大学入試地学基礎。今日は銀河と宇宙に関するテーマの中でも、太陽の連続スペクトルについて入試のポイントを説明します。
恒星の表面温度と色
夜空に輝く恒星の色の違いは、その恒星の表面温度の違いであることはご存知ですよね。赤い色は温度が低く、黄色になると少し温度が高くなり、白になるともっと温度が高くなります。さらにもっと温度が高くなると青色になります。
では、なぜ温度が異なると色が異なるのでしょうか。それは、その物体から出る波長の長さに違いが現れるからです。どんな物質も、熱を加えたり、熱を放出したりすると異なる波長の光を出す性質があります。
赤色の恒星
赤い色の恒星は温度が低いです。表面温度が2000Kから4000Kほどの温度になります。温度が低いと、恒星から出される光エネルギーが小さく、光波の振動数が少なくなり、波長が長くなり赤く見えるのです。
青色の恒星
青い色の恒星は非常に温度が高い星です。表面温度が10000Kくらいの温度になります。温度が高いと、恒星から出される光エネルギーが大きく、光波の振動数も多くなります。振動数が多いということは波長が短く青く見えるのです。
太陽の連続スペクトル
光を波長の違いによって分解してみることができる分光器を使い、恒星の代表例として太陽の光の波長を分けてみると、連続した光の帯が見えます。
- スペクトル…上の図のような光の帯を「スペクトル」といいます。色々な光がグラデーションのようにつながっているので、これを「連続スペクトル」ともいいます。
- 暗線(吸収線)…スペクトルのところどころにある黒い線を「暗線(吸収線)」といいます。その部分の光が吸収されて無いことを意味しています。研究者の名前を取って「フラウンホ―ファー線」ともいいます。
このスペクトルは、恒星ごとによって赤だけだったり、青っぽかったりします。恒星の出す波長により、さまざまなタイプに分けることができます。太陽の場合、さまざまな波長の色が出ていることがわかります。
暗線で恒星の大気の元素がわかる
この暗線で、その恒星の大気の成分を分析することができます。たとえば、その恒星の大気にNaがあれば、波長589nmの黄色い光を吸収することがわかっています。ということは暗線の位置により、どんな元素が大気に含まれているかわかるのです。
分光器によって、恒星の表面温度だけではなく、大気の元素まで分析できるということです。
赤方偏移
ドップラー効果効果をご存知ですか。救急車のサイレンが近づくときは、高い音に聞こえますが、遠ざかるときは低い音に聞こえます。これと同じことが光にも起こるのです。
- 遠ざかる光は赤っぽくなる(波長が長くなる)
これを赤方偏移(せきほうへんい)といいます。ほぼすべての銀河は宇宙の膨張で、現在も遠ざかっていますので、赤方偏移が起こっているのです。
しかもこの赤方偏移は、遠ければ遠いほど、それに比例して銀河の遠ざかる速度も速くなることもわかっています。
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