生物基礎の恒常性で登場するのがホルモンです。さまざまな内分泌腺から放出されるホルモンを苦手とする生徒が多いですが、今日はテストによく出題される代表的なホルモンと、それを放出する内分泌腺を覚えていきましょう。
ホルモンと内分泌腺
ホルモンとは、血液中に放出され、標的器官に作用して特定の反応を起こす物質の総称になります。血液によってからだ全身に送られ、微量で作用します。
血液によってホルモンが標的器官に送られると、標的器官にある標的細胞の受容体(レセプター)と結合して作用を起こします。
内分泌腺とは、血液などの体液中にホルモンなどの物質を分泌する組織になります。汗や涙、消化液を分泌する外分泌腺とは異なり排出管は見られません。
ホルモンの学習では、どのようなホルモンがどの内分泌腺から出され、どのような作用が引き起こされるのかをしっかりと覚えていくことが必要です。
ホルモンと内分泌腺一覧
次のホルモンが入試やテストで出題されます。このほかにも様々なホルモンがありますが、頻出のものだけをまとめています。内分泌腺ごとに出されるホルモンをとその作用を簡単にまとめています。
間脳視床下部
- 放出ホルモン…脳下垂体のホルモンの分泌促進
- 抑制ホルモン…脳下垂体のホルモンの分泌抑制
甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンや、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンなど各種放出ホルモン、抑制ホルモンが分泌されています。
脳下垂体前葉
- 成長ホルモン…タンパク質の合成促進、成長促進
- 甲状腺刺激ホルモン…チロキシンの分泌促進、甲状腺の発育
- 副腎皮質刺激ホルモン…糖質コルチコイドの分泌促進、副腎皮質の発育
成長ホルモンが過剰に分泌されると巨人症、不足すると低身長症になります。この他にも、黄体の形成や排卵の促進を促す黄体形成ホルモン、排卵の促進や精子形成を促進させるろ胞刺激ホルモンなども分泌されています。
脳下垂体後葉
- バソプレシン…腎臓の集合管での水の再吸収促進、血圧の上昇
- オキシトシン…乳汁の分泌促進、子宮の筋収縮促進
脳下垂体後葉では、視床下部から伸びる神経分泌細胞から直接、血液中にホルモンが放出されることもポイントになります。
甲状腺
- チロキシン…代謝の促進、両生類の変態の促進
チロキシンが過剰に出るとバセドウ病、不足するとクレチン症になることも覚えておきましょう。
副甲状腺
- パラトルモン…血液中のカルシウムイオン濃度の増加
パラトルモンが過剰に放出されるとテタニー症を発症します。
副腎髄質
- アドレナリン…血糖量の増加、グリコーゲンの分解促進
その他にも、骨格筋の血流が増加したり、心拍数が増加したりします。
副腎皮質
- 糖質コルチコイド…血糖量の増加、タンパク質の糖化促進
- 鉱質コルチコイド…腎臓の細尿管でのナトリウムイオンの再吸収促進
糖質コルチコイドも鉱質コルチコイドもステロイド系のホルモンになります。
すい臓ランゲルハンス島
- グルカゴン…血糖量の増加、グリコーゲンの分解促進
- インスリン…血糖量の減少、グリコーゲンの合成促進
グルカゴンはA細胞から、インスリンはB細胞から出されます。
精巣
- 雄性ホルモン…雄の二次性徴、性行動促進
雄性ホルモンもステロイド系のホルモンになります。
卵巣
- 黄体ホルモン…妊娠の維持、性周期の抑制
- ろ胞ホルモン…子宮内膜の発達・維持
卵巣から出されるホルモンもステロイド系のホルモンになります。
十二指腸
- セクレチン…すい液の分泌促進
ホルモンの発見につながった物質がセクレチンです。
以上が代表的なホルモンと内分泌腺になります。まずは、このレベルまで覚えてしまいましょう。
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