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【生物】「地質時代と生物の変遷」先カンブリア時代~古生代

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初期の生物である原核生物の出現から、真核生物の出現、そして多細胞生物までが先カンブリア時代に登場しました。今回は、その後の生物がどのように変遷していったのか学習します。

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生物で学習する地質時代

生物の変遷を語るうえで欠かせないのが、地球上で最古の岩石ができてから今日までの地球の大きな時代区分である地質時代です。まずは地質時代の覚え方を学習します。その後は、各地質時代にどのような生物の変遷が起こったのか見ていきましょう。

地質時代は、5.4億年前を境にそれ以前が先カンブリア時代、それ以降は顕生累代(けんせいるいだい)とよばれ、おもに動物の出現・絶滅をもとに、古生代(こせいだい)、中生代(ちゅうせいだい)、新生代(しんせいだい)に大きく区分されます。さらに各代は、いくつかの紀に細分されます。

ここを覚える!
地質時代の大きな区分
約46億年前~…先カンブリア時代
約5.4億年前~…古生代
約2.5億年前~…中生代
約6600万年前~新生代

地質時代の覚え方

地質時代を古い時代から列挙します。語呂合わせも紹介するのでまずはここから覚えるようにしましょう。先カンブリア時代以降の顕生累代を紹介します。

  • 古生代
    ・カンブリア紀
    ・オルドビス紀
    ・シルル紀
    ・デボン紀
    ・石炭紀
    ・ペルム紀(二畳紀)
  • 中生代
    ・三畳紀(トリアス紀)
    ・ジュラ紀
    ・白亜紀
  • 新生代
    ・古第三紀
    ・新第三紀
    ・第四紀

地質時代の覚え方は、缶のお汁で咳込む、3時は散々よになります。

  • 古生代
    (缶)カンブリア紀
    (お)オルドビス紀
    (汁)シルル紀
    (で)デボン紀
    (咳)石炭紀
    (込む)ペルム紀(二畳紀)
  • 中生代
    (3)三畳紀(トリアス紀)
    (時)ジュラ紀
    (は)白亜紀
  • 新生代
    (散)古第三紀
    (々)新第三紀
    (よ)第四紀

他にも覚え方はありますので、納得がいかない方は自分で調べてみてしっくりくる覚え方で習得してみてください。

ここを覚える!
地質時代の各紀
・古生代
カンブリア紀→オルドビス紀→シルル紀→デボン紀→石炭紀→ペルム紀(二畳紀)
・中生代
三畳紀(トリアス紀)→ジュラ紀→白亜紀
・新生代
古第三紀→新第三紀→第四紀
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先カンブリア時代から古生代の生物の変遷

地質時代を覚えたら、次は各地質時代に何が起こったのか覚えていきましょう。大まかな内容は次の表のとおりです。

地質時代と生物の変遷

先カンブリア時代は、地球が誕生した約46億年前から5.4億年前までになり、5.4億年前から2.5億年前までが古生代、2.5億年前から6600万年前までが新生代になります。この億年前などは覚えるようにしましょう。

先カンブリア時代の生物の変遷

先カンブリア時代の生物の変遷は、これまでの単元で学習しています。簡単におさらいすると次のようになります。あわせて、全球凍結や大量絶滅なども押さえておきましょう。

  • 約46億年前…地球の誕生
  • 約40億年前…生物の誕生(嫌気性細菌・化学合成細菌・光合成細菌)
  • 約27億年前…シアノバクテリアの出現→酸素の濃度が増加し始める
  • 約22億年前…全球凍結
  • 約20億年前…真核生物の出現←膜進化説・共生説
  • 約10億年前…多細胞生物の出現
  • 約7億年前…全球凍結
  • 約6.5億年前…全球凍結
  • 約6億年前…エディアカラ生物群の繁栄
  • 約5.4億年前…大量絶滅

全球凍結

地球が何らかの原因で寒冷化し、地球全体が氷によって覆われることを全球凍結といいます。地球で起こった全球凍結は合計3回で、すべて先カンブリア時代に起こりました。全球凍結後に生物の大きな変遷が起こっていることを覚えましょう。

  • 約22億年前の全球凍結 → 約20億年前に真核生物の出現
  • 約7億年前・約6.5億年前の全球凍結 → エディアカラ生物群の繁栄

エディアカラ生物群とバージェス生物群

エディアカラ生物群は先カンブリア時代の末期に繫栄した生物群で、1947年にオーストラリアのエディアカラ丘陵で発見されています。エディアカラ生物群の生物は、現在の生物と類縁関係があるかどうかは不明で、扁平(へんぺい)でからだが大きなものが多く、骨格や殻など硬い構造はありませんでした。これは、まだ被食・捕食関係がなかったことを意味しています。

●エディアカラ生物群の例

  • ディッキンソニア
  • チャルニア
  • トリブラキディウム

バージェス生物群は、古生代のカンブリア紀に繫栄した生物群で、1909年にカナダのバージェス頁岩で発見されています。この段階で、現生の生物につながるさまざまな種が誕生しています。バージェス生物群の生物の多くは、目や硬い殻、素早く泳ぐための構造などをもっており、捕食者から身を守る構造をもっていたことがわかっています。同じ時代の化石は中国でも見つかっており、チェンジャン動物群といわれます。

●バージェス生物群の例

  • アノマロカリス ← 食物連鎖の頂点
  • ピカイア ← 脊椎動物の祖先
  • オパビニア
  • ハルキゲニア
  • オットアイ

アノマロカリス

アノマロカリスはこの時期の生態系のトップに君臨した生物です。形を覚えておきましょう。

ここを覚える!
先カンブリア時代(約46億年前~約5.4億年前)
・約46億年前…地球の誕生 ・約40億年前…生物の誕生
・約27億年前…シアノバクテリアの出現→酸素の濃度が増加
・約22億年前…全球凍結→真核生物の出現
・約10億年前…多細胞生物の出現
・約7億年前と約6.5億年前…全球凍結→エディアカラ生物群の繁栄
・約5.4億年前…大量絶滅

