近年、急速に進化を続けるAI(人工知能)は、私たちの生活や仕事、社会の仕組みそのものに大きな影響を与えています。大学入試の小論文でも「AIと人間の共存」や「テクノロジーと倫理」などをテーマにした出題が増えており、しっかりとした知識と自分の意見を持っておくことが重要です。この記事では、AIと人間の今後の関わり方についての考察のポイントをわかりやすく解説し、実際の解答例も紹介します。論理的で説得力のある小論文を書く力を身につけましょう。
大学入試小論文「AIと人間の未来」共存のあり方と課題の書き方のポイント
1. 問題の捉え方

テーマの「AIと人間の未来」「共存のあり方と課題」を正確に理解します。
- AIの進化:生成AI、ロボット、自動運転など、社会に浸透しているAIの例を挙げる
- 共存の視点:AIに仕事や生活を補助させる、人間の能力を拡張する、教育や福祉に活かす
- 課題の視点:雇用への影響、倫理的問題、プライバシー・セキュリティの問題、人間性の喪失リスク
→ 曖昧な論点を避け、具体例+問題意識で書くと説得力が増します。
2. 構成例(約800字~1000字想定)

① 導入(現状提示・問題提起)
例:「近年、AIは文章作成、画像生成、診断支援など、私たちの生活や社会活動に急速に浸透している。しかし、AIの進化に伴い、人間の役割や社会の在り方について議論が活発になっている。」
ポイント:テーマへの関心・問題意識を簡潔に示す
② 本論1(AIの利点・共存の可能性)
例:「医療分野では、AIによる診断補助が医師の判断を支え、精度の向上や効率化に貢献している。また、教育や福祉においても、個々に応じた学習支援や介護補助としての活用が期待される。」
ポイント:具体例を挙げ、人間とAIの補完関係を示す
③ 本論2(課題・リスク)
例:「一方で、AIの普及は雇用の減少や格差拡大を招く可能性がある。また、判断基準や倫理の曖昧さ、個人情報の漏洩リスクも無視できない。人間の思考や感情の価値が軽視される懸念も存在する。」
ポイント:単なる否定ではなく、現実的・具体的なリスクを挙げる
④ 結論(解決策・展望)
例:「したがって、人間とAIの共存には、教育や法律の整備、倫理的な指針の確立が不可欠である。AIに任せる領域と人間が保持すべき領域を明確にし、補完関係を築くことが未来社会における最善策である。」
ポイント:課題への対応策を示し、読後に納得感を与える
3. 書き方の注意点

- 具体例を入れる…抽象的な「便利になる」「問題がある」だけでなく、医療、教育、労働など具体的事例を示す
- 両面から論じる…AIの利点と課題をバランスよく述べ、説得力を高める
- 接続語・論理の流れを明確に…「一方で」「そのため」「したがって」を使い、論理の順序を整理
- 自分の意見を明確に…最後に自分が考える最適な共存の形を提示する
- 字数・簡潔さを意識…長文にならないよう、ポイントごとに1文~2文で簡潔にまとめる

今後のAIと人間の関わり方のある人の解答例
人工知能(AI)とは、コンピュータに知的作業を行わせる技術を指す。現在普及しているAIは、特定の領域でのみ知的に振る舞う「特化型AI」である。一方、異なる領域で多様かつ複雑な問題を解決できる「汎用型AI」が登場した場合、労働の機械代替による経済構造の変化が避けられない。日本経済は成長率が低下しているが、世界的な開発競争に遅れをとるわけにはいかない。
2030年頃に汎用型AIが出現すると仮定すると、人間の思考力に影響を与える可能性がある。AIが知的作業や自律的判断を担うことで、人間は自ら考える機会を失い、思考力の低下を招く恐れがある。技術革新により便利なものが次々と生まれ、スマートフォンの普及はその顕著な例である。日本では小学生の所有も珍しくなく、検索機能により瞬時に答えが得られるため、人間が時間をかけて考える機会は減少している。その結果、漢字を正確に書けない、情報の取捨選択ができないなど、従来なかった問題が顕在化している。汎用型AIの出現は、この傾向を加速させる可能性がある。
しかし、汎用型AIは障害者や高齢者など、生活が困難な人々を支援する面でも有用である。掃除や料理、買い物などの家事や、危険かつ時間のかかる作業を代替することで、生活の安全性や効率性の向上、人件費の削減などのメリットも生まれる。
以上を踏まえると、私たちは便利を無意識に受け入れる傾向がある一方で、AIの活用においては「取捨選択」が重要である。すべてを任せるのではなく、人間が保持すべき思考の領域とAIに委ねる領域を明確にし、補完関係を築くことこそ、未来社会における共存の鍵となる。したがって、2030年に汎用型AIが登場した場合、人間の思考力への影響を十分に意識しつつ、適切な活用を図ることが求められる。
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