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【物理基礎】鉛直運動 自由落下・投げ下ろし・投げ上げ

鉛直運動 物理
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等加速度運動である、鉛直運動について学習します。運動の方向が鉛直方向に変わっているだけですので、今までのように等加速度直線運動の考え方で解くことができます。

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鉛直運動

鉛直とは、重り(鉛)を糸で吊り下げたときの糸が示す方向、つまり、重力の方向をいいます。水平面に対して垂直の方向が鉛直方向です。

この鉛直方向の運動を鉛直運動といいます。ボールが重力により落ちる運動などがこれに当たります。鉛直運動は条件により次の3つのタイプに分かれますが、どれも同じ運動であることには変わりありません。

  • 自由落下
    ボールを静かに放し、真下に落ちる運動。
  • 鉛直投げ下ろし
    ボールを真下に投げつける運動。
  • 鉛直投げ上げ
    ボールを真上に投げ上げる運動。

どれも手をはなした瞬間から、重力しかはたらかない運動になります。重力しかはたらかないのですから、加速度はどれも同じ向きで同じ大きさになります。しかも、運動が続いても重力の大きさは一定で変化しませんよね。なので、これら運動はすべて、同じ加速度の等加速度直線運動であるといえるのです。

重力加速度

鉛直運動では、重力しかはたらきません。なので、加速度は一定の大きさを示します。この重力による加速度を重力加速度といいます。重力加速度を測定すると、およそ9.80…m/s²になります。1901年に開かれた国際度量衡総会で、標準重力加速度は9.80665m/s²と規定されました。これ以来その値が用いられています。

高校の物理基礎では、特に指示がない場合、重力加速度の大きさを9.8m/s²で計算していきます。1秒間に速度が9.8m/sずつ速くなっていくことになります。

重力加速度は記号gで表されます。重力gravityの頭文字を使っているのです。
g=9.8m/s²しっかり覚えてい下さい。

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自由落下運動

自由落下運動は、ボールなどを静かに手をはなし真下に落ちていく運動です。「静かに」という言葉がポイントで、初速度をあたえずにそっと手をはなすという意味になります。

自由落下運動では、初速度v₀がないということ、下向きに運動するので、下向きを正の方向にすることがポイントです。上向きを正の方向にしても構いませんが、普通は動き出す向きを正の方向にします。

等加速度直線運動の公式に、自由落下の条件を入れてみると、次の式が導き出せます。

自由落下運動

自由落下運動 練習問題

ビルの上から小石を静かに落としたところ2.0秒後に地面に達した。これについて、次の各問いに答えよ。ただし、重力加速度の大きさを9.8m/s²とする。

(1)小石の速さが9.8m/s²になるのは、小石が落下しはじめてか何秒後か。

(2)小石が地面に達する直前の速さは何m/sか。

(3)小石を落としたビルの高さは何mか。

自由落下運動 解答

(1)1.0秒後

v=gtより
9.8=9.8×t
t=1.0

(2)20m/s

v=gtより
v=9.8×2.0=19.6

(3)20m

y=1/2gt²より
y=1/2×9.8×2.0²=19.6

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鉛直投げ下ろし

鉛直投げ下ろし運動は、ボールを真下に投げつける運動です。今度は下向きに初速度v₀をあたえて投げ下ろすことになります。

鉛直投げ下ろし運動では、初速度v₀を下向きにあたえること、下向きに動き出すので、下向きを正の向きに取ることがポイントです。

等加速度直線運動の公式に、鉛直投げ下ろしの条件を入れてみると、次の式が導き出せます。

鉛直投げ下ろし

鉛直投げ下ろし 練習問題

ビルの上から小石を真下に初速度v₀で投げ下ろしたところt秒後に地面に達した。これについて、次の各問いに答えよ。ただし、重力加速度の大きさをgとする。

(1)小石が地面に達する直前の速さvを求めよ。

(²)小石を落としたビルの高さはyを求めよ。

鉛直投げ下ろし 解答

(1)v=v₀+gt

(2)y=v₀+1/2gt²

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鉛直投げ上げ

鉛直投げ上げ運動は、ボールを真上に投げ上げる運動です。投げ上げなくてはいけないので、もちろん初速度v₀があたえられます。

鉛直投げ上げのポイントは、最高点に達するまでは、重力の向きと運動の向きが逆になるということです。最初に動き出す向き、上向きを正の方向にとると、重力加速度gはマイナスになります。

最高点までは上に向かって運動し、最高点に達した後は下に落ちてくるので、異なる運動のように見えますが、加速度が一定の等加速度直線運動です。すべて同じ運動になりますので、一つの公式だけで解くことができます。

等加速度直線運動の公式に、鉛直投げ上げの条件を入れてみると、次の式が導き出せます。今までと正負の向きが反対になっているので注意して立式してください。

鉛直投げ上げ

鉛直投げ上げ 練習問題

ボールを初速度9.8m/sで真上に投げ上げた。これについて、次の各問いに答えよ。ただし、重力加速度の大きさを9.8m/s²とする。

(1)最高点でのボールの速度は何m/sか。

(2)最高点に達するのに何秒かかるか。

(3)最高点の投げ上げた位置からの高さは何mか。

(4)再び投げ上げた点を通過するのは、投げ上げてから何秒後か。

鉛直投げ上げ 解答

(1)0m/s

最高点での速度は0になる。

(2)1.0秒

v=v₀-gtより
0=9.8-9.8t
t=1.0

(3)4.9m

y=v₀t-1/2gt²より
y=9.8×1.0-1/2×9.8×1.0²=4.9

(4)2.0秒

最高点まで1.0秒かかったので、最高点から再び投げ上げた点まで1.0秒かかる。

物理
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