古生代の生物の変遷

約5.4億年前の先カンブリア時代の末期、原因は不明ですが大量絶滅が起こりました。ここからは顕生累代に入ります。まずは古生代です。古生代オゾン層が形成され、生物たちが陸上に進出していく時代です。カンブリア紀からペルム紀(二畳紀)までの約3億年の間に、どのような生物の変遷が起こったのか、それぞれの紀で詳しく見ていきましょう。

カンブリア紀

約5.4億年前から約4.8億年前まではカンブリア紀になります。カンブリア紀は、現生の生物につながる多くの生物が登場し、カンブリア紀の大爆発とよばれています。カンブリア紀の大爆発によって、バージェス動物群チェンジャン動物群が繁栄したのですね。

この時期になると三葉虫(サンヨウチュウ)のような硬い殻をもった無脊椎動物が繁栄しますが、最初の脊椎動物も誕生します。ウナギのなかまのよう顎(あご)をもたない無顎類の魚類が出現します。

ここを覚える!
古生代(カンブリア紀)
・カンブリア紀の大爆発 → バージェス動物群、チェンジャン動物群
・無脊椎動物の繁栄…三葉虫のように硬い殻をもつ
・脊椎動物の出現…顎をもたない無顎類

オルドビス紀

約4.8億年前から約4.4億年前までをオルドビス紀といいます。オルドビス紀大きな特徴は地球の酸素濃度が上昇し、オゾン層が形成される点です。オゾン層によって紫外線が吸収され、まずは植物の陸上進出が始まります。水際に藻類コケ植物が繁栄します。

水中では、顎をもたない脊椎動物である無顎類だけでなく、顎をもった脊椎動物である顎口類(がっこうるい)が出現します。オウムガイ類のような軟体動物も繫栄しました。

ここを覚える!
古生代(オルドビス紀)
・オゾン層の形成 → 植物の陸上進出開始(コケ植物)
・顎口類の出現…顎をもった脊椎動物
・軟体動物の繁栄…オウムガイ

シルル紀

約4.4億年前から約4.2億年前までをシルル紀といいます。シルル紀には植物の陸上進出が進み、コケ植物だけでなくシダ植物も出現し始めます。最古の陸上植物の化石であるクックソニアを覚えておきましょう。クックソニアはコケ植物とシダ植物の共通の祖先だと考えられています。また、最初の維管束をもったシダ植物であるリニアも資料集で形を確認しておきましょう。

海中では節足動物であるウミサソリが出現します。脊椎動物は原始的な魚類である無顎類から顎口類が登場し、その中から優れた遊泳力をもつ軟骨魚類硬骨魚類も出現し始めます。

ここを覚える!
古生代(シルル紀)
・シダ植物の出現…クックソニア、リニア
・節足動物の出現…ウミサソリ
・硬骨魚類・軟骨魚類の出現 ← 優れた遊泳力をもつ

デボン紀

約4.2億年前から約3.6億年前までをデボン紀といいます。デボン紀は魚類の時代といわれるように、水中では軟骨魚類と硬骨魚類が繁栄します。水中での生存競争が激しさを増す中で登場するのが両生類です。最古の両生類であるイクチオステガが出現します。つまり、動物の陸上進出がデボン紀に始まったのですね。

トビムシのような節足動物も陸上に進出します。また、アンモナイトも出現し始めるのがこの時期になります。

ここを覚える!
古生代(デボン紀)
・魚類の時代 → 軟骨魚類・硬骨魚類の繁栄
・動物の陸上進出 → 最古の両生類イクチオステガ
・節足動物の陸上進出…トビムシ

石炭紀

約3.6億年前から約3億年前までを石炭紀といいいます。石炭紀は温暖で湿潤な気候であったため、シダ植物が繁栄します。しだいに体が大きくなり、フウインボクリンボクのような巨大なシダ植物が森林を形成します。また、裸子植物の出現も石炭紀の特徴です。原始的な裸子植物はシダのような葉と茎をもっていたため、シダ種子類とよばれます。

動物では、体内受精で、胚を乾燥から保護する胚膜を形成する羊膜類(ようまくるい)が誕生します。現生の生物で羊膜類に該当するのは、は虫類と鳥類、哺乳類になります。石炭紀にはは虫類が出現し始めたことになります。その他の特徴として、両生類が繁栄し、節足動物は巨大化しメガネウラのような生物も登場します。

ここを覚える!
古生代(石炭紀)
・シダ植物の繁栄 → フウインボク、リンボクの森林
・裸子植物の出現 … シダ種子類
・羊膜類(は虫類)の出現

ペルム紀(二畳紀)

古生代の最後はペルム紀(二畳紀)です。約3億年前から約2.5億年前までにあたります。ペルム紀には、は虫類が恒温である単弓類へと進化し、これが後のほ乳類になっていきます。単弓類の代表例としてエダフォサウルスを覚えておきましょう。植物ではシダ植物が衰退し、裸子植物が繁栄します。

ペルム紀の最後には、地球規模で火山の大噴火が起こりました。火山灰などで太陽光が遮られ、植物の光合成が止まり海では長期にわたって酸素が不足します。この大噴火で約95%の生物が絶滅します

ここを覚える!
古生代(ペルム紀)
・単弓類の出現…恒温動物
・シダ植物の衰退→裸子植物の繁栄
・ペルム紀の大噴火→95%の生物が絶滅

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