これまで運動について学習してきましたが、運動のもととなる力について学習します。力を学習するうえで、力の図示が非常に重要になりますので、まずは力をしっかりと作図できるように練習しましょう。
力の3要素
力を作図するうえで、まずは力の表し方について学習します。力を作図するには、3つのよそを書き込むことが必要です。
- 作用点…力がはたらく点
- 力の向き…矢印の向きで表す
- 力の大きさ…矢印の長さで表す
物体にはたらく力
物体の運動のようすを考えるには、物体にはたらく力が重要になってきます。物体にはたらく力の全てがわからないと問題が解けなくなってしまいます。しかし、安心してください。物体にはたらく力は、大きく分類すると次の2つしかありません。
- 重力…地球が物体を引く力
- 接触力…他の物体に接触しているところから受ける力
重力
重力とは、地球が物体をその中心に向かって引く力です。
地球上にある物体には、必ず重力がはたらきます。ですので、物体にはたらく力を作図する場合、まずは重力からかき出すようにしましょう。物体がどのような状態にあろうが、地球上にあるのなら、ある物体には同じ大きさの重力がはたらき続けます。床の上に静止してようが、自由落下していようが、水の中にあろうがすべて重力がはたらきます。
ただし、「重さの無視できる…」などの文言がある場合は、重力を考える必要はありません。
重力は物体の全ての部位にはたらく力ですので、物体の中心から地球の中心に向かって(鉛直下向きに)矢印を書いてください。ちなみに、重力を表す記号はWになります。
接触力
物体が他の物体に接している場合、そこから何らかの力を受けます。なので、この力を「接触力」ということにします。接触力には、接している物体や状況で次の力があります。
- 垂直抗力N…床などが垂直に物体を押し返す力
- 摩擦力f…運動の向きと逆向きにはたらく力
- 張力T(S)…糸などが物体を引く力
- 弾性力F…ばねが元に戻ろうとする力
- 浮力F…水の中で受ける上向きの力
などです。すべて物体が他の物体に接しているところではたらきます。作図の際に注意する点は、作用点位置です。必ず物体が他の物体に接触しているところからかき出すようにしましょう。また、一つでも漏れがあると、正確に問題が解けませんので、物体の表面をぐるっと一回り見て、接触か所がないかしっかりと調べるようにしましょう。
力をしっかりと作図できるようになったなら、いよいよ「力のつり合い」や「運動方程式」の問題に挑戦しましょう。
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