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【化学基礎】放射性同位体「壊変と半減期」

同位体には、放射性同位体というものがあります。今回は放射性同位体の原子核が崩壊するしくみと、放射性同位体の半減期について詳しく見ていきます。

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放射性同位体とは

同位体の中には不安定な原子核を持ち、放射線とよばれる粒子や電磁波を出して、他の原子に変化する放射性同位体(ラジオアイソトープ)というものがあります。放射線を出しながら他の原子に変化する現象を壊変といいます。有名な放射性同位体としては3Hや14Cがあります。

放射性同位体

放射線と壊変

放射線には、α線(アルファ線)、β線(ベータ線)、γ線(ガンマ線)、x線(エックス線)、中性子線などがあります。この放射線を出しながら原子が崩壊していく現象が壊変です。壊変には次の3種類があります。

  • α壊変
    α線であるヘリウムの原子核を放出しながら壊変する。
    ヘリウム原子核の放出ですので、α線は正の電荷をもつ。
    α壊変が一回起こると原子番号は2減少し質量数は4減少する。
    (ヘリウムHeの原子核は陽子2個と中性子2個で構成されているから)
  • β壊変
    β線である電子を放出しながら壊変する。
    電子e⁻を放出するので、β線は負の電荷をもつ。
    中性子が陽子と電子に変化することでβ線が放出されるので、β壊変が一回起こると質量数は変わらないが原子番号は1増加する。
  • γ壊変
    γ線であるα、β壊変の後に出る余分なエネルギーを放出するしながら壊変する。
    エネルギーだけの放出なので、原子番号や質量数は変化しない。

化学基礎の範囲では、β壊変を押さえておけば十分でしょう。中性子1個が陽子1個と電子1個に変わるので、原子番号が1増加することがポイントです。

β壊変

質量数14の炭素原子のβ壊変

β壊変する放射性同位体として有名なのが、14Cです。炭素原子は原子番号6番なので、陽子を6個持ち、質量数が14なので、質量数14-陽子数6=中性子数8になります。

14Cが1回β壊変すると、中性子1個が陽子1個と電子1個に変わり、β線(電子e⁻)を放出して窒素14Nに変化します。

炭素14のβ壊変

放射性同位体の半減期

次は半減期についてみていきます。放射性同位体の14Cですが、自然界ではその割合が一定になっています。β崩壊によって減少する14Cの量と宇宙線により増加する14Cの量が同じになっているからです。

植物は光合成により二酸化炭素CO₂を吸収しますが、このとき二酸化炭素に含まれる14Cも自然界と同じ割合で取り入れています。しかし、植物が枯れると14Cの取り込みが途絶え、壊変によって14Cの割合は減少していきます。

14Cの減少のしかたには特徴があって、5730年経過するごとにその濃度が半分になります。放射性同位体が他の原子に変化することで、その濃度が半分になるまでの時間を半減期といいます。

半減期

この半減期を利用し、枯れたり化石になった生物体の14Cの量を測定することで、何年前にその生物体が枯死したり死んだかがわかるのです。つまり、14Cは年代測定に使用されているのです。

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放射性同位体の練習問題

Q1:次の文中の( )に適する語句や数字を記入しなさい。
同位体の中でも、質量数がことなる原子どうしを( ① )という。(①)は原子核が不安定で、放射線を出しながら崩壊する( ② )を起こす。このときに出される放射線のうち、正の電荷をもつものが( ③ )線であり、負の電荷をもつものが( ④ )線である。(④)線は高速の( ⑤ )の流れであり、中性子1個が陽子1個と電子1個に変化するときに放出される。そのため(④)壊変を1回起こした原子では( ⑥ )は変化しないが、( ⑦ )は1増加する。

Q2:ある遺跡から発見された木片中の14Cの割合を調べると、現生する木に含まれる量の25%であった。14Cの半減期を5700年とすると、この遺跡は何年前のものだと推定されるか。

放射性同位体の練習問題 解答

A1
同位体の中でも、質量数がことなる原子どうしを(①放射性同位体)という。放射性同位体は原子核が不安定で、放射線を出しながら崩壊する(②壊変)を起こす。このときに出される放射線のうち、正の電荷をもつものが(③α)線であり、負の電荷をもつものが(④β)線である。β線は高速の(⑤電子)の流れであり、中性子1個が陽子1個と電子1個に変化するときに放出される。そのためβ壊変を1回起こした原子では(⑥質量数)は変化しないが、(⑦原子番号)は1増加する。

A2
半減期を1回迎えると14Cの割合は50%になる。2回迎えると50%のさらに半分の25%になる。14Cの半減期は5700年なので、5700✕2=11400年

化学
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