2024年度共通テスト「地理B」に関する情報をお伝えします。地理Bは地歴公民の教科の中で日本史Bに続き2番目に受験者数が多い教科です。理系の受験生も選択することが多い科目でもあります。そこで今回の記事は2024年度共通テスト「地理B」に関する情報をお伝えします。
2024年度共通テスト「地理B」
理系の受験生も多く選択する社会科目が「地理B」です。日本史や世界史と比べると暗記量が少ないのが人気の理由のようです。暗記量は少なくて済むのですが、グラフや表などのデータから特徴をつかみ、答えを判断しなくてはならないという特徴があります。
地理は暗記量が少ないので短い学習量で高得点を狙えそうですが、実は「地域調査」で満点を取ることが非常に難しい科目になります。8割得点まではすぐに持って行けるのですが、9割越えを目指すにはしっかりと時間をかけて対策を行う必要があります。
新学習指導要領からの出題もみられるようになり出題構成も定着しているので、過去問演習は非常に効果的です。教科書や参考書で一通り知識のインプットが終わったら、過去問や実戦問題集で繰り返し問題になれる練習を行ってください。しっかりと対策を行うことで確実に8割得点まで力をつけることができます。
地理資料の読解と思考力が重要
地理の特徴は、単純に正誤を問うだけの問題ではなく、様々な資料をもとに考察し、解答を導く問題が多いです。一問一答だけで乗り切れるようにはできていません。教科書や資料集の資料にできるだけ多く触れる機会をつくり、初見でも何を意図する資料なのかがわかるようにしておきましょう。
また、日々のニュースでも地理の出題内容に絡むことが報道されていますので、ニュースや新聞、あるいは情報特集番組などにも興味を持って触れておきたいところです。
偏った地域で出題の可能性がある
また、見落としがちな地域をクローズアップして出題される可能性が考えられます。アフリカやロシア、オセアニア、東ヨーロッパなどの国々についてもしっかりと対策を行っておくことが必要です。
どの地域が出題されるか予想するのは、非常に困難ですので、学習に穴が無いように満遍なく問題集をこなすように心がけましょう。
2024年度「地理B」の出題予想
難易度は近年と同程度になると予想しています。平均点は65点前後で、9割得点が非常に困難な出題内容となるでしょう。高得点が必要な生徒は、学習が手薄になる南アジア、中南米、極地方の学習にも力を入れておきましょう。
第1問「自然環境と自然災害」出題予想
各地域の地形や気候と関連付けて、自然災害と環境問題に関する出題がなされます。世界だけではなく、日本の自然災害についても出題される可能性があるので注意が必要です。
2024年度入試では、気候データの特徴を問う問題の出題が考えられます。降水量や平均気温など、各地域の特徴をつかめるように練習を行っておきましょう。また、その自然災害や環境問題が起こる原因に踏み込んだ出題が多く見られるので、単純に自然災害などの現象だけを覚えるのではなく、なぜその災害や問題が生じるのか。それによってどのようなことが起こっているのか。解決策はないのか。などにも踏み込んで学習を行いましょう。
❷越境大気汚染の日本への影響
❸ヒートアイランド
❹オホーツク海の流氷の動向
❺世界の地形
❻土壌と植生
第2問「資源と産業」出題予想
資源と産業は、農林水産業関連、鉱工業関連からの出題に2別されますが、2024年度は農林水産業と鉱工業関連の融合問題が出題される可能性があります。ここ数年は両分野からバランスよく出題がなされ、年度によっては鉱工業分野に偏った出題や融合問題もありました。2023年は農工業、商業・流通などの複合問題が出題されるでしょう。
農林水産業の特徴は、その地域の気候や地形、地理的環境に大きく左右されます。なぜ、その産業が発展しているのか、その成立条件にも目を配っておきましょう。また、以下の問題にも注意を払っておきましょう。
❷現代の農業
❸農産品のブランド保護
❹世界の水の現状・課題
❺レアメタルをめぐる状況
❻天然ガス・LNGをめぐる世界の状況
第3問「都市・村落と生活文化」出題予想
第3問は、言語や宗教・民族や衣食住、都市・村落などを幅広く取り上げた出題になります。出題範囲が多岐にわたるので、偏りなく学習することが重要です。2024年度は、現代世界の諸問題が厚く出題される可能性があります。人口・都市問題や地域紛争などにも注意を払う必要があります。
