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【高校生物基礎】DNAやゲノムの練習問題「遺伝子数や塩基対に関する問題」

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遺伝子とそのはたらきに関する問題で、ヒトのゲノムのDNAや遺伝子に関する問題は頻出です。計算問題も出題され、数パターンの問題があります。その中でも今日は遺伝子数や塩基対に関する問題を解説します。覚えるべき数字はしっかり覚えていきましょう。

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【問題】ヒトのゲノムに関する練習問題

まずは、下の問題に挑戦してみてください。解答は、一番下に掲載しています。

ヒトの1組のゲノムは( ア )本の染色体でできており、精子や卵などの生殖細胞には( イ )組、受精卵や体細胞には( ウ )組のゲノムが含まれている。1組のゲノムを構成するDNAには、約( エ )の塩基対が含まれており、このゲノムDNAには、約( オ )個の遺伝子が存在すると推定されている。遺伝子はゲノムDNA上にとびとびに存在しており、タンパク質のアミノ酸配列を指定している部分は、ゲノムDNAの塩基配列全体の( カ )%程度と言われている。したがって、ヒトのゲノムDNAの遺伝子の翻訳領域の長さは( キ )塩基対であり、1つの遺伝子あたりの翻訳領域の長さは平均すると( ク )塩基対となる。
1つのアミノ酸を指定する塩基対は( ケ )塩基対であり、ヒトのタンパク質1個を構成するアミノ酸の平均個数を750個とすると、ヒトのタンパク質のすべてをつくりだすためには( コ )個の塩基対が必要であることにある。これはヒトのゲノムDNAの約( サ )%になる。

本題に入る前に、ゲノムの意味は解っていますか?
忘れている人のために、ここで少し復習しておきましょう。

ゲノムとは、その生物をつくるために必要な遺伝子セットのことをいいます。染色体を構成するDNAにこの遺伝子セットがあります。

ヒトを構成するゲノムを今回は詳しく学習します。

ヒトのゲノムや遺伝子で覚えるべき数字

ゲノムの塩基対や遺伝子数に関する問題では、計算で求める数字もありますが、覚えておくべき数字もあります。次に挙げる数字は覚えておくべき数字です。

覚えておくべき数字
  • ゲノムを含む染色体の数…23本
  • ゲノムを構成する総塩基対数30億塩基対
  • ゲノム中の遺伝子数20000個
  • アミノ酸を指定する領域全体の1~1.5%
  • 1つのアミノ酸を指定する塩基対…3塩基対

ヒトのゲノムを含む染色体の数

ヒトをつくりだすための遺伝子のセット集をゲノムといいます。ヒトのゲノムは23本の染色体の中に収納されており、精子や卵などの生殖細胞にすべて収められています。したがって、受精卵や体細胞などの相同染色体をつくっている細胞中には46本の染色体があるので、ゲノムは2セット含まれていることになります。

ヒトのゲノムを構成する塩基対数

ヒトのゲノムを構成する塩基対数は30億塩基対になります。対数で言うと30億塩基対、塩基の総数で言うと60億個になります。ヒトのような真核生物では、この30億塩基対のうち、実際にタンパク質合成につかっている塩基対はわずか1~1.5%程度になります。

ヒトのゲノム中の遺伝子数

遺伝子とは、一つのタンパク質を指定する塩基対のセットです。30億塩基対の中で、実際にタンパク質合成に使われる領域が20000か所存在するということです。これは、ゲノムを構成するDNAのわずか1~1.5%に相当します。

アミノ酸を指定する領域

遺伝子が翻訳され多数のアミノ酸がつくられ、それらがペプチド結合することでタンパク質が合成されます。このアミノ酸を指定する領域はゲノムの全塩基対のうち1~1.5%程度になります。問題によって計算の答えが1~1.5%とずれますが、おおよその1.5%程度だと覚えておきましょう。

1つのアミノ酸を指定する塩基対

ヒトのDNAが転写され、リボソームで翻訳されるとき3つの塩基対で1つのアミノ酸を指定します。mRNAの塩基の種類は4種類(A、U、G、C)あるので、3つの塩基対で4×4×4=64通りのアミノ酸を指定できます。アミノ酸は全部で20種類存在するので、3つですべてのアミノ酸を指定することが十分に可能です。

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【解答】ヒトのゲノムに関する練習問題

  • ア…23
  • イ…1
  • ウ…2
  • エ…30億
  • オ…20000
  • カ…1.5
  • キ…4500万
    30億塩基対×1.5%
  • ク…2250
    4500万塩基対÷20000遺伝子
  • ケ…3
  • コ…4500万
    3塩基対×750アミノ酸×20000遺伝子
  • サ…1.5%
    4500万塩基対÷30億塩基対

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