生物の多様性に関する内容の植生について見ていきます。その中でも意外と覚えきれていない内容「ラウンケルの生活形」について見ていきましょう。
植物は環境に適応するために、さまざまな生存戦略を持っています。その中でもラウンケルの生活形は、植物がどのように冬や乾燥などの厳しい環境を生き抜くかを分類する考え方です。特に、休眠芽の位置に注目して、植物を「地上植物」「地表植物」「半地中植物」「地中植物」「水生植物」「一年生動物」の6つに分類します。
この分類を理解すると、植物の生態や分布の理由を深く学ぶことができ、試験でも役立ちます。しかし、「休眠芽って何?」「どの分類にどんな植物があるの?」と疑問に思う人も多いのではないでしょうか?この記事では、ラウンケルの生活形の基本概念から、各分類の特徴、代表的な植物の例をわかりやすく解説します。しっかり理解して、生物基礎の得点アップを目指しましょう!
ラウンケルの生活形とは?
生物はその環境に適応するように自身の形態を変化させます。その形態を生活形と呼びます。例えば、サボテンの葉は棘(とげ)になっていますが、これは乾燥で植物体内の水が蒸散で出ていくのを減らすためです。乾燥から身を守るために自身の形態が変化しています。このように環境にあわせて形態に特徴がみられるものを生活形というのです。
植物学者であるラウンケルは、植物の休眠芽の地面からの高さによって植物の生活形を分類しました。例えば、乾燥した地域に多い一年生植物は、乾燥に強い種子という休眠芽で乾季を乗り越えます。また、凍結する地域では、休眠芽が凍結するのを防ぐために地中にあります。植物は環境にあわせて休眠芽の位置が最適なものとなっているのです。
生活形での植物の分類
ラウンケルは休眠芽の地面からの高さによって、植物を次の6つに分類しました。
- 地上植物…休眠芽が地上30cm以上につく。
- 地表植物…休眠芽が地表から30cm以内につく。
- 半地中植物…休眠芽が葉を広げて地表に接してつく(ロゼット)。
- 地中植物…休眠芽が地表面から離れた地中につく。
- 水生植物…休眠芽が水中や水で飽和した地中につく。
- 一年生植物…個体は枯れて、休眠芽は種子中にある。
気温や降水量によって、その地域にどの植物が多いのかが決まります。気温が高く降水量が多くなるほど地上植物が増えます。逆に気温が低くなるほど凍結から休眠芽を守るために、半地中植物や地中植物が増えます。そして乾燥する地域では、乾燥から休眠芽を守るために一年生植物が増えるのです。
生活形で覚えるべき植物
生活形の植物の分類にあわせて、地上植物、地表植物、半地中植物、地中植物、水生植物、一年生植物に植物を分類させる問題がよく出題されます。正誤問題の文章中にもよく出てくるので、下に書いてある程度の植物名は覚えておきましょう。
地上植物
- 普通の高木
- 普通の低木
地表植物
- コケモモ
- ヤブコウジ
- シロツメグサ
半地中植物
- タンポポ
- ススキ
地中植物
- カタクリ
- ユリ
- ナルコユリ
水生植物
- ガマ
- ジュンサイ
- カキツバタ
一年生植物
- ツユクサ
- ハコベ
- メヒシバ
- アサガオ
これくらい頭に入って置けば十分ではないでしょうか。
ラウンケルの生活形の練習問題
ア ツユクサ イ ガマ ウ コケモモ エ タンポポ オ ススキ
カ アサガオ キ ユリ ク ヒメシバ ケ カタクリ コ シロツメグサ
解答エ、オ
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