【高校地理】国家と領域・国境についてまとめています。
国家とは
国家の主権の及ぶ範囲は国家の領域と呼ばれ、国の政策によって経済的・社会的・文化的に統治されている領域の一部である。その国籍を持つ国民は、国家の主権行使に参加する権利を持つとともに、その統治に服する義務を負っている。
国家の要素
国家を構成する3要素は、主権・領域・国民であり、そのいずれを欠いても独立国とは言えない。独立国は、ほぼ自立的に主権を行使できる。 国民が一つの民族からなる国を国民国家(民族国家)と呼ぶ。 条約などにより、主権の一部を他国にまかせている国を保護国と呼び、まったく主権を持たない直轄植民地や信託統治地域をあわせて植民地と言う。しかし第二次世界大戦後、大部分の植民地は独立して一部の島国しか残っていない。
国の数
世界には 180余りの国家があり、日本やフランスのように、中央集権国家として中央政府が直接統治する国のほか、主権の一部を留保した自治的な州からなるアメリカ合衆国やロシア・ドイツ・スイスなどのような連邦国家もある。
領域と国境

【図】高校地理 国の領域
国家が主権を持って治めることのできる領域は、領土・領海・領空からなる。領土の形は国の歴史的な発展過程の結果でもあり、国家の統治のあり方に影響を与えることが多い。
- 領海…領土の海岸線から一定の距離の沖合までの海域。日本をはじめ主な国は,これまで最低潮位線から3海里以内を領海としていたが、最近では12海里をとる国が一般的 となった。 *この他、海底資源など
- 経済水域…経済的利用にまで支配権を主張する経済水域を設定する国もある
- 領空…航空機の発達とともに重要になり、定期航空便の乗り入れなども、その国の了解がなくてはできない。
- 宇宙権…宇宙観測や偵察用の人工衛星などは、他国の領土の上空を飛んでいる。このため、赤道下のコロンビアなどの国々では、宇宙権を主張している。
国家の領域
国家の領域は、国境によって他国とへだてられている。国家の社会的・経済的支配が確立していない境界帯に国境を画定する場合、河川や山稜などの自然物(自然境界)を利用したり、経緯線や見通し線(数理的境界)にそって国境を定める。
日本の位置と領土

【地図】高校地理日本の領土
日本を欧米は極東と呼び、中世日本みずからはインドや中国の大国にくらべて粟散国(辺境の小国をさす)にすぎないと考えていた。面積から言えば、日本は巨大なロシアを別にしても、カナダ・中国・アメリカ合衆国・ブラジル・オーストラリアと並ぶ大国の20分の1以下である。これら大国の半分がツンドラ・砂漠・山地・密林であるとしても、日本はその10分の1にすぎない。
- 日本国土…本州・北海道・九州・四国の4つの島と多くの島からなる。
- 島国…北海道から沖縄まで約3000キロもの弓形に連なる。国境線は全て海上に引かれている。
- 面積…約38万キロ平方メートル。世界の国の中で約60番目の広さ。
日本の地理的位置
地理的位置でも、最大の大陸(ユーラシア)と最大の大洋(太平洋)の接点に散在する島々が千島列島・日本列島・琉球列島と弧状列島をつくり、大陸の果て、大洋の始まり、いわば世界の辺境に位置する。ヨーロッパ中心の世界標準時からも、南半球のオセアニア諸国を別にすれば、日本は東はずれにある。
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日本の人口

【グラフ】高校地理 人口構成グラフ
人口でみれば、10億人を超える中国・インドを別にして、日本は1億人を超える国々の中に位置し、世界第10位の人口を誇っている。そのうえ、一つの公用語で統一された数少ない国である。人口密度が高く、しかも山がちな国ではあるが山中に人が少なく平地に凝集している。
日本の経済規模
経済活動を示す国民総所得では、10兆ドル台のアメリカ合衆国についで1兆ドル以上の国々のうち第3位で、つい先頃まではアメリカ合衆国につぐ経済大国と言われていた。一人当たり国民所得では、ヨーロッパ・アメリカ合衆国と並んで経済中心地の一つである。
日本の軍事力
軍事力では、日本は日米安全保障条約によってアメリカ合衆国と軍事的な結び付きを持っているために、単純に他の国々と比較できないが、兵員の数で比較するならば、第1位の中国以下、アメリカ合衆国・ロシア・北朝鮮・韓国と日本をとりまく国々はすべて9位以上の軍事大国である。
日本の領土問題
中国と尖閣諸島、南北朝鮮と竹島、それら周辺国とは外交問題を抱え、ロシアと北方四島、竹島は韓国と係争中であり、領土問題とされているが、解決の目途は立っていない。
沖ノ鳥島
沖ノ鳥島がなくなると、排他的経済水域が大きく減少してしまうため、日本は島の周囲をコンクリートで固める護岸工事を行い、島を守った。
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