大学入試無機化学。今日はカルシウム化合物について学習します。それぞれの化合物が反応後どんな物質に変化するのかをしっかりと覚えましょう。
カルシウム化合物
アルカリ土類金属であるカルシウムCaの化合物は、入試でも非常に聞かれやすい内容です。まずはどんなカルシウム化合物が存在するのかまとめてみます。
- 酸化カルシウム
CaO、生石灰 - 水酸化カルシウム
Ca(OH)2、消石灰 - 炭酸カルシウム
CaCO3、石灰石、大理石 - 炭化カルシウム
CaC2、カーバイド - さらし粉
CaCl(ClO)・H2O - 炭酸水素カルシウム
Ca(HCO3)2 - 硫酸カルシウム
CaSO4、セッコウはCaSO4・2H2O
どうやったらどれができるのかをマスターしていきましょう。
酸化カルシウムCaO
アルカリ土類金属であるカルシウムの酸化物ですので塩基性酸化物になります。別名は生石灰で、水と反応して塩基性になります。アンモニアソーダ法でも登場しました
- CaO+H2O→Ca(OH)2
酸化カルシウムCaOは溶解熱が大きく、大量の熱を発生させながら水酸化カルシウムCa(OH)2である消石灰になります。塩基性酸化物ですので、塩基性の気体を乾燥させる塩基性乾燥材としても利用されます。
水酸化カルシウムCa(OH)2・炭酸カルシウムCaCO3
白色粉末の水酸化カルシウムCa(OH)2は消石灰とも呼ばれ、水に少し溶け強塩基性を示す物質です。水酸化カルシウムの飽和水溶液を石灰水といい、二酸化炭素を吹き込むと白色沈殿を生じます。さらにしつこく吹き込み続けると無色透明に戻ります。
- Ca(OH)2+CO2→CaCO3+H2O
- CaCO3+CO2+H2O→Ca(HCO3)2
これは可逆反応ですので、Ca(HCO3)2を加熱すると、二酸化炭素が発生し白色沈殿であるCaCO3が生じます。
鍾乳洞ができる反応もこれと同じで、Ca(HCO3)2ができる反応で、石灰石CaCO3を多く含んでいる地層が溶かされ鍾乳洞ができます。鍾乳洞内では逆反応も起き、CaCO3が再びできて鍾乳石や石筍が発達するのです。
また、炭酸カルシウムCaCO3に塩酸HClなどの強酸を加えると、弱酸の遊離反応が起き二酸化炭素が発生します。
- CaCO3+2HCl→H2O+CO2+CaCl2
炭化カルシウムCaC2
酸化カルシウム(生石灰)であるCaOにコークスCを加え加熱すると炭化カルシウムCaC2、別名カーバイドが得られます。
- CaO+3C→CaC2+CO
カーバイドに水を加えると、水酸化カルシウムとアセチレンC2H2が発生します。
- CaC2+2H2O→Ca(OH)2+C2H2
さらし粉CaCl(ClO)・H2O
さらし粉CaCl(ClO)・H2Oや高度さらし粉Ca(ClO)2・2H2Oに塩酸を加えると塩素Cl2が発生します
- CaCl(ClO)・H2O+2HCl→CaCl2+Cl2+2H2O
- Ca(ClO)2・2H2O+4HCl→CaCl2+2Cl2+4H2O
また、さらし粉は水酸化カルシウム(消石灰)に塩素を吸収させることで得られます。
- Ca(OH)2+Cl2→CaCl(ClO)・H2O
硫酸カルシウムCaSO4
硫酸カルシウムはセッコウCaSO4・2H2Oとして天然に産出します。セッコウを焼くと焼きセッコウCaSO4・1/2H2Oとなり、水で再びセッコウに戻ります。
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