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【化学基礎】元素の検出「炎色反応・沈殿反応」

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炎色反応や沈殿反応を見ることで、物質の中に含まれる元素を推定することができます。今日は成分元素の検出方法について学習します。

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元素の検出方法

物質にどのような元素が含まれているか確認することを「元素の検出」といいます。元素の検出方法にはさまざまなものがありますが、とりあえず次の2つを覚えておけばいいでしょう。

  • 炎色反応…炎の中に入れて炎の色の変化を見る。
  • 沈殿反応…にごりや沈殿物ができるかどうかで元素を検出する。

炎色反応と沈殿反応を詳しく見ていきましょう。

炎色反応

ナトリウムNaやカルシウムCaのようなアルカリ金属やアルカリ土類金属を含んでいる化合物や水溶液は、白金線につけてガスバーナーの外炎に入れると、それぞれの元素特有の色の炎が出ます。これを炎色反応といいます。次の炎色反応を覚えてください。

  • リチウムLi ⇒ 赤色
  • ナトリウムNa ⇒ 黄色
  • カリウムK ⇒ 赤紫色(あかむらさきいろ)
  • 銅Cu ⇒ 青緑色(せいりょくしょく)
  • カルシウムCa ⇒ 橙赤色(とうせきしょく)
  • ストロンチウムSr ⇒ 紅色(こうしょく)
  • バリウムBa ⇒ 黄緑色(おうりょくしょく)

覚えるのが大変ですので、語呂合わせでサクッと覚えてしまいましょう。

「リアカー無きK村、動力借りるとうするもくれない馬力」

炎色反応

沈殿反応

水溶液中で特定の陽イオンと陰イオンが結びつき、水に溶けにくい物質になり沈殿する反応を沈殿反応といいます。どういった場合に沈殿反応が起こるのかわかっていれば、元素を検出することができます。陰イオンに注目して次の沈殿反応を覚えておきましょう。

●塩化物イオンCl⁻

塩化物イオンCl⁻は、銀イオンAg⁺や鉛イオンPb²⁺と反応し白い沈殿をつくります。

  • Ag⁺+Cl⁻→AgCl(白色)↓
  • Pb²⁺+2Cl⁻→PbCl₂(白色)↓

硝酸銀AgNO₃水溶液を食塩NaCl水や塩酸HClに加えると、白い沈殿ができるのはこのためです。
AgNO₃+NaCl→NaNO₃+AgCl(白色)↓

●炭酸イオンCO₃²⁻・硫酸イオンSO₄²⁻

炭酸イオンCO₃²⁻や硫酸イオンSO₄²⁻は、カルシウムイオンCa²⁺やバリウムイオンBa²⁺などのアルカリ土類金属と結びつき白い沈殿をつくります。

  • Ca²⁺+CO₃²⁻→CaCO₃(白色)↓
  • Ba²⁺+SO₄²⁻→BaSO₄(白色)↓

また、二酸化炭素石灰水Ca(OH)₂に吹き込むと炭酸カルシウムCaCO₃ができ白い沈殿になることも重要です。さらにしつこく吹き込み続けると炭酸カルシウムが炭酸水素カルシウムCa(HCO₃)₂になり透明になることも覚えておきましょう。

  • Ca(OH)₂+CO₂→CaCO₃(白色)↓+H₂O
  • CaCO₃+CO₂+H₂O→Ca(HCO₃)₂
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「元素の検出」練習問題

Q1:炎色反応に関数する下の表を完成させよ。

元素 Sr Li ( 3 ) ( 4 ) Ba Cu ( 7 )
炎色 ( 1 ) ( 2 ) 橙赤色 黄色 ( 5 ) ( 6 ) 赤紫色

Q2:次の文を読み、この化合物に含まれる元素の組み合わせとして正しいものを一つ選べ。

ある1種類の化合物を溶かした水溶液がある。この水溶液を白金線についけて無色の炎に入れると炎の色が赤紫色を示した。また、この水溶液を試験管にとり、硝酸銀水溶液を数滴加えると白濁を生じた。
(ア)MgとAg  (イ)ClとAg  (ウ)KとAg  (エ)ClとNa  (オ)KとCl

「元素の検出」練習問題 解答

A1

元素 Sr Li (3Ca (4Na Ba Cu (7K
炎色 (1紅色 (2赤色 橙赤色 黄色 (5黄緑 (6青緑 赤紫色

A2
炎色反応で赤紫色を示したのでカリウムKが含まれていることがわかる。また、硝酸銀水溶液と反応し白濁を生じたのでCl⁻が含まれているとわかる。以上から含まれる元素はKとClである。
答え:(オ)

化学
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