生物基礎で出題される内容で、受験生が覚えていないものの一つに細胞や細胞のつくりの「大きさ」があります。どの数字を覚えればいいのかまで解説します。
長さの単位
大きさについて説明する前に、生物で登場する長さについて説明します。
- m(メートル)
1m=1000mm=1.0×103mm
1mm=0.001m=1.0×10-3m - mm(ミリメートル)
1mm=1000μm=1.0×103μm
1μm=0.001mm=1.0×10-3mm - μm(マイクロメートル)
1μm=1000nm=1.0×103nm
1nm=0.001μm=1.0×10-3μm - nm(ナノメートル)
1nm=0.001μm=1.0×10-3μm
1nm=0.000001mm=1.0×10-6mm
m、μ、nの長さはすべて1000倍単位で変わっています。したがって3乗指数が変化するということを覚えておきましょう。
分解能
分解能とは、2点間を区別できる最小の距離です。紙に点を2つ書いて、それが2つの点であるということを理解できる距離ということです。肉眼の分解能と光学顕微鏡、電子顕微鏡の分解能を覚えておきましょう。
- 肉眼の分解能…0.1mm(100μm)
- 光学顕微鏡の分解能…0.2μm(200nm)
- 電子顕微鏡の分解能…0.2nm
肉眼の分解能は0.1mmでヒトの卵の大きさとちょうど同じです。顕微鏡の分解能の大きさは単位は違いますがともに0.2ですね。
覚えておくべき大きさ
様々な細胞やつくりの大きさが登場しますが、次の大きさを覚えておけば大丈夫です。
- 人の坐骨神経…1m
腰から足にかけて伸びている神経なので1mくらい。 - ニワトリの卵黄…3cm
いつも食べている卵です。 - ゾウリムシ…0.2mm(200μm)
多くの単細胞生物はぎりぎり肉眼で観察できます。 - ヒトの卵細胞…0.1mm(100μm)
ヒトの目の分解能と同じです。精子はこれよりも小さいです。 - ヒトの肝細胞…20μm~30μm
普通の細胞の大きさです。 - ヒトの白血球…10μm~20μm
有核の血球なので大きいです。 - ヒトの赤血球…8μm
無核の血球ですので有核の細胞よりも小さいです。 - 酵母菌…7μm
真菌類なので核がある生物です。 - 葉緑体…5μm
細胞のつくりなので細胞よりも小さく、ミトコンドリアよりも大きいです。 - ミトコンドリア…2μm
葉緑体よりも小さいです。 - 原核生物(ブドウ球菌)…0.8μm
真核生物よりも小さく、細胞のつくりよりも小さいです。 - T2ファージ…0.2μm(200nm)
光学顕微鏡の分解能と同じです。 - インフルエンザウイルス…80nm
ウイルスは100nm以下のものが多いです。
核となる大きさ覚えておけば、それよりも大きいか小さいかで判断ができるはずです。
大きさ比べの練習問題
(1)ヒトの赤血球の大きさとして適当なものは、下のうちどれか。
ア 0.1mm イ 8.0μm ウ 20nm エ 0.1nm
(2)原核生物である大腸菌の大きさとして適当なものは、下のうちどれか。
ア 0.8μm イ 0.8mm ウ 0.8nm エ 0.8cm
(3)肉眼の分解能として適当なものは、下のうちどれか。
ア 0.1cm イ 0.1mm ウ 0.1μm エ 0.1nm
解答(1)イ (2)ア (3)イ
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