小論文に求められる力
大学入試の小論文を書くために絶対に必要な力が「要約する力」です。小論文の出題パターンとして、課題文や資料を読ませ、それに基づいて出題がなされます。これは、ただ単に受験生の意見を聞くことだけではなく、資料などで与えられた課題文の範囲内で受験生が考える意見を聞きたいのです。
受験生に課題文や資料を読ませ、課題文や資料を前提にしてその範囲内で意見を聞くのが小論文のほとんどです。好き勝手な意見の表明を求めているのではなく、課題文が主張している主題の範囲内で意見を述べるのが小論文です。
ということは、課題の範囲内で意見を述べるということは、はじめに課題文の主題を正確に読み取らなければならないということになります。さらに、私は課題文の趣旨をしっかりとつかみ取り回答していますよ、というアピールも必要になるのです。
アピールするためには、答案用紙に端的に課題文の要約を示す必要も出てきます。「筆者は〇〇と主張しているが、私は〇〇のように考える」などの書き方が重要になってくるのです。
課題型小論文では、要約力がないと大きく失点してしまいます。与えられた課題文の「主題」が正確に読み取れていてるかどうかも評価の対象になるのです。
要約の仕方を伝授
では、課題文などの要約はどのようにすればいいのでしょうか。最初に気を付けておきたいのが、要約とはただ単に、課題文の縮小版をつくるということではないということです。要約はその課題文の中でも、特に重要なことだけを取り出す作業になります。重要なことは次の通りです。
- 筆者が重要だと言っているところ
- 本分で何度も繰り返されているところ
- 具体例などで詳しく書かれているところ
具体例で書かれていること自体は重要ではありませんが、具体化されていることが重要になります。上記の3点に注意して要約していけば、おのずとその課題文の重要箇所が見えてくるはずです。
要約を小論文に書かないといけないのですが、要約だけで終わってしまっても意味がありません。小論文全体の2割くらいに収まるように要約を記述しましょう。800字で書けと言われた場合には、およそ160字程度が妥当なラインではないでしょうか。
あとは、具体的な課題型小論文を読解しながら、要約しそれを解答用紙にアピールする方法をマスターしましょう。模範解答などは要約の仕方が非常にうまいです。参考にしながら練習しましょう。
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