ここでも、単なる暗記ではなく、各地域にみられる生活様式などの諸現象について、なぜそのような生活様式となったのか論理的に説明できるレベルまで学習を進めることが大切です。
❷世界の都市問題
❸民族・領土問題
❹国家の主権と国際平和
第4問「世界地誌」出題予想
第4問は、北アメリカや欧州、太平洋地域など、大地域を取り上げた出題になります。教科書にあるような基本的な出題が多いにもかかわらず、得点が伸び悩んでいる問題でもあります。高得点を狙うのであれば、ここでしっかりと得点を積み上げておきたいところです。
2024年度は、南アジア、欧州、極地方、太平洋地域の出題可能性が高くなっています。まずは、これらの地域からしっかりと基本事項を学習するように心がけましょう。また、予想問題や実戦模試の活用も効果があります。
❷ロシア
❸アフリカ
❹オセアニア
❺極地方
第5問「比較地誌」出題予想
第5問は、各国を比較する出題内容となります。近年はスペインとドイツ、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドの比較地誌が出題されました。追試験の出題内容まで考慮すると、2024年度は南米、東南アジア、アフリカなどに注意が必要になります。
比較地誌の対策は、教科書を読み込むだけで効果が薄いので、過去問研究や予想問題集、実践問題集で演習を重ねておくことが必要です。解答・解説をしっかり読み込んでおきましょう。
❷東南アジアの国々
❸アフリカの国々
❹オセアニアの国々
第5問「地域調査」出題予想
近年の出題内容は、日本の特定地域を取り上げた内容で、長崎県壱岐、岐阜県高山からの出題でした。地形図や航空写真、3D画像、統計資料から自然環境や人間生活、産業の特徴などを問う問題がなされます。
どの地域が出題されるのかは予想が困難ですが、場所が変わっても聞かれていることは変わりません。地形図の読解技術や統計資料の活用方法などを、過去問やなどを通して練習しておくことが必要になります。
❷3D画像
❸統計資料と自然環境
❹地域別産業構造
地理Bの出題内容の分析
地理の学習が共通テストまでの受験者の場合、対策は非常に立てやすくなっています。新課程入試から出題内容が固定化していますので、知識のインプット後は下記の範囲の問題演習に力を入れましょう。
- 第1問「自然環境と自然災害」
- 第2問「資源と産業」
- 第3問「都市・村落と生活文化」
- 第4問「世界地誌」
- 第5問「比較地誌」「地域調査」
出題内容は地理の資料を組み合わせた、思考力を問う出題が多くを占めています。単に一問一答形式の受験勉強をやっていただけでは、なかなか点数が伸びない内容となっています。逆にグラフなどの資料の特徴を掴む練習を行っている生徒には容易な内容になっていました。
合否を分ける世界地誌の学習
新課程になってから地理の出題内容に大きな変化が見られました。それは世界地誌からの出題が大幅に増加したことです。今まで出題が第4問だけに絞られていた世界地誌からの出題が、第4問、第5問からの出題に拡大しており、受験生の得点率も約5割と低くなっています。
どの地域からの出題が見られるかわからないので、学習が不完全な国や地域が残ったままセンター本番を迎えないように注意しましょう。世界の地形、気候、環境、人口、工業、農林水産業、などの学習が終わったら、世界地誌にも力を入れるようにしましょう。
また、比較地誌の得点も伸び悩んでいるようです。これは、学習が手薄な地域があること、各地域ごとの特徴を比較することに慣れていないことが原因のようです。明らかに過去問研究が手薄になっていることを表しています。
時事的ニュースにも関心を持っておく
近年の時事ネタからの出題も見られます。日ごろニュースや新聞などに目を通す習慣があれば容易に得点が可能な内容になっていますので、過去問演習や参考書を読み込むだけでなく、しっかりと国際社会のニュースにも関心を寄せておきましょう。
地理Bの出題予想のまとめ
地理Bは暗記量が少ない科目です。理系の科目で言うと、生物と同じような傾向があります。暗記はもちろん重要ですが、グラフや資料から出題の意図をくみ取れるような練習も必要になってきます。
防災や自然災害に関する出題も定着化していますので、日本の災害への取り組みや自分の地域の避難経路などもあわせて確認しておくと一石二鳥です。
出題内容では、世界地誌が合否を分けるようですね。苦手な地域をつくらないように早めに取り掛かるようにしましょう。
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