【高校倫理】日本の基層文化

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【高校倫理15】日本の基層文化です。

  • レベル:標準
  • 対応:定期テスト・実力テスト
  • 要度:普通

日本の「基層文化」

和辻哲郎は、著書『風土」(副題は「人間学的考察」)で、単なる自然現象の他に人間存在や歴史・文化との関係を扱うので、風土と読むと説明している。日本の風土類型は「モンスーン型」で、夏の蒸暑さと四季(春夏秋冬の変化に特徴があり、独自の美意識を培ってきた。「モンスーン型」の風土に生きる人間は、受容的・忍従的な傾向があり、近代以降「牧場型」の合理的・自発的人間に憧れたが、日本風土の特色を自覚することも大切としている。

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基層文化を探究する方法

日本の基層文化を探究する方法は、生活文化と記紀神話から探る道がある。柳田国男(1875 ~ 1962)は、日本の「ハレ(晴、聖)」と「ケ(普通、普段, 俗)」を区別する伝統的な「生活文化」を指摘する。

  • 「ハレの日」…「冠婚葬祭」と呼ばれる人生儀礼と年中行事で、晴れ着と餅・赤飯・酒などで演出する特別(非日常、) な日。これは、多くの「ケ(日常気)の日」を営むエネルギー(気力、元気)が枯渇する、いわば「ケガレ(織れ,気枯)」を防ぐ節目の役割を担ってきた。

古事記

記紀神話(主に「古事記』(720 年)の神話)に「清明心』(澄んだ明るい心)を善とする倫理観がみられ、今でも「汚い(織き)」行為と暗い性格はよくないと考えられている。そして、自然や自然現象にも神性をみる「八百万神」(アニミズム)の心情は現在もあり、祟りを心配して地域の厄払いの神事に参加し、一年の幸せを祈願して初詣に出かけている。

民俗学

民間伝承(フォークロア)の現地調査(フィールドワーク)を中心に,基層文化を探究する学問が「民俗学」(文化人類学)である。柳田国男(日本民俗学の父)は、山人(狩猟民)の研究から「常民 (里人、農耕民、民衆)」の民間伝承に基層文化を探究するようになった。柳田国男は、昔話や説話に日本人の信仰を求めた。

常民の信仰

常民の信仰とは、共同体内の祖霊(神, 祖先の霊)信仰であり、共同体(村落、家族)の守り神とすべく (誤り神とならぬよう)祭祀を大切にすることである。

覚えておきたい人物

折口信夫

折口信夫(1887 ~ 1953,柳田の高弟, 民俗学者,国文学者)は、神話や文学から古代人の思考を探究した。現地調査から, 日本の神は「まれびと(稀人, 客人)」であり、共同体の外(生命みなぎる「あの世」)からの来訪者と考えたところが師柳田国男と見解の相違がある。

折口信夫の「類化性能(現代人は違いを知る「別化性能」)」という古代人の思考は、アナロジー(類比 比喩)の 思考である。たとえば、「月」を見聞して何を連想するかであり、冬(冬至)祭は、精霊(スピリット, 神)の霊力を増やし蓄える(フユル,冬ル)祭りである。人間が森の中で自然と一体となって生きた基層文化の縄文土器(約1.2万年前)文化は、今も石狩鍋・猪鍋・すき焼などに継承されている。

日本の基層文化(伝統的倫理)は、伝統文化((内)祭礼)維持と外来文化((外)客人)受容の積極的態度である。

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