【高校化学】気体の性質「ボイル・シャルルの法則」についてまとめています。気体の体積と圧力、温度との関係を表した法則になります。
- レベル:★★★☆基礎
- 重要度:★★★★☆
- 対応:定期テスト・実力テスト・センター試験
気体の性質
気体を考える場合、気体の物質量、体積、圧力、温度が非常に重要になります。気体の物質量(mol)が変化すると、体積や質量が変化します。また、圧力や温度が変化しても、体積などが大きく変化します。
気体の物質量、体積、温度、圧力が変化した場合、気体がどのように変化するのかを学習していきます。まずは、気体の体積、圧力、温度との関係を見ていきましょう。
ボイルの法則
ボイルの法則とは、「温度一定のとき、一定量の気体の体積Vは、圧力Pに反比例する」という法則です。1662年にイギリスのボイルによって発見されました。
密閉容器に気体を入れて、圧力を2倍にすると体積は1/2倍になり、圧力を3倍にすると体積は1/3倍になります。これは、体積が圧縮されて1/2倍になると、単位時間内に分子が容器の壁に衝突する回数が2倍になるから、圧力が2倍になるためです。
ボイルの法則の公式
ボイルの法則では、次の内容と公式、グラフを覚えましょう。
法則
一定温度で、一定物質量の気体の体積は圧力に反比例する。
公式
グラフ
ボイルの法則 練習問題
[問題]25℃で1.013×105Paの気体10Lを、同温度で2.026×105Paにすると、気体の体積は何Lになるか。
[解答]5.0L
[解説]一定温度で、一定物質量の気体の圧力を変化させている問題ですので、ボイルの法則が成り立ちます。PV=一定より、
1.013×105Pa×10L=2.026×105Pa×V
V=5.0L
シャルルの法則
シャルルの法則とは、「圧力一定のとき、一定物質量の気体の体積Vは、絶対温度に比例する」という法則です。1787年にフランスのシャルルによって発見されました。
密閉容器に気体を入れ、圧力一定で気体の温度を上昇させると、体積が増加します。このとき、気体の体積と温度との間には次の関係が成り立ちます。
圧力一定のとき、一定物質量の気体の体積Vは、温度が1K上下するごとに、0℃における体積V0の1/273倍ずつ増減します。この関係は気体の種類によりません。
シャルルの法則の公式
シャルルの法則では、次の内容と公式、グラフを覚えましょう。
法則
一定圧力で、一定物質量の気体の体積は絶対温度に比例する。
公式
グラフ
シャルルの法則 練習問題
[問題]27℃で12Lの気体を、同圧で-73℃に冷却すると、気体の体積は何Lになるか。
[解答]8.0L
[解説]一定圧力で一定物質量の温度が変化しているので、シャルルの法則をもちいます。
T/V=一定より、
12L/(27+273)K=V/(-73+273)
V=8.0L
ボイル・シャルルの法則
ボイル・シャルルの法則とは、「一定物質量の気体の体積Vは、圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する」という法則です。単にボイルの法則とシャルルの法則を合体させただけのことです。
ボイル・シャルルの法則の公式
ボイル・シャルルの法則のでは、次の内容と公式を覚えましょう。
法則
一定物質量の気体の体積Vは、圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する。
公式
ボイル・シャルルの法則 練習問題
[問題]0℃、1.01×105Paで500mLの気体を、27℃、8.08×104Paにすると、気体の体積は何mLになるか。
[解答]687mL
[解説]一定物質量で、圧力と温度が変化してるので、ボイル・シャルルの法則を用いて解きます。PV/T=一定より、
(1.01×105×500)/(273+0)=(8.08×104×V)/(273+27)
V=686.8
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