高校生物基礎。肝臓のつくりとはたらきについて学習します。肝臓は人体の化学工場といわれるように、さまざまなはたらきを担っています。
肝臓とは
肝臓は、人体の中でも消化系の最大の器官で、さまざまな化学反応を通して血液中の物質の濃度を調節しています。その他にも、消化液をつくったりと多くの機能を持っています。成人の肝臓は、質量で1.2kg~2.0kgの質量があります。
肝臓には、心臓から送り出される血液の約3分の1が流れ込んできます。多くは消化管を通り、門脈(肝門脈)を流れてきた血液で、消化管で吸収された多くの物質は、肝臓で処理されて全身に流れるようになっています。
肝臓のつくり
肝臓には、4つの管がつながっています。心臓から送りだされた血液が流れる肝動脈、心臓に戻る血液が流れる肝静脈、消化管から出る静脈が合流した門脈(肝門脈)、胆汁が流れる胆管も十二指腸とつながっています。
肝小葉
肝臓はたらきを担っているつくりが肝小葉とよばれるつくりです。このつくりが肝臓の基本単位となっており、この肝小葉は50万個の肝細胞からなり、肝小葉は肝臓に50万個存在します。
肝小葉の中心には中心静脈という静脈があり、それに向かって周りにある動脈、門脈から血液が肝細胞のすき間を通り流れ込んできます。
肝臓のはたらき
肝臓は、人体の化学工場といわれるように多くのはたらきを担っています。その中でも、絶対に覚えておきたいのが次の7つです。
- 尿素の合成
- 解毒作用
- 血糖量の調節
- タンパク質の合成・分解
- 胆汁の生成
- 赤血球の破砕
- 体温の維持
尿素の合成
タンパク質やアミノ酸は窒素Nを含んでいる化合物なので、それらが分解されると、有害なアンモニアNH₃が生じます。このアンモニアは人体にとって毒性が強いので、肝臓によって尿素につくりかえられています。尿素も水に溶けやすい物質なので、尿の成分として腎臓のはたらきで体外に排出されます。
解毒作用
肝臓には、アルコールや薬物など、人体にとって有毒な物質を酵素によって分解し、無害な物質につくりかえる解毒作用があります。
血糖量の調節
小腸で吸収されたグルコース(ブドウ糖)は、肝門脈を通り肝臓に送られます。血糖量が多いときは、グルコースの一部は肝細胞内にグリコーゲンとして蓄えられます。血糖量が少なくなると、グリコーゲンを分解しグルコースとして血液中に流すことで、血液のグルコース濃度を調節しています。
タンパク質の合成・分解
血しょうには、さまざまなタンパク質が存在します。アルブミンや血液凝固に関与するタンパク質などです。これらのタンパク質は肝臓でつくられて血液中に放出されています。
赤血球の破砕
肝臓には、古くなった赤血球を破砕するはたらきがあります。多くは脾臓で破砕されますが、一部は肝臓で破砕され、赤血球に含まれるヘモグロビンはアミノ酸まで分解され、他のタンパク質の合成に利用されます。
胆汁の生成
胆汁は、肝細胞でつくられています。胆汁は胆のうに貯えられ、十二指腸に分泌されます。胆汁は脂肪の消化を助けるはたらきをしており、小腸での脂肪の消化・吸収を促進します。また、胆汁には解毒作用で生じた不要な物質や、赤血球の分解産物などを含んでおり、これらを体外に排出する役割もあります。
体温の維持
肝臓では多くの化学反応が起きているので、それに伴い多くの熱が発生します。この熱は生物の体温維持に役立っています。
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