国立大学の合否は、共通テストの得点と2次試験(個別学力検査)の得点の合計で決定します。共通テストと2次の配点比率は、大学や学部によってまったく異なり、共通テストを重視する大学や2次試験を重視する大学など特徴がわかれます。その中でも2次試験の配点比率が高い大学は、共通テストで失敗しても逆転の可能性が高い大学として受験生の間で重宝されています。
共通テストと国公立2次試験の配点比率
共通テストは通常900点満点で計算しますが、大学や学部によってはこの点数を圧縮して、450点満点や300点満点に圧縮します。これは共通テストの得点の影響を減らし、2次試験の配点比率を上げるためです。
共通テストは、全国の国公立大学入学希望者のほとんどが受験するテストですので、大学独自の色を付けた問題を出題することができず、合否の判定に特色を持たせることができません。しかし、大学独自の2次試験では、各大学が個性を出して問題を出題できるようになっています。
特に旧帝大や難関大学は、共通テストでは計れない高い学力を持った学生を合格させたいので、2次試験の問題が難しく、しかもその配点がとても高くなっているのが特徴です。
共通テストで失敗した生徒たちが、国公立大学にどうしても入学したい場合は、2次試験の配点比率が高い大学に出願し、一発逆転の受験戦略に出るのです。しかし、共通テストの基本的な問題を解けない生徒が、難解な2次試験で逆転できる可能性は高くはありません。
2次試験の配点比率が高い国公立大学
今回は、2次試験の配点比率が67%以上の大学や学部を調べてみました。2次試験の配点比率が67%ということは、共通テスト:2次試験=1:2の大学になります。つまり、2次試験に2倍の点数が付与されるパターンです。詳細は割愛していますので、受験要項やホームページでしっかりと調べてください。
- 北海道教育大学
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教育学部/芸術・スポーツ文化
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教育学部/芸術・スポーツ文化 - 東北大学
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経済学部、理学部 - 筑波大学
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理学部、芸術文化学部 - 金沢大学
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総合人間学部、文学部、教育学部、法学部、経済学部、理学部、医学部、薬学部、工学部、農学部 - 大阪大学
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医学部/医 - 山口大学
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理学部/数理科学 - 九州大学
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文学部、法学部 - 長崎大学
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水産学部 - 熊本大学
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医学部/医 - 会津大学
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コンピュータ理工学部 - 首都大学東京
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都市教養学部/理工学系 - 静岡文化芸術大学
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デザイン学部 - 愛知県立芸術大学
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美術学部、音楽学部 - 京都市立芸術大学
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音楽学部 - 奈良県立医科大学
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医学部/医 - 尾道市立大学
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芸術文化/美術 - 広島市立大学
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芸術学部/美術・デザイン工芸
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芸術学部/美術・デザイン工芸 - 山陽小野田市立山口東京理科大学
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工学部 - 高知県立大学
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社会福祉学部 - 北九州市立大学
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地域創生学群 - 沖縄県立芸術大学
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美術工芸学部、音楽学部
後期
美術工芸学部
まとめ
リストを見てみると、難関大学や美術系の学部が並んでいます。つまり、2次試験の配点比率が共通テストの配点比率を大きく超える大学で一発逆転を狙うのであれば、この難関大学の記述問題を攻略しなくてはなりません。出題傾向などの分析をしっかりと行い、他の受験生ができないような勉強量をこなせるのであれば逆転の可能性は見えてきます。
共通テストで試験で少し遅れを取ってしまった程度なら、十分に逆転の可能性があります。しっかりと自分と向き合って、最大限の力が発揮されるように勉強できれば、合格が見えてくるのではないでしょうか。
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