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大学入試小論文経済学部「埋没費用について」

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大学入試小論文「当事者意識をもって社会問題に向き合う大切さ」についての解答例です。

・出題学部:商学部・経済学部・社会科学部系
・重要度:低い
・難易度:やや難

埋没費用(サンクコスト)とは
埋没費用(サンクコスト)図解

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埋没費用についての問題

【問題】民主主義と資本主義は対立するのではない。皆が決めるという「いまここ」の利益が政治の基礎だ。私たちは、みんなで決めておくが絶対善とされる時代に生きている。「いまここ」で幸せになれるかを考えるとき、埋没費用という言葉がある。それは単にゼロベースで未来の幸せを考えることだが、埋没費用からひとは自由になれない。それは人間性の核心であるからだ。皆が決めることが悪いわけではないが社会はそれだけで成立しない。

このことについて、あなたの考えを記述しなさい。

埋没費用についての解答例

【解答例】ここで言う埋没費用とは、回収が不可能になった費用を意味する経済用語である。私も埋没費用から自由になれないと感じた経験がある。

ファーストフード店で買うことができるコーヒーとカフェテリアで飲むコーヒーを例に挙げる。ファーストフード店では手軽にコーヒーを飲むことが可能でありかつ値段も安いそれに比べてカフェテリアやコーヒーの専門店で飲むことができるコーヒーは値段が高い上、量がファーストフード店と比べて少なくて提供されることもある。お店によっては一杯飲むのに、2000円もかかるお店も存在するのだ。もし口に合わなかった場合でも飲まないと言う選択肢を取る人は少数派である。

なぜならば、人々は値段が高い分すべて飲まないともったいないと感じるからだ。人々は値段の高さに心を囚われコーヒーの味ではなではく場所や雰囲気を褒める。確かに、場所や雰囲気は大事だが、コーヒーを飲むためにきているのである。味ではなく、場所や雰囲気のために高いお金をはらうということは、「いまここ」だけの利益を計算しているのだ。

このように、安く手軽に飲むことができるコーヒーは資本主義の外部にあり今ここの利益を優先する値段が高いコーヒーは資本主義の外部にあるのである。

埋没費用についての講評

※一部を公開

【講評】
ガラリと変わりましたが、よく書けています。
身近なところに、自分の経験・体験談も織り込める具体例で記述できるのであれば、いつもそうした方がいいですね。この論文ではないですが、特に、成長できたような具体例があるとすれば、書かない手はありません。

【新たな視点】
(主張)ひとは埋没費用から自由になれないことの事例として、主婦の食材の買出しを挙げる。
(事例)私の母は、チラシを見ては、100円安い食材を買うために1000m先のスーパーに買い物に行く。「いまここ」にある100円安いという事実を達成し、お得感を得るためだ。しかし、埋没費用については無視している。つまり、1000m先のスーパーに行くための時間だ。仮に30分かかったとすると、その30分働けば500円は稼げただろう。私の母は、100円安いという「いまここ」を優先したがゆえに、500円稼げたという未来が見えていなかった。
(理由)この事例は、民主主義と資本主義の外部にあることは明らかだ。私の母だけでなく、チラシの効果もあって多くの主婦が同じ行動をとるだろう。100円高くても近くのスーパーに行く人は、少数であり民主主義の外部にある。30分働くと500円は稼げるのに、それを拒否して1000m先のスーパーにいくのは、市場原理とは真逆であり資本主義の外部にある。
(まとめ)このように、主婦の食材の買出しは、民主主義と資本主義の外部にあると考える。
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