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大学入試小論文「今後のAIと人間の関わり方の解答例・考察」

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大学入試小論文「今後のAIと人間の関わり方」考察・解答例です。

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今後のAIと人間の関わり方の解答例

人工知能とは、コンピュータに知的な作業をさせる技術のことで、今世の中に存在する人工知能は全て、個別の領域において知的に振る舞う特化型人工知能である。これに対し、汎用型人工知能とは、異なる領域で多様で複雑な問題を解決する。普及した場合、労働が機械に代替され経済構造が変化すると考えられる。日本経済の成長率は低下している一方で、世界的な開発競争に乗り遅れるわけにはいかないのである。

2030年頃に「汎用人工知能」が出現すると仮定した場合、人間の思考力に影響を与えると考えられる。というのも、人間が行っている知的作業や自律的な能力を人工知能が持つことによって、人間は考えることを自らしなくなる。つまり、思考力が低下するということである。技術革新により世界では、便利なものが次々と現れたことで、人間は楽をするようになった。

特に、スマートフォンの進化は驚くべきものである。日本での所有率は高く、最近では、小学生が所有していることは当たり前で、使っている人を見かけないことはない。スマートフォンは、分からないことを検索すると1秒で最適な答えを出力するため、人間がいちから時間をかけて調べることは少なくなった。考えずに答えが出てしまう結果、簡単な漢字が書けないが増えたり、インターネットに広がっている知識を乱用したりと、今まで無かった問題へと発展した。汎用人工知能の出現は、ただでさえ考えることが少なくなった現代において思考力の低下に拍車をかけるものである。

しかし、障害者や高齢者などの生活が困難な人の助けになるという面もある。掃除や料理、買い物あらゆることを汎用人工知能に任せることで、暮らしが楽になる。また、危険な仕事や、時間がかかる仕事も代替することで、安全面向上、人件費削限などのメリットが生まれる。

私たち人間は、便利を無意識に受け入れてしまう生き物である。技術発展とともに、変化していくことは決して悪いことではない。ただ、全てを受け入れ人工知能に任せていくのではなく、取捨選択をして「活用」していくことが、これからの未来において重要である。以上のことから、2030年頃に「汎用人工知能」が出現すると仮定した場合、人間の思考力に影響を与えると考えられる

【講評一部抜粋】AIと人間

論文は、汎用人工知能の登場に伴う潜在的な問題と利点を明確に提示しています。特に、スマートフォンの進化とその影響に焦点を当て、便利さが思考力低下や新たな社会的課題を引き起こす可能性を議論しています。一方で、障害者や高齢者への支援や、危険な仕事の代替といったポジティブな側面も指摘しています。技術進化を受け入れる一方で、全てを無批判に受け入れず、「活用」する姿勢の重要性を強調しています。

【改善点】
ただし、論文全体を通して、具体的な例や裏付けがもう少し増えると、議論がより説得力を増します。

■スマートフォンの進化に関する具体的な事例の追加
具体例: 例えば、スマートフォンの進化により、学校での宿題においても、生徒たちは手軽にインターネット検索を頼りにし、従来の調査や独自の思考を行う機会が減少している。これが、簡単な問題への対処能力の低下や、表現力の不足といった問題を引き起こす一因となっている。

■障害者や高齢者への具体的な支援例の追加
具体例: 一方で、汎用人工知能の進化は、視覚障害者にとっても新しい可能性を提供している。例えば、スマートグラスと連携したAIは、周囲の状況を解説し、障害者が自立して移動する手助けとなるだろう。これにより、社会参加が促進され、生活の質が向上する可能性があると考える。

■技術進化と取捨選択に関する例の追加
具体例: また、我々が技術進化を適切に取捨選択することの必要性は、過去の例を振り返ることで理解できる。例えば、自動化が進む中で、一部の産業では従来の職種が減少したが、同時に新たなスキルや職種が生まれ、これにより労働市場が多様化している。したがって、汎用人工知能による進化も同様に、新たな可能性を生み出すとともに、注意深い取捨選択が求めらると考える。

【添削一部抜粋】AIと人間

(添削)
(原文×)汎用型人工知能とは、異なる領域で多様で複雑な問題を解決する。
(修正案)汎用型人工知能とは、異なる領域の多様で複雑な問題を解決する。
→同じ副詞を連続して使用することは、避けましょう。(課題文の引用等の場合は別)

AIと人間の関連用語

  • シンギュラリティ…人工知能(AI)が人類の知能を超える転換点(技術的特異点)。それにより人間の生活に大きな変化が起こるとされる。
  • 生成AI…ジェネレーティブAIとも呼ばれ、AIが自ら答えを探して学習する「ディープラーニング(深層学習)」を用いて構築された機械学習モデル。よりクリエイティブなものを創造することが可能。(例)プログラムのコード、文章、楽曲、画像、動画など。人間の仕事や作業をサポートするツールとなりうる。
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