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高校生物「真核生物の転写調節」基本転写因子と転写調節領域・調節タンパク質による転写調節

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真核生物の遺伝子の発現調節について学習します。今回はその中でも転写による遺伝子の発現調節です。基本転写因子や調節タンパク質・転写調節領域などいろいろな用語が登場しますので、一つ一つしっかり確認して覚えていきましょう。

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真核生物の遺伝子発現調節方法

原核生物と比べ、真核生物の遺伝子の発現には複雑なしくみが存在します。そのしくみの中で遺伝子の発現調節がなされています。

  1. クロマチン構造による転写調節(ヒストン修飾)
  2. 調節タンパク質による転写調節
  3. 選択的スプライシング
  4. 輸送・翻訳調節
  5. 翻訳後修飾

クロマチン構造による転写調節

今回学習するのは、DNAが転写されmRNA前駆体がつくられるところです。上の図でいうと❷にあたります。原核生物の転写調節であるオペロンとは異なる方法で転写の調節が行われています。用語をしっかりと理解して覚えていきましょう。

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真核生物の転写調節

真核生物のDNAは核内にあり、DNAにRNAポリメラーゼが結合することで転写が行われます。このとき、単純にプロモーターにRNAポリメラーゼが結合し転写が行われるのではなく、次のような過程を経て転写が行われます。

  1. プロモーターに基本転写因子が結合する。
  2. 基本転写因子とRNAポリメラーゼが転写複合体を形成する。
  3. 転写調節領域に調節タンパク質が結合する。
  4. 調節タンパク質が転写複合体に触れ、転写を促進または抑制する。

真核生物の転写調節

このとき、転写を促進するか、抑制するかで転写調節領域と調節タンパク質に違いが出てきます。

転写を促進 転写を抑制
調節タンパク質 アクチベーター リプレッサー
転写調節領域 エンハンサー サイレンサー

転写を促進する場合

次の過程で、真核生物の転写が促進されます。

  1. プロモーターに基本転写因子が結合する。
  2. 基本転写因子とRNAポリメラーゼが転写複合体を形成する。
  3. 転写調節領域であるエンハンサーに調節タンパク質のアクチベーターが結合する。
  4. アクチベーターが転写複合体に触れ、転写を促進する。

真核生物の転写促進

転写を抑制する場合

次の過程で、真核生物の転写が促進されます。

  1. プロモーターに基本転写因子が結合する。
  2. 基本転写因子とRNAポリメラーゼが転写複合体を形成する。
  3. 転写調節領域であるサイレンサーに調節タンパク質のリプレッサーが結合する。
  4. リプレッサーが転写複合体に触れ、転写を抑制する。

真核生物の転写抑制

生物
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