大学入試小論文「言葉の使い方(共通認識)についての解答例」です。
言葉の使い方(共通認識)についての解答例
【問題】現在の振る舞いには過去がしのびこんでいることについて、あなたの考えを述べなさい。600字以内
私たちは現在という言葉を比較的容易に使う言葉である。言葉そのものを発言した時から過去になるが、数学的な視点から見ると現在の基準は相対的である。また、現代という言葉に言い換えると絶対的基準がない。基準は個人や集団ごとに違う。しかし、地球上の人は皆同じ現在を意識して生きている。現在という共通の時代を生きている同時代人にとって、現在という言葉は、私たちすべてに理解できるものでなければならない。
私は、筆者と同様に、現在の振る舞いには過去がしのびこんでいると考える。なぜならば、私たちの今の生活があるということは、過去の経験や出来事の積み重ねがあるからだ。
良い例が戦争だ。私の祖母が戦争の時代に生きていて、当時の食事や町の様子を聞くことがあるが、語る人の数が年々減少している。しかし、私たちは、テレビや新聞を通して、当時の様子を確認することが可能である。その様子を見ると、戦争は二度と起きてほしくない、戦争を起こしても、何一つ利点をもたらさないと、現代の人は思う。それにより、現代の人々は、新聞やテレビ、インターネットを通して、戦争の悲劇を二度と起こさないように訴えているのである。
また、私は祖母からの、当時の食事の様子を聞く中で、今食べられることの幸せを学んだ。日本では、今でも「もったいない精神」が深く根付いている。この精神が今でも深く根付いているのは、過去の貧しい状況や戦時中に満足に食べられなかった人々を私たちが知っているかだと考察する。
このように考えてみると、私たちの生活というのは、過去にも影響されていることに気付く。過去の状況から学びを得て、今の私たちの振る舞いがある。以上のことから私は、現在の振る舞いに過去がしのびこんでいると考える。
言葉の使い方(共通認識)についての講評(一部抜粋)
構成がしっかりしていて、読みやすいです。また、具体例が「自身の体験談」を交えてあることで、自分の主張の裏付けに説得力ある論文に仕上がっています。あとは細かいところの言葉の言い回しです。今回も、赤で修正・加筆してます。
修正・加筆
私は、筆者と同様に、現在の振る舞いには過去がしのびこんでいると考える。なぜならば、私たちの今の生活があるということは、過去の経験や出来事の積み重ねがあるからだ。
良い例が太平洋戦争だ。その戦争を語る人の数が年々減少している。しかし、私たちは、マスメディアを通して、当時の様子を確認することが可能である。その様子は、残酷で無残であると現代の人は多く人は感じるだろう。中には、マスメディアやインターネットを通して、戦争の悲劇を二度と起こさないようにと訴える人たちもいる。
また、私は太平洋戦争を経験している祖母からの、当時の食事の様子を聞く中で、今何不自由なく満足に食べられることの当たり前の日常にある幸せを改め痛感した。日本で、今でも「もったいない精神」が深く根付いている理由もここにあるのではないかと思う。つまり、過去の貧しい状況や戦時中に満足に食べられなかった人々を私たちが知っているかだと考察する。
このように、私たちの生活というのは、過去にも影響されていることに気付く。過去の状況から学びを得て、今の私たちの振る舞いがある。以上のことから私は、現在の振る舞いに過去がしのびこんでいると考える。
言葉の使い方(共通認識)についての添削(一部抜粋)
添削➊
テレビや新聞➨マスメディアと一つの言葉で括りましょう。
添削➋
△(原文)その様子を見ると、戦争は二度と起きてほしくない、戦争を起こしても、何一つ利点をもたらさないと、
〇(修正)その様子は、残酷で無残であると
戦争を起こしても、何一つ利点をもたらさないと、➨無残
と熟語を使うことで、文を引き締めています。このように、熟語で言いまわせないか、いつも頭の片隅に。
「言い回し」「言葉尻」など細部へもこだわるということを心がけておくと鬼に金棒です!
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