに切り替え、火力発電から太陽光発電や風力発電に移行する。またCO2を燃料としてエネルギーに変えるカーボンリサイクルの技術を早期に実用化するべきだ。さらに森林を保全し、CO2を吸収する植物を増やせば、地球温暖化を抑制することができる。

次に「適応策」では、農産物の高温に対する耐性のある品種を育成することなどが例として考えられる。また熱帯で流行するような感染症に対する対策や、地球温暖化が引き起こす水面上昇への対策として高潮防止堤防を作ることも必要だ。私はこの「緩和策」と「適応策」を組み合わせた対策をするべきだと考える。

東京都立大学都市環境学部(2018年度)小論文の解答例にういての講評(抜粋)

論文の内容は一般的には理解できるものであり、提案された対策も適切です。

より高みを目指す上で改善としては、

➀「緩和策」における具体例の詳細:化石燃料の代替となるバイオマス燃料や再生可能エネルギーへの移行について、それぞれの利点や導入の際の課題に触れるといいでしょう。カーボンリサイクルの技術についても、どのようにして実現するか、早期実用化に向けた具体的な手段や国際的な協力についても述べるとよいです。

➁森林保全における詳細な説明:森林保全に関して、どのような手法や政策が有効であるか、また森林伐採の削減や新しい植林プロジェクトの推進についても触れると、提案がより具体的になります。

➂「適応策」における耐性品種や高潮防止堤防についての補足:耐性のある品種について、どのような遺伝子組み換え技術や選抜方法が使用されるか、またその倫理的な側面についても簡潔に触れるとよいです。高潮防止堤防についても、具体的な設計や建設の際の技術的なポイントを説明するといいでしょう。

対策を進める際に直面する可能性のある課題や問題にも触れ、それに対する対策や解決策を提案すると論文がより包括的になります。

カーボンニュートラルに向けての対応策の考察(抜粋)

作物の品種改良(農産物の高温に対する耐性のある品種を育成)、個人情報の取得、ゲノム編集、核の保有、原発再稼働、AI(人工知能)の活用など国や企業の倫理観、個人の道徳観が問われる問題が山積しています。

「道徳観」や「倫理観」も重要であるということも論文の中で使用できる場面も少なくないので頭の片隅に。

簡単にいえば、
道徳観個人の納得解(個人の経験や受けてきた教育の影響が大きい行為)
倫理観社会通念上の普遍的な解(法律やルールに基づいて判断される社会全体のルール)

(例)「倫理的はAなのかもしれないが、自分の道徳観からすればBだ。」ということもありえる場面があるんですね。しかし、社会では、こういう人のことを倫理観がない人と言われることが多いわけです。

小論文対策
スポンサーリンク
大学入試小論文講座の紹介
一人にひとりに志望大学・志望学科に合わせて、プロ講師が添削指導します。添削結果は、提出後24時間以内に返却されるので、スピード感をもって、小論文対策が可能です。ぜひ、小論文対策でお困りの方は、詳細ページを見てみてください。回数制なので短期間での受講も可能です。
シェアする

コメント

テキストのコピーはできません。