大学受験における面接教本をみなさんにお届けします。今回のテーマは志望動機です。
志望動機の答え方
志望動機は、必ず聞かれる面接の鉄板お題です。むしろ聞かれない面接はないと言えるでしょう。面接序盤で聞かれる志望動機をしっかりと答え、まずはよい印象をもたれるようにしましょう。
志望動機を答えるにあたって語るべきことは次の2つです。
- なぜこの学部・学科・コースを選んだのか
- なでこの大学を選んだのか
この2つの質問に自分なりの回答をしっかりと考え抜き面接に臨むようにしましょう。ここで真剣に本気になって事前準備や練習を行っておかないと、これ以降の面接官の質問によって、そのメッキがはがれ、嘘や矛盾などのオンパレードの面接になってしまいます。
本気になって、なぜこの学部や大学を選んだのかを考えましょう。その苦しみがきっと面接本番でもあなたを力強くサポートしてくれます。
なぜこの学部・学科を選んだの?
将来就職したい職業から志望動機を述べる受験生がほとんどです。しかし、ここで探求型の回答にするだけで説得力がグッとまします。
回答例
回答のポイント
普通の受験生なら、将来就きたい職業を述べ、そのためにこの大学・学部・学科を選んだと回答します。合格してもらいたいと面接官に思わせるには、ここで一歩踏み込んで、現代の社会背景などをもとに、大学進学後どういった研究を行いたいかを述べると説得力が増します。実体験を通した志望動機が言えると更にいいですね。
それから、ある程度の専門的なキーワードも盛り込んでおくとよいいでしょう。しかし、気をつけたいのは、専門的すぎる知識などは一切不要だということを忘れないようにしましょう。その専門知識は大学進学後に学ぶことです。知ったかぶりや言葉だけを並べても、面接官につつかれる隙を作るだけです。志望動機を語るうえで必要不可欠な専門用語を使うようにしましょう。
なぜうちの大学なの?
普通の受験生は、HPや大学の資料から大学の理念や校訓を見つけ出し、その理念に賛同できることをアピールします。その他先輩や先生の雰囲気や設備や校舎の素晴らしさなどについても語る受験生も多いでしょう。さらに合格に近づくためには、自分の研究としっかりと結びつけることが大切です。
回答例
回答のポイント
やはりここでも探求型の学生であることをアピールすることです。単に、大学の理念や校訓に共感したことや、就職実績や研究施設の素晴らしさについて述べても印象に残りません。自分のやりたい研究が実現できる最高の環境があることを述べると説得力が増します。
さらに大切なことは、リスペクトです。これからその大学に進学し、研究を進めていくわけですから、教えを乞う先生方や先輩方に敬意を払うことを忘れてはなりません。
他の大学も志望していますか?という質問を投げてくる面接官もいます。この場合は、併願していることも素直に答えましょう。どちらの大学も自分の研究に最適な環境で、正直迷っていますなど、回答の方法を工夫しましょう。
発言の仕方
- できること<CAN>
- したいこと<Want>
- 人柄<Character>
と3つのことを意識しましょう。3つについて、深堀りしていきます。
できること<CAN>
Canとは、あなたがこれまでに身につけたスキル・経験のことを指します。Canを見ることで大学は今のあなたの価値を推し量っています。スキルでわかりやすいのは、資格の取得や部活動の戦績が主になります。その上で、どんな経験を重ねることができたのか、明確に言えると完璧です。
したいこと<Want>
Wantとは、将来のあなたの価値と言い換えることができるでしょう。その大学でどんなことをやりたいのか、どういう生き方をしていきたいのかを聞くことで大学とマッチするかを判断します。あなたのしたい事が、その大学でできるうるのか、大学は判断しているということになります。せっかく入学できても、その大学でやりたいことができなかったら、あなたにとっても望ましいことではないでしょう。つまり、大学の面接は、あなたとの相性を見極めるテストといっていいでしょう。
人柄<Character>
