硫黄の化合物である硫酸は入試や定期テストでも頻出事項です。今日は濃硫酸の工業的製法である「接触法」を見ていきましょう。
接触法とは?
接触法とは、濃硫酸の工業的製法です。接触式硫酸製造法とも呼ばれています。接触法では、硫黄Sを燃焼させ、濃硫酸をつくりだす方法です。次の手順で濃硫酸をつくりだします。
- 硫黄Sまたは黄鉄鉱FeS2を燃焼させる
- 得られた二酸化硫黄SO2を酸化バナジウム(Ⅴ)V2O5を触媒として酸化させる
- 濃硫酸の水の中に三酸化硫黄SO3を反応させ発煙硫酸を得る
- 発煙硫酸を希硫酸でうすめ濃硫酸を得る
反応式で表すと次の通りです。
- S+O2→SO2
4FeS2+11O2→2Fe2O3+8SO2 - 2SO2+O2→2SO3
- SO3+H2O→H2SO4
発煙硫酸とは、SO3の蒸気を発生し白煙を上げている濃硫酸のことです。
【問題】接触法の練習問題
- 硫酸の工業的製法を何というか。
- 硫酸を工業的に作り出すとき、まずは石油精製の副産物として得られる硫黄を燃焼させて何を得るか。化学式で書け。
- 2の後、二酸化硫黄を空気中で酸化させ三酸化硫黄をつくるが、このとき触媒として用いるものは何か。
- 3の後、できたSO3を濃硫酸に吸収させどんな状態の硫酸をつくるか。
- 上記2、3、4、の化学反応式を書け。
【解答】接触法の練習問題
- 接触法
- SO2
- 酸化バナジウム(Ⅴ)
- 発煙硫酸
- S+O2→SO2
2SO2+O2→2SO3
SO3+H2O→H2SO4
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