理系の生徒にとってはなじみの薄い理科科目が地学です。ほとんどの理系の生徒は地学の勉強をしないのに対して、文系の生徒では「地学基礎」を選択する生徒が多いです。今回の記事はこの共通テスト地学基礎で9割を取る勉強法をお伝えします。
最速で9割まで狙える科目「地学基礎」
中学校で勉強した理科の内容を思い出してください。大地の変動や気象観測、天体の運動に関する問題があったのを覚えていますか。地学基礎ではまさにそれと同じ内容を学習していくことになります。
はっきり言って中学内容に毛が生えたような内容で、旧課程の地学Ⅰの内容と比較しても、学習量が半分程度に減少しています。共通テストに1週間程度対策を行うだけでも9割得点に達した生徒もいます。地学基礎はそれほど内容が薄い教科になるのです。地学基礎で学習する内容は以下の通りです。
- 宇宙における地球
銀河や太陽系、惑星の運動 - 活動する地球
地球の内部構造、プレート、火山、地震 - 移り変わる地球
地層や岩石、化石や地質時代 - 大気と海洋
地球の熱収支 、大気・海洋の循環 - 地球の環境
地球温暖化、自然災害、エルニーニョやラニーニャ
どうでしょうか。ほとんどが中学校で学習した内容と被っているのではないでしょうか。このように中学校で学習した内容と関連が高いのも特徴の一つで、生徒にとっても非常に勉強しやすい科目となっています。
平均点も基礎理科の中で高い
地学基礎のセンター試験の平均点ですが、他の理科基礎科目と比較しても高い傾向にあります。共通テストに勉強に取り掛かる生徒が多いという現状を考えても、如何に点数がとりやすい科目であるかがうかがい知れます。
科目 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
化学基礎 | 26.77点 | 28.59点 | 30.42点 |
生物基礎 | 27.58点 | 39.47点 | 35.62点 |
地学基礎 | 33.90点 | 32.50点 | 34.13点 |
物理基礎 | 34.37点 | 29.69点 | 31.32点 |
他の科目が6割弱の平均点が多い中、地学基礎の平均点は6割5分程度で推移しています。実施初年度を除いて、大きな平均点の変動も見られません。そう考えると、地学基礎の学習は、文系の生徒にとってかなりお得な科目であると言えますね。
選択は慎重に
これほどお得な科目でありながら、なぜ一番受験生の人数が少ないのかといえば、それは受験で利用できない大学が多いという現状があるからです。それに合わせて、学校の履修上も選択できない高校が多いようです。
ですので、地学基礎を選択する場合は、自分が行きたい大学の入試で利用できるのかしっかりと確認し、併願先でも使える科目なのかをしっかりと検討することが大切です。勉強したはいいが、自分が行きたい大学では受験に使えないとなってしまうと最悪な結果になってしまうでしょう。
共通テスト「地学基礎」で9割を取る勉強法!
地学基礎の学習では、教科書や資料集に登場する写真やイラスト、図などをしっかりと覚えていくことが重要です。言葉で覚えることも重要ですが、実際のセンター試験では写真や図などが頻繁に登場します。
下記で紹介する参考書をしっかりと2週間程度かけて読み込み、センター用の問題集で単元ごとに演習を行いましょう。単元ごとの出題のポイントや頻出例題がわかったところで、予想問題集や実践問題集をこなせれば、1カ月~2ヵ月程度で9割得点に達成することができるようになります。
時間をかけ過ぎないように
しかし、大学入試で大切なのは全教科のバランスです。たまに見かけるのが、地学基礎が簡単なものだから地学博士になって、地学をじっくり勉強することです。これは避けた方がいい勉強法で、配点が低い、しかもセンターだけでしか使わない地学基礎に時間をかけるのは致命傷にもなりかねません。
地学の学習では、いかに効率よく、あまり時間をかけずに9割取れるように勉強計画を立てていきましょう。
受験勉強を始めるタイミングも重要
地学基礎の共通テスト対策を始める時期も注意しましょう。あまりにも本腰を入れて勉強するタイミングが早すぎても受験直前に忘れてしまったりと効率が悪いですので、夏休みを過ぎたあたりから勉強するのがいいのではないでしょうか。
それまでは、時間がかかる英語や数学、地歴などの勉強に力を入れるようにしましょう。
9割取るための参考書や問題集はこれ!
ポイントは以下に効率よく最速の時間で9割得点にもっていくかです。筆者が受験生を見てきた中で一番いい参考書・問題集の組み合わせを紹介します。
きめる!共通テスト地学基礎
共通テスト対策を行うにあたって、予備校の講師などが出版している参考書などを利用すると、地学基礎で学習する全体像が早くわかります。本全体としては300ページ弱ほど分量がありますが、非常に読みやすくサクサクと進むことができるような作りになっています。
問題を解くにあたっての導入で使い、問題演習に入ったら辞書代わりに使えますので、共通テスト地学基礎を受験する生徒にとってはバイブルのような存在になるのではないでしょうか。
同じようなシリーズに『共通テスト地学基礎の点数が面白いほどとれる本』や『地学基礎をはじめからていねいに』などがありますが、どれも要点がわかりやすく説明してあるので、自分に合いそうな参考書を使ってみてください。どれかわからなという方は、『きめる!共通テスト地学基礎』で間違いないと思います。
短期攻略共通テスト地学基礎
参考書で大まかな知識が頭に入ったところで、次は問題演習に入りましょう。はじめは単元別に問題が並んでいる問題集を導入として使うのが良いです。参考書で学習が終わった単元からどんどんマーク式の演習に入ってください。
ここはそんなに時間をかける必要もありませんので、うすい問題集で十分だと思います。しっかりと基本問題や典型例題が掲載してある問題集がいいので『短期攻略共通テスト地学基礎』などを使って、7割から8割得点できる力をつけましょう。133ページと薄い作りですので、最低でも1カ月以内に追えるように計画を立ててください。
予想問題集・実戦問題集
共通テスト直前期に入れば、学校の模試のやり直しと、予想問題集や実戦問題集をやりこなしましょう。時間配分や出題形式に慣れるためにも必ず、時間を計り計画的に問題を解ける訓練を行ってください。
解説もしっかりと作られていますので、解けなかった問題の解説を読み込み、参考書に戻り周辺知識の補強にも力を入れてください。
ここまで学習が進めば、必ず9割得点レベルに達することができます。
まとめ
文系で地学基礎が選択できるのであれば、絶対に選択したいところ。はっきりって化学基礎の学習量と比べても半分ぐらいの時間で習得できる科目です。自分の志望大学の受験科目や学校の履修内容を調べ、選択できるのであれば、迷わず使うようにしましょう。
2次や一般試験で重要な教科に力を入れられるように最小の時間配分で9割を獲得してください。
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