高校生物。「カルビン・ベンソン回路」について学習してきます。まずはざっくりと炭水化物(グルコース)の合成過程を覚え、さらには詳細までしっかりとマスターしていきましょう。
カルビン・ベンソン回路
光合成の最終段階であるカルビン・ベンソン回路は、葉緑体のストロマで行われる反応です。光化学系Ⅰで生成されたNADHP+H+や電子伝達系で生じたATP、さらには気孔から取り入れた二酸化炭素を使って炭水化物(グルコース)が合成される過程です。
カルビン・ベンソン回路は、簡単に言うと二酸化炭素と水素を反応させる、つまり二酸化炭素の還元反応を起こさせている回路です。回路を回すエネルギーは、チラコイドの電子伝達系で得たATPです。まずは、下の化学反応式を覚えましょう。
- 6CO2+12H2O→C6H12O6+6H2O+6O2
カルビン・ベンソン回路をもっと詳しく!
※上図の化学反応式の右辺、修正箇所があります。
(誤)12NADH+ → (正)12NADP+
(誤)12ADP → (正)18ADP
上ではカルビン・ベンソン回路を簡単に説明しましたが、もっと細部まで覚えておきましょう。とりあえず大学入試はここまで覚えればほぼ大丈夫でしょう。
炭素の数の変化をしっかりと確認してください。1分子の炭水化物(グルコース)が発生するようすを書いています。
- 二酸化炭素6分子と6分子のリブロ―ス二リン酸(RuBP)C5が反応し、ホスホグリセリン酸(PGA)C3が12分子できる。
- 12分子のホスホグリセリン酸(PGA)C3が12分子のNADDPH+H+の水素と12分子のATPのリン酸を受け取り、12分子のグリセルアルデヒドリン酸(GAP)C3と6分子のH2Oが生じる。
- 12分子のグリセルアルデヒドリン酸(GAP)C3のうち2分子が回路から離脱し、さまざまな過程を経てC6H12O6の炭水化物(グルコース)が生じる。
- 残りの10分子のグリセルアルデヒドリン酸(GAP)C3は6分子のATPのリン酸を受け取り、再び6分子のリブロ―ス二リン酸(RuBP)C5となる。
ここまで覚えれば知識としては十分ではないでしょうか。
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