生物基礎「無脊椎動物の体液濃度の調節」淡水・海水にすむカニの浸透圧調節

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高校生物基礎。恒常性の体液濃度の調節について学習します。今回は、海水や淡水中に生息する、無脊椎動物の体液濃度の調節について学習します。

体液濃度の調節

多くの生物は、それぞれの生息する外部環境(体外環境)に応じて体液の濃度を調節し、内部環境(体内環境)をほぼ一定に保っています。

これは、生物の細胞が細胞膜などの生体膜で包まれ、外部環境と仕切られているからです。生体膜で仕切られた外部環境と内部環境で溶液の塩類濃度が異なる場合、塩類濃度が低い方から高い方へ水が移動する浸透という現象が起こります

この現象により、生物の体が破裂したり、しぼんでしまったりするのを防ぐ働きが多くの生物に備わっているのです。

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単細胞生物の体液の濃度調節

ゾウリムシやアメーバなどの川や池にすむ単細胞生物の体の中には、外界から取り入れたさまざまな養分や生命活動で生じた老廃物などが含まれています。そのため、細胞内の濃度が外界の濃度よりも高い状態になっており、細胞膜を通して外界の水が絶えず細胞内に浸入しています。

収縮胞

このままでは、細胞が破裂してしまうので、収縮胞という細胞小器官で余分な水を体外に排出し、体液の濃度を調節しています。

海産無脊椎動物の体液の濃度調節

海水中に生息する海産無脊椎動物の多くは、海水の塩類濃度が変化しないために体液中の塩類濃度を一定に保つしくみをもっていないものが多いです。しかし、なかには生息環境に応じた調節能力を発達させたものも見られます。

次のグラフは、外液の塩類濃度を変化させて、3種類のカニの体液の塩類濃度の変化を調べた結果です。図の破線は、体液と外液の塩類濃度が等しいことを表す線です。

無脊椎動物の浸透圧調節

外洋に生息するケアシガニ

外洋にすむケアシガニは、体液の濃度を調節するしくみをもっていません。常に体液の塩類濃度と外液の塩類濃度が等しく、濃度調節のしくみをもっていないことがわかります。これでは淡水中では生息できません。

汽水域に生息するチチュウカイミドリガニ

淡水と海水が混じり合う汽水域(河口付近)に生息するチチュウカイミドリガニは、海水に近い塩類濃度の場所では、十分に体液の濃度調節が行われず、体液の濃度が外液と等しくなります。しかし、海水と多量の淡水が混じり合うような場所では、体内の水を排出し、外液から塩類を吸収して体液の濃度を一定の範囲に調節していることがわかります。

海と川を行き来するモクズガニ

海と川を行き来して生活しているモクズガニは、他のカニよりも体液の濃度調節能力が高く、外液の濃度が大きく変化しても生存が可能であることがわかります。

体液濃度の調節

グラフの破線と同じ傾きになっている部分では、3種類のカニが体液の濃度調節を行っていないことがわかります。この破線のグラフの傾きから外れているところでは、体液の濃度調節が行われていることがわかります。

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