大学入試小論文「部活動のあり方についての考察・解答例」です。
部活動は当たり前ではない。自主的な活動にもかかわらず、生徒や教師を強制的に巻き込むこともある。部活動は日本独特の文化であり、今の日本の部活は過剰なほど肥大化している。部活は、繰り返される死亡事故や見てみぬふりをされてきた体罰や暴力そして、教師の過労死など問題が山積みである。やりすぎてはいけないが、全廃をしてほしいとは思わない。部活動で、楽しむ力を育ててほしいからだ。
【問い】「部活動」の是非について、あなたの考えを800字以内で述べなさい。
部活動のあり方についての解答例
筆者は部活動においての問題点を述べているが、全廃しろとは考えていない。私も筆者と同様で、部活動は行っていくべきだと考える。なぜならば、部活動を行うことにより、縦や横のつながりも深くなったり、普通の授業では味わえないような体験をすることが可能になったりするからだ。
私は、卓球部に所属しており、部活動から得た経験はどれも生活に生かすことが可能だと推察する。例えば、分からない部分を教えあったり助言をしあったりすることにより、良い人間関係を構築することができる。他にも卓球の試合があった時に、試合に出る人も出ない人も、一丸となって応援し、団体戦で勝利を収めた際には、授業では学ぶことのできない、嬉しさや喜びを体感できた。仲間と協力そして、多数の学びを得ることができるのは、部活動の特権であると推察する。
たしかに、いじめや体罰、過労が問題となっているが、日頃から調査を行い、すぐに悩みを相談できる電話番号にかけたり、学生だけはなく先生も気軽に相談をできたりする窓口を各学校に作るべきだと考える。
このような対策をとることで、山積みになっている問題も解決の糸口がみつかる。したがって私は、部活動の全廃は避けた方がいいと思う。
部活動のあり方についての講評(一部抜粋)
比較的簡単な課題だったと思いますが、そういうときこそ、気を引き締めて記述しましょう。今回の論文は、いいですね。基本の型に充実に、具体例も自分の経験を生かすことができています。また、部活動の重要性と問題への理解を示しており、具体的な提案も含まれている点はよかったです。
【採点】
内容:80点
表現と論理展開:80点
文法と語彙:90点
総合:78点
【改善点】
具体例の拡充:どのような助言や協力があったのか、具体的なエピソードを追加すると良いでしょう。
対策の詳細化:問題への対策について、もう少し詳細に説明すると良いです。たとえば、どのように調査を行うかや、どのような電話番号や相談窓口を設けるかについて詳しく触れると読者に納得感が生まれるでしょう。
対立する意見への対応:他の立場や反対の意見にも触れ、それに対してどのように考えるかを述べると、論文のバランスが良くなります。これによって、読者により広い視野から問題を見る機会を提供できます。
部活動のあり方についての添削(一部抜粋)
✕(原文)嬉しさや喜びを体感できた。仲間と協力そして、多数の学びを得ることができるのは、部活動の特権であると推察する。
〇(修正1)このように、嬉しさや喜びを体感できた。仲間と協力そして、多数の学びを得ることができるのは、部活動の特権である。
〇(修正2)嬉しさや喜びを体感できた。仲間と協力そして、多数の学びを得ることができるのは、部活動の特権であると思う。
言葉の使い方
「推察する」という言葉ですが、自分で経験したことから感じたこと、思ったこと、考えたことを記述するときには、使いませんね。推察は、「おもいはかる」「想像する」に近い言葉ですね。どちらかというと、人(社会に生きる一般人も可)の気持ち、心の中を想像するって感じです。
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