最後にCharacterとは、あなた自身ことで、大学での学習環境・校風とマッチしているかを判断しています。「面接で自分を偽らない方がいい」と言われるのは、自分のCharacterとマッチしていない大学に入学してします恐れがあるからです。
面接の際にはこの3つのポイントを意識して話すようにしましょう。また、面接官はCan、Want、Characterのそれぞれに一貫性があるかも見ています。明確な目的や理由を説明できれば問題はありませんが、自分の主張に一貫性があるかも面接前にチェックしています。
うまく伝える方法
何といっても、「私はこの大学に入り、この研究をするんだ!」という熱い気持ちをもって面接に臨むことが重要です。この熱い気持ちというものは、面接の練習をすればするほど薄くなってきてしまうものです。
まずは、この大学に入りたいと思った初心に立ち返り、面接ではそれを訴えるようにしましょう。面接官にもその思いはきっと伝わります。
抑揚をつける
志望動機などを一言一句覚えている生徒に多いのが、発言に抑揚が無いことです。まるで、原稿を棒読みしているような印象を受けますし、重要な個所が面接官の頭に入りません。
逆に面接官は、あなたが話している発言の要点を探しながら聞かないといけないので、面接官への負担も大きくなります。また、あなたが本当に伝えたいことが伝わらず、誤ったメッセージを面接官が受けとってしまう可能性も十分にあり得ます。
そうならないためにも、強調したいところでは大きな声でスピードを落として話すなどの、緩急をつけた抑揚ある話し方をすることが大切です。これは練習が必要で、自分では抑揚をつけて話しているつもりでも、実際にビデオ撮影をしてみてみると、全然抑揚がついていないことが多々あります。
抑揚をつけるポイントは、いつも強調している感じの更に2倍の力で強調することです。はじめは、「こんなに極端でいいのか?」と恥ずかしさもありますが、それくらいでちょうどいいのです。また、ビデオ撮影も必ず行い、どんなふうに聞こえているのかの確認も忘れずに行ってください。
抑揚をつけるもう一つのポイントは、原稿を丸暗記するのではなく、要点だけを覚えて、あとは自分の言葉で話すことです。スラスラと言えなくて結構です。自分の口が紡ぎ出す一つ一つの言葉にこそ魂が宿るのです。
ボディランゲージ
面接で質問に答えるとき、身動きを一切せず回答してしまうと面接官に緊張感を与えます。質問に何とかわかりやすく応えたいという気持ちがあれば、つい身振り手振りが出てくるものです。自分の気持ちを精一杯伝えるためにもボディランゲージも意識してみましょう。
背筋をしっかりとのばし、大きく手を振って説明すると誠実さが伝わります。このときに注意するのが、マイナスのボディーランゲージです。次のボディランゲージはしないように注意してください。
- 指をさす
- 腕を組む
- 顔をさわる
- 手混ぜをする
- 足をもじもじする
- 顎を突き出す
これらは、不安や緊張、自信のなさを表す仕草であり、面接官にマイナスの印象を与えかねません。
間の大切さ
そして最後に「間」を意識しましょう。流暢に、息次ぐ暇もないように話してしまうと、全然あなたの熱意が伝わりません。言葉にはリズムというものがあります。言葉の発音や、ストーリーの流れなどを脳が解釈し、仮説を立てながら人は話を聞いています。
その時間を有効に使うためにも「間」を空けることが効果的です。間を置くことで、面接官の注意を引きつけ、次の言葉に注目を集める効果があります。それだけでなく、面接官が内容を理解する大切な時間にもなります。
では、どこに間を置けばいいのでしょうか。それは、あなたが重要だと思う言葉を伝える前です。ここに間を置くことで、あなたの伝えたいことはきっと面接官に伝わります。
まとめ
今回は、面接官に伝わる表現方法ということで、3つのポイントを説明しました。もう一度振り返っておきましょう。
- 抑揚をつけて話す。
- ボディーランゲージを意識する。
- 大切な言葉の前に「間」を置く。
最初はうまくいきませんが、練習を重ねることで、面接官に伝わる表現方法が身につくはずです。そして、初心を忘れることなく、熱い志をっもって面接に臨むようにしましょう。
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