何を書けばいいのかわからない苦手の人のために
数学や物理なら公式を覚えて計算する。英語なら単語や文法を覚えて記述する。社会科目なら暗記した知識を解答する。非常にシンプルで分かりやすいのですが、小論文を書くとなれば、何を書けばいいのか不安を感じる人が多いようです。
新聞を読めばいいのか、本を買って読めばいいのか。教育学部を受ける生徒は、教育学の本を購入し専門的な知識を身に付けておく必要があるのか。法学部を受ける生徒は、法学入門のような本を読んでおくべきなのか迷っている人も多いのではないでしょうか。
小論文をうまく書きたいがために、新聞を読んだり本を読んだ入りして、意見のもとになる「ネタ」仕込みに走る受験生がいますが、そうやってネタを仕込んでも、結局それは自分自身の意見ではなく、誰でも言えそうな、小学生のある程度賢い子なら何とでも言える意見にしかなりません。では、どうすればいいのでしょう。
受験生の2つの勘違い
小論文に自信がない生徒に見られる特徴として、大きな2つの勘違いをしていることが多いようです。
➋採点者をうならせるような「すごい意見」を言わなければならないと思い込んでいること
の2つです。はっきり言っておきますが、小論文が受験生に求めているのは、あくまでも「考え方」「論理力」であって「知識」ではありません。たしかに「意見」を求めてはいますが、ここでいう意見とは、知識に裏打ちされたものである必要はないのです。高校で習う当たり前の知識だけで十分に太刀打ちできてしまうのです。
大学入試とは、みなさんが高校生活で学ぶべきことを学んできたかを問うものです。教育学や法学などの知識は高校生が普通学ぶものではなく、これらは大学に入学してから学ぶものです。小論文の問題ももちろんそういったことを前提に作られているのです。ですから、高校で習ったことを踏まえて、そこからどこまで自分の発想、考え方を広げていけるかが重要なのです。
「すごい意見」なんていらない
もう一つの勘違いは、採点者が「う~ん…」と唸るような「すごい意見」も求められていないということです。そもそも、小論文で問われるような問題は、人類が英知を集結しても解決できないものばかりで、はじめから素晴らしい解決策などは期待されていないのです。いじめも人口減少も、経済政策も貧困も地球温暖化も、何もかもすべてが人類にとって難問ばかりで、いまだに解決できていないのが現状です。
人類が束になっても解決が難しいような問題ですので、受験生にその答えを求めることはまずありません。
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