生物の恒常性に関する問題で、共通テストなどでよく出題される内容として内分泌系(ホルモン)があります。ここは覚えるだけで点数につながる内容ですので確実にマスターしてください。
血糖量の調節
血液に含まれるグルコースを血糖といいます。血糖濃度はヒトの場合、約0.1%になるように調節されています。血液100mLあたりで考えると100mg含まれていることになります。血糖量の調節には、次のようなホルモンが関与しています。
血糖量を増加させるホルモン
- グルカゴン
すい臓ランゲルハンス島A細胞から出される血糖量を増加させるホルモン。筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに変えて血糖量を増加させます。 - アドレナリン
副腎髄質から出される血糖量を増加させるホルモン。グルカゴンと同じように、筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンをグルコースに変えて血糖量を増加させます。 - 糖質コルチコイド
副腎皮質から出される血糖量を増加させるホルモンで。タンパク質などをグルコースに変える(糖化)はたらきがあるホルモンです。
血糖量を減少させるホルモン
- インスリン
すい臓ランゲルハンス島B細胞から出される血糖量を減少させるホルモン。血液中のグルコースをグリコーゲンにつくりかえて、筋肉や肝臓などに蓄えるはたらきがあります。
その他、代謝も促進され、グルコースを消費させ血糖量を減少させています。
各ホルモン分泌までの流れ
血糖量を調節するホルモンを押さえた後は、どうやってそのホルモンが分泌されるのかをマスターしていきます。刺激ホルモンによってホルモン分泌が促されるのか、自律神経によってホルモン分泌の調節がなされているのかなど、しっかりとマスターしてください。
グルカゴン
グルカゴンが分泌されるには次のような流れがあります。
- 間脳視床下部で血糖量の減少を感知
- 交感神経ですい臓に信号が送られる
- すい臓ランゲルハンス島A細胞からグルカゴン分泌
- グリコーゲンがグルコースに変わる
- 血糖量が増加する
上記の反応とは独立して、すい臓ランゲルハンス島A細胞は直接血糖量の減少を感知することも知っておきましょう。
アドレナリン
アドレナリンが分泌されるまでの流れは次の通りです。
- 間脳視床下部で血糖量の減少を感知
- 交感神経で副腎髄質に信号が送られる
- 副腎髄質からアドレナリン分泌
- グリコーゲンがグルコースに変わる
- 血糖量が増加する
糖質コルチコイド
糖質コルチコイドは少し複雑な流れになります。
- 間脳視床下部で血糖量の減少を感知
- 神経分泌細胞から脳下垂体前葉に放出ホルモンが分泌される
- 脳下垂体前葉から副腎皮質刺激ホルモンが血液中に分泌される
- 副腎皮質から糖質コルチコイド分泌
- タンパク質がグルコースに変わる(糖化)
- 血糖量が増加する
筋肉などのタンパク質が分解されて、グルコースが生成されることを糖化(糖新生)といいます。
インスリン
インスリンだけが血糖量を減少させるホルモンです。
- 間脳視床下部で血糖量の増加を感知
- 副交感神経の迷走神経が興奮しすい臓ランゲルハンス島B細胞に信号が送られる
- すい臓ランゲルハンス島B細胞からインスリン分泌
- グルコースがグリコーゲンに変わる
- 血糖量が減少する
この他にもインスリンにはグルコースの細胞への吸収・分解を促進するはたらきがあります。
また、すい臓ランゲルハンス島B細胞は、上記の反応とは別に、独立して血糖量の減少を感知することも知っておこう。
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[…] り 血糖量の調節に関係するホルモン!分泌までの経路をマスター! https://tekibo.net/biology-26/ […]
[…] より 血糖量の調節に関係するホルモン!分泌までの経路をマスター! https://tekibo.net/biology-26/ […]