高校化学の有機化学について勉強しましょう。今日は有機化学の第一歩である「有機化合物の分類」について学習します。覚えるべき官能基なども紹介しますので、しっかりと覚えていきましょう。
有機化合物とは?
有機化合物とは、炭素原子をふくむ化合物のことをいいます。ただし次の化合物は単純なつくりなので有機化合物に含めません。
- 炭素C
- 一酸化炭素CO
- 二酸化炭素CO2
- 炭酸塩NaHCO3など
- シアン化物NaCNなど
有機化合物に対して、炭素以外の元素からできている化合物を無機化合物といいます。
有機化合物の特徴
有機化合物は炭素Cを骨格としてできている化合物ですので、次のような特徴があります。
- 構成元素の種類は少ない
炭素C、水素H、酸素Oなどを中心に化合物がつくられます。 - 化合物の種類は非常に多い
炭素の原子価は4と非常に結合の腕が多いので、鎖状や環状、二重結合、三重結合などさまざまな結合をつくります。 - 融点・沸点は低い
有機化合物のほとんどが分子をつくります。結合の力が弱いので融点・沸点が低くなります。 - 完全燃焼すると二酸化炭素CO2と水H2Oを生じる。
炭素Cの割合が多くなると完全燃焼しにくくなり、すすなどを生じます。 - 水に溶けにくく、エーテルなどの有機溶媒に溶けやすい
極性を持たないものが多く、水に溶けにく性質があります。 - 反応のスピードが遅い
それに対して中和などは瞬時に反応が起こります。
有機化合物の種類
有機化合物には非常に多くの種類があります。まずは、単結合だけでできている化合物か、二重結合や三重結合を含むのかで分類します。
- 飽和炭化水素…炭素骨格が単結合だけでできている。
- 不飽和炭化水素…炭素骨格に二重結合や三重結合が含まれている。
その他にも炭素骨格が鎖状になっているのか、環状になっているのかでも分類します。環状の構造を持っている場合には、環式炭化水素と言ったりもします。
鎖状 | 環状 | ||
脂肪族炭化水素 | 脂環式炭化水素 | 芳香族炭化水素 | |
飽和炭化水素 | アルカン(単結合のみ) | シクロアルカン(環状) | |
不飽和炭化水素 | アルケン(二重結合あり) アルキン(三重結合あり) |
シクロアルケン | 芳香族炭化水素 (ベンゼン環) |
官能基とは?
官能基とは、化合物に特徴的な性質をもたらす原子、または原子団のことです。例えば、ヒドロキシ基OHが化合物につくとアルコールと呼ばれ、特徴的な性質が現れます。
覚えるべき官能基
官能基を覚えると、その化合物の化学的・物理的性質がおおよそわかります。次の官能基を覚えましょう。
官能基 | 名称 | 一般式 | |
ヒドロキシ基 | -OH | アルコール(フェノール) | R-OH |
アルデヒド基 | -CHO | アルデヒド | R-CHO |
ケトン基 | -CO- | ケトン | R-CO-R |
カルボキシ基 | -COOH | カルボン酸 | R-COOH |
ニトロ基 | -NO2 | ニトロ化合物 | R-NO2 |
アミノ基 | -NH2 | アミン | R-NH2 |
スルホ基 | -SO3H | スルホン酸 | R-SO3H |
エーテル基 | -O- | エーテル | R-O-R’ |
エステル基 | -COO- | エステル | R-COO-R’ |
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