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【高校日本史探求】江戸の三大政治改革と政治史のまとめ

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【高校日本史探求】江戸の三大政治改革と政治史のまとめです。

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江戸時代の政治改革

江戸時代は、約260年にわたる平和な時代であった一方、政治的・経済的な課題が絶えず存在していました。その中で、幕府は統治の安定や財政再建を目指し、時代ごとにさまざまな改革を実施しました。以下では、綱吉の政治から天保の改革に至るまでの主要な政治改革について、その背景や特徴、影響を概観します。
江戸時代の政治改革一覧表

綱吉の政治

5代将軍徳川綱吉の治世では、儒教思想を基盤に政治が行われました。

  • 朱子学を官学化し、湯島に聖堂を建立して学問の奨励を図りました。
  • 生類憐みの令では、動物保護を目的とし、病気の動物の捨て去りや食用目的の動物販売を禁止しましたが、過剰な規制として批判を受けました。
  • 貨幣改鋳により低品位貨幣が大量発行されましたが、これが物価高騰を招き経済に悪影響を及ぼしました。

正徳の治

6代将軍家宣と儒学者新井白石による文治政治が特徴です。

  • 朝鮮通信使の待遇簡素化や閑院宮家の創設など、国内外の秩序と文化振興を目指しました。
  • 高品位貨幣の発行による物価安定や、1715年の正徳新令で長崎貿易の管理強化を行い、金銀流出を防ぎました。

享保の改革

8代将軍徳川吉宗による約30年間にわたる改革は、幕府財政の立て直しが目的でした。

  • 倹約令や上げ米の制により財政改善を図り、農村の開発では新田開発と商品作物の栽培を奨励しました。
  • 足高の制で下級武士からも人材を登用し、効率的な統治を目指しました。
  • 裁判制度の改善として公事方御定書を編集し、公正迅速な裁判を実現しました。
  • 目安箱の設置など民意を取り入れる試みも行われましたが、農民の貧富差拡大が新たな課題となりました。

田沼意次の政治

重商主義政策を推進し、幕府の財政基盤を強化しようとしました。

  • 株仲間の奨励や幕府専売制の拡大による財源確保。
  • 長崎貿易を活性化し、金銀の輸入と海産物などの輸出を進めました。

寛政の改革

11代将軍徳川家斉の補佐役である松平定信が推進した改革です。

  • 帰農令により都市への人口流入を抑え、農村再建を目指しました。
  • 囲米や社倉の設置で凶作に備え、救済体制を強化しました。
  • 棄捐令により旧債務を帳消しにし、農民負担の軽減を図りました。
  • 教育面では、寛政異学の禁を通じて朱子学を振興し、幕府体制の安定化を図りました。

天保の改革

水野忠邦による改革で、財政再建と社会秩序の維持を目指しました。

  • 倹約令や風俗統制で奢侈品を禁止し、質素な生活を推奨しました。
  • 人返しの法では農村への人口回帰を促し、都市部の混乱を抑えようとしました。
  • 株仲間解散で物価抑制を図る一方、上知令では経済・軍事力の強化を目指しましたが失敗し、忠邦は罷免されました。
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総括

江戸時代の政治改革一覧表
江戸時代の改革は、時代ごとの社会問題や財政難への対応策として実施されましたが、多くは一時的な効果に留まり、根本的な解決には至りませんでした。各改革の中には、後の政策にも影響を与えたものもありますが、特に農民や庶民に対する負担や混乱を引き起こした点が課題として残されました。

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