大学入試小論文「天災における人災について」考察・解答例

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今回は、心理・社会・看護学部志望生の必須小論文課題の1つ「震災における天災と人災」にの小論文についてある解答例をもとに、少し考察したいと思います。

震災における天災と人災

<課題>

東日本大震災は,「津波」という天災に加えて「原発事故」という人災が発生したが,人命という点でははるかに天災のほうが深刻だが、精神的苦痛や長期的な打撃という点では人災の方がはるかに深刻である理由を述べよ。(400字)

津波は一瞬にして多くの人の命を奪う残酷なものである一方、原発事故は生き残った者にとって永遠の生き地獄があるだろう。津波に捕らわれた人々の運命は死に向かい、「無」に帰る。だが、難を逃れた人々は記憶という質の悪いものが一生付き纏う。つまり、生存者は死者の思い出、津波の恐怖を死ぬまで背負って生きなければならない。でれだけではない。帰る故郷を失った彼らは、仮設住宅で暮らし、いつか元に戻る日を夢に見る。しかし、たとえ帰還できても、再び活気のある故郷になるとは限らない。若者や子連れの親は、安全な暮らしを求めるからだ。原発事故の被害にあった福島では、未だに米が売れず。他の県産とブレンドして売りに出している状況だ。人々の放射線に対する疑念は消えていない。過疎化が進み、運営が難しい町や社会復帰できない人。命あっての幸せかもしれないが、精神的にも物理的にも苦痛を伴う人災は天災よりも苦しめる。

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添削・講評

はじめに、構成を考えておくべきだったでしょう。

この文を参考にすれば、人災は天災よりも苦しめる理由として、

  • 1次被害である天災の負の記憶を背負う
  • 大切な人を失った喪失感など精神的なダメージも残る
  • 放射汚染により元の家(故郷)にも出れないという理不尽さ
  • 農作物が売れないなど風評被害

ということだろう。

このことから構成としては、

「人災は天災よりも苦しめる理由は4つある。
1つは、~だ。その~は、・・・である。
2つ目は、~だ。その~は、・・・である。
3つ目は、~だ。その~は、・・・である。
4つ目は、~だ。その~は、・・・である。
以上のことからも人災は、天災以降も現在、未来へと引きずられる点において天災よりも苦しめる。」

以上のようになるだろう。具体性はあるので、今回は、構成に甘さがあったように思えます。

地震予知・災害対策

 図から、今後30年以内に震度6以上の揺れが、太平洋側に位置する愛媛県や静岡県の地域で26%以上の確率で起こるということが分かる。また、確率の高い県は千葉県をはじめとし、愛媛県の南西部までの1本の帯状のようになっている。これはおそらく南海トラフと呼ばれる深い溝があるからだろう。そして、この今後30年間に起こるであろうと考えられる自身は、図のより日本全土に影響を与えうる大規模な地震になる可能性が高いことが読みとれる。なぜなら、図を全体から見るとオレンジの部分が多い、そして次に、赤の部分が多くなっているため今までよりも規模の大きな地震と予想することができる。

 これから、日本で東京オリンピックなどで海外の人の日本を訪ずれる人たちは増加してくると考えられる。それに加えて、地震はいつ起こるかなどの予想することができない。だから、被害を小さくするためにも事前に地震への対策、準備をしておく必要があると思う。そのためにも、政府は30年間に大規模な地震が起きる可能性があるということをメディアや自治体を通して、国民に理解してもらわなければならない。特にこの図は具体的に可能性が高い地域がはっきりと示してある。この図をマスメディアを通して国民に見てもらうことで、どの定度の対策が必要なかが見えてくると思う。

 このように、図をマスメディアを通して知ってもらうことで、日本国民の今後の地震対策に対する意識を変え、おきた場合の被害を最小限にすることができる。日本政府は、これからのことを考えて迅速に対応する必要がある。そして、図の赤色で示され地域は、いつ起きてもおかしくない。だから、彼らは特に今後の地震への理解を深めることが重要であると思う。

講評

読み取れることがだらだらと長い。もっと簡潔に。また、全体的に文章が稚拙なので、引き締まりがない。

(例)地震はいつ起こるかなどの予想することができない。→地震は現状、予想することが不可能だ。

コツとしては、熟語に変換できるときは、熟語にするということです。

また、この図の活用・対策への着眼点が一般的なのでもう少し視点を変えた考察が必要だった。また、その対策をどのように実行するかまで記述できるとよかったでしょう。視点としては、学校の授業を通して、子どものころからこの図を認識させておく、英語など国際言語表記の図も作成し、外国人にもわかりやすくするなど。また、首都機能を分散させるなどリスクヘッジも不可避など。

添削

①これはおそらく南海トラフと呼ばれる深い溝があるからだろう。→これはいらない。みくさんの推察など聞かれていません。また変に違った知識を記述することにもなりうるのでいりません。
②なぜなら、図を全体から見るとオレンジの部分が多い、そして次に、赤の部分が多くなっているため今までよりも規模の大きな地震と予想することができる。→ここもいりません。読み取れることだけを記述します。ふつう、理由や根拠は、自分の主張に対して述べます。
③×訪ずれる→○訪れる
④×はっきり→○明確に 小さな「っ」は使わない
⑤×定度→程度
⑥どの定度の対策が必要→具体的にどんな対策?をそれぞれの地震の大きさに対してとらないといけないの?
⑦日本政府は、これからのことを考えて迅速に対応する必要がある。→本当に対応していない?みくさん自身が確認がとれていないことは書かない方が無難。(もっといえば、みくさんなど高校生がわかっていることぐらいは、国はわかっているのでは?)

事実確認

2012年以降、外国人訪日観光客は、爆発的に増えています。なぜでしょうか?安倍政権となり、観光ビザの認可が緩和されたからです。日本の魅力やイベントがあるからという理由は、説得力に欠けます。

講座 グラフや統計資料がある小論文

グラフや統計資料が提示された場合、その資料から読み取れることを書きださないといけませんが、それ以外は課題文型の小論文と書き方は同じになります。

パターンとしては、グラフや統計資料を読み取り、それについて一気に論じるタイプと、まず資料から読み取れることをまとめる設問が出された後、次の設問で自分の意見を論じるタイプの2つがあります。後者の場合、設問で分かれているので、それぞれについて答えるだけでいいのですが、前者の場合、特に指示が無い場合でも、小論文全体の20%から30%程度でグラフや統計資料から読み取れることをまとめなければなりません。この際注意することは、グラフかや統計資料から読み取れる事実をまずは要約することが重要です。焦って、自分の意見などを混ぜ込み、論じ始めるのはよくない例です。まずは、資料からわかることを列挙しましょう。
つづき大学入試小論文「グラフや統計資料読解型」の書き方のポイント

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