共通テスト後に気をつけたい留意点として、国公立大学を受験する場合、「2段階選抜」つまり「足切り」が実施される大学や学部があることがあげられます。今回は、センター試験後に困らないように、この「2段階選抜」「足切り」についてご紹介します。
「2段階選抜」「足切り」とは?
国公立大学の一般入試で気をつけたいのが「2段階選抜」という受験システムです。通常は、共通テストの持ち点を持ったまま、2次試験に突入し、比率は各大学や学部で異なるものの、共通テストと2次試験の得点の合計で合否が判定される仕組みになっています。
しかし、学力レベルを維持したい大学や学部、または、定員に対して入学希望者が多い場合などは、共通テストの成績を用いて2次試験の受験者を事前に選抜することがあります。これが「2段階選抜」「足切り」というもので、2次試験の比率が高くても、共通テストの成績が悪い場合はセンター試験で落とされてしまうことになります。
何点で足切りされてしまうの?
2段階選抜の実施方法は、予告倍率に達した場合と共通テストの得点率による足切りの2つのタイプに分かれますが、得点率で2段階選抜が実施される場合は、最低でも7割の得点が必要になりそうです。
あまく得点率を出しているところでも、900点満点中630点で足切りになります。医学部などの場合は、900点満点中720点は確実に得点できないと厳しいようです。
2次試験も考えると、ボーダーとなる得点率よりもかなり上の点数が必要です。足切りがあるだけ、無駄な入試を回避できるので逆にありがたいですね。
どんな大学が「2段階選抜」「足切り」を行っているの?
すべての国公立大学が2段階選抜を行っているかといえばそうではありません。2段階選抜の実施の有無は大学や学部によって異なりますし、実施方法も各大学に委ねられています。
特に実施が多いのは、志願者が集まる難関大学や医学部・医学科のような学部です。実施方法は2つのタイプに分かれており、「志願者が募集人員の○倍を上回った場合、第1段階選抜を実施する」としている大学もあれば、志願者倍率に関係なく「共通テストの点数が○点以上の者を第1段階選抜の合格者とする」というように共通テストのボーダーラインを設定している大学もあります。
実際に「2段階選抜」が実施されるのは3割程度
2段階選抜、足切りを予告している大学や学部は、毎年60大学150以上の学部がありますが、実際に足切りが実施されるのはそのうち2~4割程度になっています。
実際に、予告倍率に達しない場合が多いようですので、過度に足切りを恐れ、志望大学を限定してしまわないように注意しましょう。しかし、何をもってしても、共通テストで確実に得点を取れるようにしっかりと勉強して受験に臨むことが大切です。なぜなら、共通テストで足切りに合うような学力では、結局2次試験も通過できないからです。
共通テストで2段階選抜を実施予定の大学・学部一覧
下記に紹介する大学で2段階選抜が毎年多い大学です。志願者が集まりそうな難関大学や医学部・医学科ではほとんどの国公立大学で実施されるようです。
- 北海道大学
- 旭川医科大学
- 札幌医科大学
- 弘前大学
- 東北大学
- 秋田大学
- 山形大学
- 札幌医科大学
- 福島県立医科大学
- 筑波大学
- 群馬大学
- 千葉大学
- 東京大学
- 東京医科歯科大学
- 東京工業大学
- お茶の水女子大学
- 一橋大学
- 横浜国立大学
- 山梨大学
- 信州大学
- 茨城県立医療大学
- 埼玉県立大学
- 千葉県立保健医療大学
- 首都大学東京
- 神奈川県立保健福祉大学
- 横浜国立大学
- 横浜市立大学
- 新潟大学
- 富山大学
- 金沢大学
- 福井大学
- 岐阜大学
- 富山県立大学
- 浜松医科大学
- 名古屋大学
- 名古屋工業大学
- 三重大学
- 静岡県立大学
- 愛知県立大学
- 名古屋市立大学
- 滋賀医科大学
- 京都大学
- 大阪大学
- 神戸大学
- 京都府立医科大学
- 大阪市立大学
- 大阪府立大学
- 兵庫県立大学
- 奈良県立医科大学
- 和歌山県立医科大学
- 島根大学
- 岡山大学
- 広島大学
- 山口大学
- 徳島大学
- 香川大学
- 愛媛大学
- 高知大学
- 九州大学
- 佐賀大学
- 長崎大学
- 熊本大学
- 大分大学
- 宮崎大学
- 鹿児島大学
- 琉球大学
- 九州歯科大学
があります。学部によって実施の有無や、予告倍率ももれなく確認しておきましょう。
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