【高校化学】アルミナの融解塩電解のポイントです。アルミニウムの原料であるボーキサイトから、どのようにアルミニウム単体をつくりだすのか、その仕組みをマスターしていきましょう。ポイントは融解塩電解するときの陽極と陰極での変化です。
アルミニウムの製錬!融解塩電解
アルミニウムAlの単体は、酸化アルミニウムが主成分であるボーキサイトから精製されるAl2O3酸化アルミニウム(アルミナ)を融解塩電解することで得られます。融解塩電解とは、Al2O3を高温で融解させ、電気分解することです。
- ボーキサイト
↓精製 - 酸化アルミニウム(アルミナ)
↓融解塩電解 - アルミニウムAl
アルミニウムAlはイオン化傾向が水素Hよりも大きい金属です。したがって、Al3+が入っている水溶液を電気分解してもH+が反応してH2が陰極に発生してしまします。
そのため、水溶液を電気分解するのではなく、アルミナAl2O3を高温で融解させ、電気分解することでアルミニウム単体を得ます。
氷晶石
酸化アルミニウム(アルミナ)の融点は約2000℃と非常に高く、融解させるだけでもかなりのエネルギーを必要とします。そこで、氷晶石Na3AlF6を一緒に融解し、アルミナの融点を約1000℃まで下げます。
陽極と陰極での変化
融解塩電解では、陰極と陽極に炭素棒Cを使います。酸化アルミニウム(アルミナ)Al2O3を融解すると次のように電離します。
- Al2O3→2Al3++3O2-
陽極
陽極ではO2-が反応し、Oができますが、高温のため直ちに陽極の炭素Cと反応してCOやCO2が発生します。陽極の炭素棒は減っていきますので、その都度補充が必要です。
- O2-+C→CO+2e–
- 2O2-+C→CO2+4e–
陰極
陰極ではAl3++が反応しアルミニウム単体Alが生じます。
- Al3++3e–→Al
このようにアルミニウムの製錬には、非常に多くの電気エネルギーを必要としますので、リサイクルが進められています。
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