今日は生物の内容でも「窒素固定」に焦点を当てて解説します。窒素固定は理系の生物でも文系の生物基礎でもよく出題される内容です。
窒素固定とは?
窒素固定とは、空気中の窒素N2をアンモニウムイオンNH4+として土壌中などに固定することです。身近な植物でいうと、マメ科の植物などの根に共生する根粒菌などが窒素固定を行っています。
窒素固定を行うことによって、土壌中にアンモニウムイオンがNH4+が固定され、それらを利用し、植物では窒素同化が行われます。窒素同化とは、外界から窒素をふくむ化合物を取りこみ、生物体を構成する窒素化合物を合成することです。
窒素固定をする生物達
窒素固定を行う生物には次のようなものがいます。
- 根粒菌
- アゾトバクター
- クロストリジウム
- ネンジュモ
- 放線菌
- 紅色硫黄細菌
- 緑色硫黄細菌
- アナべナ
根粒菌
根粒菌は、マメ科の植物の根に共生する細菌です。単独では窒素固定はできず、マメ科植物の根に共生しているときだけ窒素固定ができます。
根粒菌は、窒素固定で生じたアンモニウムイオンNH4+をマメ科植物に供給する代わりに、マメ科植物から炭水化物を得ています。この関係を「相利共生」といいます。
アゾトバクター
アゾトバクターとは、通気の良い土壌中に生息する細菌で、酸素を使う呼吸を行います。アゾトバクターは根粒菌と異なり、単独でも窒素固定ができます。
クロストリジウム
クロストリジウムも、アゾトバクターと同じように単独で窒素固定を行える細菌です。アゾトバクターと異なる点は、通気の悪い土壌に生息しているので、呼吸ではなく発酵を行うという点です。
ネンジュモ
ネンジュモは、シアノバクテリアの一種で、光合成色素であるクロロフィルをもつ細菌です。光合成を行うことができます。ネンジュモも単独で窒素固定を行うことができます。
その他の細菌
放線菌はハンノキに共生する細菌、紅色硫黄細菌と緑色硫黄細菌は光合成細菌でしたね。アナベナはネンジュモと同じシアノバクテリアになります。
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