周期表の17族の典型元素がハロゲンです。酸化力が非常に強いハロゲンの性質をしっかりとマスターしていきましょう。
ハロゲン単体
「ふっくらブラジャー愛のあと」F、Cl、Br、I、At
ハロゲンの単体はすべて二原子分子で、有色で有毒な物質になります。分子量が大きくなるほど、ファンデルワールス力が大きくなりますので、周期表で下の方に行くと気体から液体、固体へと状態が変わっていきます。
言い換えると沸点融点が分子量が増えれば増えるほど大きくなっていくということです。
ハロゲン沸点・融点と常温・常圧での状態
状態と色
- F2:気体(淡黄色)
- Cl2:気体(黄緑色)
- Br2:液体(赤褐色)
- I2:固体(黒紫色)
ハロゲン単体の酸化力
ハロゲンは、非常に陰性が強く、他の物質から電子e–を奪う力が強くなっています。原子番号が小さいほど、他の物質から電子e–を奪う力である酸化力が大きくなります。
- Cl2 + 2e– → 2Cl–
ハロゲン単体の酸化力の比較
酸化力の違いを利用して、酸化力が弱いハロゲンの単体を、酸化力が強いハロゲンの単体でつくることができます。
酸化力→ 塩素Cl2>ヨウ素I2 なので、
Cl2 + 2I– → 2Cl– + I2
のように、酸化力が強い塩素が、酸化力が弱いヨウ素を追い出し、単体のヨウ素ができます。具体的には、ヨウ化カリウム水溶液に塩素を吹き込む実験で上記の反応が起こります。
2KI + Cl2 → 2KCl + I2
ハロゲン単体の水素や水との反応
酸化力が違うと、水素H2や水H2Oとの反応でも違いが見られます。H2やH2Oから電子e–を奪うために反応が起こります。したがって、酸化力が強いハロゲン単体ほど激しい反応なります。
水素との反応
- F2:低温・暗所でも爆発的に反応
- Cl2:常温・光により爆発的に反応
- Br2:高温・触媒により反応
- I2:高温・触媒により一部反応
水との反応
- F2:激しく反応する
2F2+2H2O→4HF+O2 - Cl2:一部が反応する
Cl2+H2O⇄HCl+HClO(次亜塩素酸) - Br2:少し溶ける
- I2:溶けにくい
ハロゲン単体練習問題
- ハロゲンの単体で、常温で気体の物質を2つ答えよ
- Br2の液体の色は何色か。
- 単体のヨウ素は何色の固体か。
- ハロゲン単体はいずれも何個の原子で分子を作るか。
- ハロゲン単体の中で酸化力が一番強い物質は何か。
- 塩素が水に溶けると、その一部が水と反応し何ができるか。
- ヨウ化カリウム水溶液に塩素水を加えると、溶液の色は無色から何色に変化するか。
解答
- フッ素、塩素
- 赤褐色
- 黒紫色
- 2個
- フッ素
- 塩化水素(塩酸)、次亜塩素酸
- 赤褐色
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